トップページ

ご注意:下記コラム内の法律や税制などは執筆当時のもので、現在では変更になっている可能性があります。

マネー塾
個別相談
セミナー

第1章 資産運用の基礎
アベノミクスでインフレ時代到来!預貯金だけでは資産が目減りするばかりです。

私の投資信託のお知らせです

上の写真は私が加入している投資信託の投資状況のお知らせです。5年前にまだ保険会社に勤務していたときに取引先の銀行に勧められて、半分は付き合いで加入したものです。
内容は毎月1万円ずつ私の口座から引き落とされるもので、6月(2015年6月)末でちょうど60回引き落とされました。合計60万円です。それが「お知らせ」には 時価評価額がいくらになっていたと思われますか?なんと!964,810円です。
5年間で1.608倍、364,810円増えました。5年前の加入当時に60万円を一括で預けていれば倍の729,620円増えて、時価評価額も1,329,620円になって いたのではないか、と言うと、そうではありません。預ける時期によって倍以上になっていたかもしれないし、逆に減額していたかもしれないのです。
いつ預けていたら一番増えていたかというのは今となっては分かりますが、未来のことは専門家でも分かりません。ましてや専門知識のない一般庶民には分かるはずもありません。 そこで、その時期のリスクを分散させるために毎月1万円ずつ投資してきたのです。これをドルコスト平均法と言います。
私の加入していた投資信託はインデックス型国内株式投資信託です。 投資信託は運用スタイルによってインデックス型とアクティブ型に分かれます。インデックス型とは ベンチマーク(指標)の動きと連動するように運用スタイルです。
ベンチマークとは例えば国内株式であれば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等です。私の投資信託のベンチマークはどちらの指標とも違います。アクティブ型は そのベンチマーク以上の収益の獲得を目指すスタイルです。当然アクテティブ型の方が手間暇がかかるため手数料は高くなります。そう言ってインデックス型よりアクティブ型 の方が運用利回りが高いかと言うと結果的に必ずしもそういうことはありません。専門家でも投資はそれだけ難しいということです。
株式投資信託は多くの銘柄の株式で構成されています。例えば日経平均株価をベンチマークとするインデックス型投資信託ですと日経平均株価を構成する銘柄とその組み入れ 比率と近いものになるように投資しています。多くの銘柄に投資することによってここでもリスクの分散をはかっています。
この様にリスクを回避、軽減することをリスクヘッジと言います。
ところで、ここで代表的なベンチマークの日経平均株価のこの5年間の動きについて見ていきましょう。
私が上記の投資信託に加入した2010年7月は2008年のリーマンショックの影響がまだ色濃く、日経平均株価は9,537円でした。その後もアベノミクスが始まる 2012年12月まで8,000円台から9,000円台を上下していました。アベノミクスが始まって値を徐々に上げていきましたが、動きは鈍いものでした。そして、やっと 20,000円を超えたのは2015年5月と、つい最近のことでした。
この5年間で日経平均株価は倍増したのです。初めに私の投資信託の評価額が1.608倍になったことをサプライズ的に書きましたが、特別のことでもなんでもなく、ごく普通の ことだったのです。
ただ、ここでしっかりと押さえておかなければならないのは、この5年間がたまたま株価が上昇した期間であったということです。私は30年以上ドルコスト平均法式で自社株 を買い続けましたが、リーマンショックで元金割れとなりました。常にリスクは伴うということです。ですからリスクヘッジすることが必要です。
私は上記の投資信託をドルコスト平均方式で購入することで時間のリスクをヘッジしました。また、この投資信託は多くの国内株の銘柄に投資することによって各々の株価上下の リスクをヘッジしました。
この上さらにリスクをヘッジするとなるとどうしたらいいでしょうか?
株式と債券の値動きは逆になるとされています。それで、債権の投資信託を購入します。
円は日本は今後人口も減り国力が弱まっていき、長期的には円安傾向にあると言われています。それでは、海外の株や債券の投資信託を購入しましょう。
不動産は株価や債券とは関係ない値動きをすると言われています。それでは、不動産投資信託(REIT)も購入することにしましょう。
こうやって資産配分していくことを「ポートフォリオを組む」と、言います。
投資信託のことばかり言いましたが、もちろん投資する商品は株、デリバティブ、FX等投資信託以外にも多くあります。
ただ、ここではタイトルの「資産運用の基礎」という趣旨に沿って、今までは預貯金しかしてこなかったが、これから資産運用を始めようと決意した人を応援したいという 気持ちで書いています。
まずはリスクが比較的低く、購入後の手間もかからない投資信託から始められたらいかがですか、という提案です。
今までの長期に続いたデフレ時代なら預貯金でも目減りすることはなかったでしょうが、アベノミクスでインフレ時代が到来したらどんどん目減りするばかりです。
まずは余裕資金で投資信託を購入することから資産運用を始められることをお勧めします。ただ、投資するのは余裕資金です。 無理な投資はやめましょう。

第2章 マイホームを購入する際の心構え

私は2013年12月にマイホームを購入しました。30年勤務した保険会社を辞めて福岡にUターンしようと決めたと同時に福岡市内にマイホームを買おうと決意 しました。
福岡出身と言っても育ったのは今も実家のある太牟田市です。福岡天神から西鉄特級で約1時間かかる熊本の県境にある市です。しかも高校を卒業してからは福岡県外 を転々としていましたので福岡市内とその周辺はほとんど土地勘がありません。また、知人もいません。
それで、普通にハローワークを通して大手来店型保険ショップに就職しました。そして、出勤日が間近に迫っていたので僅か1日で福岡市の隣の粕屋町の賃貸アパート に移転先を決めました。急いでいたので確かに雑な気持ちで決めましたが、半年くらいでマイホームを購入するつもりでしたので多少居心地が悪くても住めればいいと 思っていました。
ところが、結果的には1年半もかかってしまいました。自分のニーズに合った物件を見つけることの難しさを痛感させられました。しかし、今ではとてもいい経験に なり、仕事にも活かせることができると考えています。
なぜ、そんなにかかってしまったかと言うと自分なりのこだわりを持って物件を探していたからです。また、不動産業者には媒介を依頼せずにインターネット、ちらし、知人 からの聞き込み、時には、希望地域を車で巡回して捜したこともあります。
また、候補物件が見つかり、周りの環境等を調べて、迷っているうちに他人に購入されたことも何度もありました。
不動産業者に媒介依頼すれば、もっと楽に探せるのではないかと思われるとでしょうが、あえて、それをしなかったのは私なりの考えがあったからです。
まず、私には不動産の知識があり、自分で探す自信がありました。私は保険会社に勤務していたときに小泉首相によって民営化された元道路公団の会社へ2年間出向 したことがあります。そこでは、高速道路用地の買収やメインテナンス等を行い、不動産について勉強することができました。不動産鑑定士、測量士、司法書士の方々とも 一緒に仕事をすることも多く、普通に不動産業者に勤めていたら得られない多くの不動産に関する知識も得ることができました。不動産に関することが面白くなり、出向後 には宅地建物取引士の資格をとり、今でもインターネットや雑誌でいろいろな物件の情報を閲覧し、相場の値動きや地域の開発状況等を見て楽しんでいます。それで、私の こだわりの物件のイメージをはっきりと持つことができ、捜す地域も絞ることができ、物件の調査すべき項目も分かっていました。
次に私が自分で捜した理由は不動産業者の都合のいい物件しか紹介されない可能性があると思ったからです。
もちろん、不動産業者の方々の多くは顧客第一で物件を探されると思いますが、中にはどの業界でもそうですが、手数料が高い物件や売れ残りの物件等を優先的に勧めてくる 人がいるものです。たまたま、このような担当者に当たった場合には、自分や家族のほしい物件のイメージをしっかりと持っていなければ、そんな担当者に勧められた物件を買わされて しまうかもしれません。マイホームはその後の長期間の家族の生活スタイルを決める人生で一番高価な買い物です。後で後悔しても取り返しができません。
それで、この部分が一番肝心です。マイホーム探し始める前には必ず自分や家族のマイホームのイメージを明確なものにしておいてください。家族全員が納得するまで 徹底的に話合ってください。マイホームに対するニーズ、こだわり、条件に言い換えることもできますが、明確にし、だだ、すべての条件を満たすことはできないかもしれない のでそれらの条件に優先順位を付けてください。
では、それらの条件はどのようにして決めればいいのでしょうか。家族全員でマイホームにまつわる夢や目的を語り合ってください。通勤や通学に便利な都心で都会生活を満喫したい、 子供は自然に恵まれた広い家でのびのび育てたい、退職後は田舎で農業をやってみたい、老後は海外で過ごしたい、等自由に語り合って、それらを箇条書きにしてみてください。
それら一つ一つが条件となります。もう一つ考えてほしいのは購入したマイホームは一生住み続けるのか、どうかです。定年までは通勤が便利なところに住み、定年後は田舎暮ら しをしたいという人は今度買う家は定年頃に売却するか、他人に貸さなければなりません。その時に誰も買わない、借りない物件では困ります。
現在、空き家は全国に820万戸(2013年10月1日時点)を超え、総住宅数に占める割合は13.5%になり、今後も増え続け、社会問題化しています。また、不動産価格は 日本の人口は減る一方なので、全体的には下がり続けるでしょう。そんな社会情勢の中では将来売却、貸与することも考えて物件選びをしなければなりません。どういう物件かと 言うとできるだけ資産価値を維持できる、利便性の高い物件ということです。
以上の様なテーマの家族間でのブレーンストーミングの後、優先順位を付けた箇条書きした条件を文章化してから物件探しを始めて下さい。ただ、もう一つ物件探しの前にやっておいて もらいたいことがあります。それはマイホーム購入予算を決めることです。その理由は説明するまでもないと思います。問題はどのようにして決めるかです。
その前に知っておいてもらいたいのはマイホーム購入予算は物件そのものの価格だけではないということです。それプラス不動産業者に払う仲介手数料、登録手続きを代行して もらう司法書士への報酬、不動産取得税、火災保険料等です。目安として新築だと物件価格3%から7%、中古だと6%から10%程度です。それに個別事情になりますが、家財を 買い換える、中古なのでリフォームする、屋根付きの駐車場を建てる、等があったらそれもプラスし購入予算に含めなければなりません。
さあ、いよいよ購入予算額を積み上げていきましょう。まずは自己資金です。自己資金の内訳は住宅ローンの頭金と上記の諸費用です。
住宅ローンは物件価格の100%借りられるか、分かりません。収入基準を満たしていても80%から100%と、幅があります。 そうすると自己資金は最低でも購入価格の 10%から30%は必要です。それでは、自己資金にいくら拠出できますか?
まずは預貯金です。預貯金をすべて拠出できますか。緊急の出費があります。遠方の親が危篤で帰省しなければならない時の交通費や葬式代等です。子供の教育費等よく考えて 最低必要額は残しておきましょう。次に自分の親や奥さんの親は援助してくれないでしょうか。2019年6月までは「直系尊属から住宅資金等資金の贈与を受けた場合の贈与税の 非課税措置」で2015年1月から12月までは通常の住宅でも1,000万円まで贈与税が非課税となります。この件については1度はご両親に相談された方がいいでしょう。
以上の様な段取りで自己資金額を確定させます。
さあ、次は住宅ローンの借入見込み額です。
住宅ローンの一般的返済負担率は年収の20%から25%と言われています。年収500万円なら年間100万円から125万円、月額8.3万円から10.4万円となります。 これはあくまで目安です。他に車のローンがある等個別事情があるので、各々がキャシュフロー表を作成した方がいいでしょう。キャシュフロー表はインターネットで検索すれば 出てきますのでそれをダウンロードして作成してください。無理な返済計画は禁物です。これで毎月の返済額が出たら返済期間です。最長が35年のローンが多いですが、できる だけ定年前に完済させる様にしましょう。そうしないと老後の生活が破たんする可能性があります。
続いては住宅ローンをどこから借りるか、固定金利型にするか変動金利型にするかを決めなければなりません。ここについては皆さんでインターネットや取引銀行から資料を もらう等して勉強してください。
今は返済利率が最低水準であり、2019年6月30日まで住宅ローン税額控除等が適用されますので住宅ローンを利用するチャンスではあります。
住宅ローンの返済期間とローンの見込み利率が決まったら毎月の見込み返済額から返済額早見表を使って借入可能額を算出してください。返済額早見表もインターネット で検索すれば出てきます。
自己資金+借入可能額-諸費用=購入予算額-諸費用=物件価格です。
さあ、いよいよこの購入予算書と物件条件表を持って物件探しを始めましょう。
物件探しの方法は私みたいにインターネットやチラシ等を見てもいいですし。信頼できる不動産業者がいたらそこに頼んでもいいでしょう。ただ、どの段階でもいいので 宅建業者なり建設会社なりの専門家を通す様にしましょう。そうしないと欠陥住宅だったりした場合相談するところも責任を取ってくれるところもなくなります。また、購入前 にどの項目をチェックしたらいいのかも分かりません。通常ですと頼まなくても介入してきますのでその業者とは接触を密に取っておくことです。ただし、前述しました様に 業者の言いなりにならないことです。そのために物件条件表を作成したことを忘れないで下さい。
さて、購入予算書と物件条件表を持ってどのようにして候補物件を探せばいいのでしょう?もちろん、条件表のすべてを満たす物件がいいに決まっています。ですが、予算に 限りがあります。それで、条件表に優先順位を付けたのです。条件表の第一はどうしても譲れない、叶えたい夢だと思います。それはやはり最優先したいですよね。例えば、都心 で都会生活を満喫したい、マイホームからぶらっと外に出てしゃれた喫茶店でくつろぎたい、ショッピングセンターを目的もなくぶらつきたい、ということの憧れはありますよね。
当然都心の物件は高価です。予算はあります。それでしたら、予算に合った物件を探すのです。新築一戸建てが無理なら新築マンション、新築が無理なら中古、それでもダメ なら広さを我慢する。狭小住宅がたまにテレビ等で紹介されていますよね、10坪や15坪の土地に3階建ての家を建てる、なんか言って、紹介されているのを見ると意外と広い ですよね。第一条件を満たすために他の優先順位の低い条件を我慢するということです。
この例の場合他にも我慢するところは他にもたくさんあります。土地の形、日当たり等です。不動産は非常に個別性が高いものです。隣同士の全く同じ形、広さの土地でも 日当たり等の条件で値段が違います。それだけに難しくもあり、面白いのです。
物件探しは夢を叶える楽しい作業です。大いに楽しみましょう。それと同時に将来のライフスタイルを決定する一生で一番高い買い物です。絶対に後で後悔しないように 他人の言うことを聞きながら、決して流されないようにしっかりとした心構えを持って臨みましょう。

第3章 終活について

皆さん、終活という言葉をご存じですか。
2009年に週刊朝日から生み出された言葉とされており、2010年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。意味としては人生最後を迎えるに当たり行うべきことの 総称です。
具体的には身辺整理、葬式の準備、墓の購入、遺言書の作成、介護に対する準備等です。
意味は分かるが、何をすればいいか分からない、と言われる方が多いと思います。
勉強して情報収集しなければ終活はできません。そこで、どんなことを勉強するのかをイメージするのに手っ取り早いのはエンディングノートを見ることです。
エンディングノートは一時期ブームになりました。マスコミに取り上げらたことも多かったので耳にされたことはあるのではないでしょうか。
エンディングノートはインターネットでもダウンロードできますし、本屋でも販売しています。簡易なものから本格的なものまであります。それぞれ項目の違う ものもありますので何種類がご覧になってください。
エンディングノートは自分が死んだときやぼけたときに家族に希望することを伝えるツールです。
これを時間のある時に静かにめくるとなんとなく終活のイメージがつかめると思います。
終活の内容は各々の事情によって異なります。もうすでに墓がある人は墓の準備は不要でしょう。
自分は終活で何をやりたいか、やらなければならないかを考えてください。
考えて判断するには知識や情報が必要です。インターネットで検索したり、本も終活に関する本は多く出ています。また、セミナーも各地で行われています。ただ、セミナーは 葬儀社や墓石業者等の主催のものが多く、内容が主催者の意向に偏っている場合もありますのでご注意ください。終活に詳しいFPに相談されるのもいいと思います。
ただ、多くの場合優先すべき事項は相続対策です。相続が争続にならないための対策です。
うちは争う程財産がないという認識はとんでもないまちがいです。2013年遺産で争った裁判の遺産額は1,000万円超5,000万円以下が42.7% 1,000万円 以下が32.3%になっています。
よくあるケースが遺産のほとんどが一軒家で、その一軒家を誰が相続するかで争うケースです。自分の死後自分の子供達が相続争いをしてお互いに絶縁状態になったらと想像 しただけで悲しくなるでしょう。対策としてはいろいろありますが、まずは公証人役場で遺産分割に関する遺言書を作成しておくことです。
次に優先されるのは介護の問題でしょう。痴呆になってしまったら誰かが勝手に預貯金からお金を引き出して使ってしまったり、子供の誰かが勝手に家の名義を自分のものに してしまったりしたら、子供間のトラブルになります。それを防ぐために任意後見人制度があります。
痴呆になったときに後見人になってもらう人を指定しておく制度です。もちろん信頼できる人を指定するのですが、家族や友人に該当者がいない場合には司法書士や弁護士も 指定できます。手続きは公証人役場で行います。
他にも終活は多くあります。財産や大切な物の整理、葬儀の規模や形式の決定と準備等各自の希望や事情によって内容は異なるでしょう。
終活は遺族が困らないようにやることではありますが、同時に自分自身の棚卸しをして終焉に向かって前向きに、豊かに生きようという活動でもあります。
決して暗くならず、明るく終活したいものです。

第4章 自動車保険考

当たり前ですが、保険は保険事故が発生し保険金を支払うときにその真価が問われます。
その時に一番労力とコストがかかるのが、企業分野は置いといて家計分野では自動車保険ではないでしょうか。
保険事故が発生してその保険金の額を決める、または、決まるまでの過程が自動車保険は他の保険種類とは異なります。それは対人賠償と対物賠償という賠償保険が 含まれているからです。
家計分野でも個人賠償等の賠償保険はあります。しかし、その事故の頻度とリスクの大きさは自動車保険と比べ物になりません。 賠償保険は相手との交渉で保険金の額が決まります。相手が納得して合意してくれないと保険金は支払えません。
すんなり合意してくれれば苦労はありません。対物賠償の示談は大抵すんなりいくだろうと思われるかもしれませんが、案外、もめるケースが多いのです。
対物と言うとこわした物は自動車を想像されるのではないでしょうか。しかし、事故報告では様々な損壊物が報告されます。家、ペット、ガードレール、盆栽、電柱、 信号機、信号機でも信号機に付着しているボックスに入ったその地域の信号機の制御装置の損害額は数千万円にもなると聞いています。 店を損壊させれば、その休業損害まで言及されます。
被害額が高額になる可能性があるので最近では対物の保険金額は対人賠償と同様にたいてい無制限になっています。 無制限と言ってもそれは限度額で、保険会社は損害額を保険金として支払います。その損害額を巡って相手と話合うのですが、これがこじれるケースが結構あるのです。
大切にスリッパをはいて乗っていた新車だから、新車に買い替えてくれ、しかし、保険金は原則修理代しか出ません。この盆栽は時価数百万のものだと言われても、 その客観的資料がないと支払えません。死んだペットは家族同様で何物にも替えがたい、と言われても、ペットショップで数万円と言われたら、それが損害額です。
被害者はそのドライな査定額を見て、被害者としての怒りがますますこみあげてきて、感情的になって交渉が難航するのです。
これが対人賠償となると交渉はさらに苛烈になるケースがあります。被害者が死亡したり、植物人間になったり、長期入院の後、後遺症が残ったり等となってくると 事故は加害者、被害者ともにその人達の人生がかかった出来事なのです。そんな事案に係る保険会社の関係者は大きなストレスを抱えます。中には精神的な障害を発症する 者もいます。
もちろんこんな事案の発生率は非常に低いです。それでも、自動車を運転する者はだれでも大事故の被害者や加害者になる可能性はあります。そして、 自分がその当事者になったときに自動車保険をどの会社のどの代理店で加入していたかで、その対応に大きな差が出てくるのです。
だんだん少なくなってきましたが、事故時には我が身を呈して自分の契約者を守る気概を持った代理店の方がいます。
事故が起こったときの代理店の役割は契約者から聞いた事故報告を保険会社に伝えること、契約者の保険金請求手続きの補助をすることです。 代理店には示談交渉の権限はなく、下手に立ち入ると越権行為になります。
それでもお客様を守るという信念で契約者から事故の一報が入ったら、夜中でも飛び起きて現場に駆けつける。契約者の身になって相談に乗り、必死で保険会社と交渉する。 ややこしい相手には契約者の前に立って対峙する。まさに職人気質の姿勢に頭が下がる思いがするものです。そんな姿を見て事故した相手が感動して、次の更改時にその代理店 で自動車保険を契約した、という話も聞きました。
そんな代理店の契約者はやはり心強いです。
そんな代理店をどうやって捜せばいいの、と言われても困ります。そんな代理店の名簿があるわけでもなく、インターネットで検索しても出てきません。どこかで評判を 聞いて捜してくださいとしか言えません。ただ、そんな代理店は専業で比較的売上の多い代理店の中に多いです。
専業で売上の多い代理店の団体に所属する近くの代理店はインターネットで捜すことはできます。その団体は一般社団法人 日本損害保険代理業協会で会員数は全国で 12,000近くいます。主に県単位で活動していますので、近くの代理店を捜す場合「○○県代協」で検索してもらえばそのホームページが出てきます。たいていの県代協 はそこで名簿を公開していますので、それで捜してください。ただ、事故のときにどのような対応をしてくれるかは、評判を聞くか、直接その代理店に聞いてもらうしか方法 はありません。
代理店の話をしてきましたが、代理店が介入しない自動車保険があります。それは通販型自動車保険です。インターネットで加入申込を行うタイプの自動車保険です。
このタイプは代理店が関わっている場合でも単なる仲介、取次のみです。上記のような対面式で契約するような代理店は契約の代理権を持った代理店で、仲介のみよりも 代理店手数料は高くなります。その分通販型の方が保険料はグッと安くなります。
通販型自動車保険を選んだ時点で前述したような事故時の代理店からの支援は期待できません。ちなみに大手国内損保会社の子会社からも通販型自動車保険は 販売されています。
次に保険会社に目を向けてみましょう。
私が入社した1981年頃では国内損保会社は損保21社と言って、東京海上をトップに21社が護送船団方式で同じ内容、保険料の自動車保険を再保険専門会社の 1社を除いて全社販売していました。
それが、金融ビッグバンによる度重なる合併を経て今では3メガ損保グループ+αという構図で、違う商品内容の自動車保険を各社が販売しています。
それに保険料の安い通販型保険販売会社グループ、外資系損保会社グループ、JA等の共済グループ等が自動車保険を販売しています。
ところで、歴史的なことに少し触れると1996年金融ビッグバンの保険業法改正で生損保の子会社を通しての相互参入が認められ、損保系生保会社が相次いで設立 された様に生保系損保会社も多く誕生しました。
現在では損保系生保各社が大きく売上を伸ばしているのに対し、生保系損保で残っているのは企業分野だけを残した明治安田損害保険だけです。
損保は事故処理体制を整えるのに大きなコスト、労力及び簡単には得られないノウハウが必要なためほとんどの生保会社が撤退したのです。損保商品の中でそれらが 特に必要となるのが自動車保険なのです。
さて、話を自動車事故に戻しましょう。
自動車事故はどこで起こすかは分かりません。田舎で暮らしている方は田舎で事故を起こす可能性が高いでしょう。特に交通の便が悪い所こそ自動車をよく利用します。 また、旅行に行って山の中で事故を起こすかもしれません。
そんなときに事故処理する拠点が近くにないときについて考えてみましょう。対人事故を起こして相手が事故現場近くに住んでいた場合にも相手と難しい交渉をしなければ なりません。しかも、相手は大けがをして入院している。保険会社の事故担当者は数百キロ離れた都市の支店に勤務して、多くの事故を抱えて毎日忙しく働いている。そんな状況 では事故担当者は事故現場にも相手のところにもなかなか行けません。また、介在している代理店もいない。とりあえず、保険会社は電話、郵便で対応しようとするでしょう。 または、事故を起こした契約者自身にややこしい相手との対応をあれやこれやと依頼してくるかもしれません。
上記の様な大きな人身事故を起こす確率はかなり低いです。しかし、そんな時のための自動車保険です。そんなときを想定して自動車保険に加入したいという方は インターネットで加入している、または、加入しようとしている保険会社の自動車事故処理センターが近くにあるか、また、それらが全国各地どの程度網羅しているかを 確認して検討してください。
一般論から言えば三メガ損保グループやAIGグループ等の大手は事故処理拠点数が多く、通販型は主要都市しかないところが多いです。
しかし、その分通販型は保険料が安いというメリットがあります。
ここでもう一つのやり方として大手グループの通販型自動車保険に加入するのもいいかもしれません。保険料は安くても大手の持っている事故処理網を利用できるからです。 ただ、事故対応には差別化をしているかもしれません。その点は率直に質問されてもいいと思います。
以上の様に自動車保険はいざというときに事故処理に大きな差が出る可能性があります。
生命保険の定期保険等は保険事故が発生した時に各社が保険金を払うまでの事故処理方法や保険金の差はそれ程ないでしょう。
自動車保険は他の保険商品よりは事故の時のことを重点的に検討して選択した方がいいでしょう。
だらだらと取り留めもなく自動車保険について述べてきましたが、決して大手損保に加入することを推奨している訳ではありません。
私が長年損害保険会社に勤務していたからこそ得られた見方をご紹介したつもりです。
自動車保険を選択するに当たり、こんな見方もしていただき、より後悔のない選択をしていただきたいと考えて述べたものです。
皆様が自動車保険加入の際に参考になれば幸いです。

第5章 使い勝手のいい低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は使い勝手のいい生命保険商品です。
使い勝手がいいとはどういうことでしょうか?
保険ショップ等で保険の新規加入や見直しをするとなるとまずは保険相談をします。 家族構成、職業、収入、ライフプラン等の情報を基に相談者の要望を聞きながら最適な?相談者の納得する商品を模索する作業を行います。
それは必要なことですが、時間と労力がかかり、ついつい面倒くさくなり後回しになりがちです。
特に独身時代は保険に加入しなくても自分が死んで困る人もいないので保険は必要ないと考えられる方も多いでしょう。
それで加入が遅くなると保険料が高くなったり、下手をすると健康上の理由から加入すらできなくなることがあります。
そこでそんな面倒くさい行程を経ないでとりあえず加入しても後悔しない生命保険が低解約返戻金型終身保険です。
保険相談では家族構成やライフプランに応じてその必要補償額を出し、それと保険料負担を天秤にかけながら保険設計を行っていきます。 ですから、相談時期によって補償内容や保険商品も変わってきます。
特に結婚後、出産後、マイホーム購入後等は大きく変化します。保険の見直しをすれば今まで加入していた保険は解約したり、減額したり、 または、新たな保険に加入した方がいいということになるケースが出てくるでしょう。
そんなときでもおそらく解約も減額もしないでそのまま継続しても問題ないだろうと考えられるのが低解約返戻金型終身保険です。
それでも補償額が大きすぎたら付け過ぎということになるかもしれないので、補償額は1000万円までです。
言い換えれば人生のどの時期と状況でも、おそらく保険としてのニーズを満たしているということです。そういう意味で使い勝手のいい保険なのです。
それでは、どんな保険なのでしょうか?商品内容を見ていきましょう。
この商品は文字通り終身保険です。しかし、普通の終身保険と違います。その違いがこの保険を使い勝手のいいものにしています。
その違いとは普通の終身保険と比べて「保険料の払込期間の解約返戻金が70%であり、その分保険料が安い」ということです。 払込期間が過ぎれば解約返戻金は普通の終身保険と同じになります。
これはどういうことかと言うと払込期間が過ぎれば解約返戻率が普通の終身保険より高くなるということです。
分かりやすいように例を挙げてみましょう。
例えば東京海上日動あんしん生命の低解約返戻金型終身保険の場合、死亡・高度障害保険金1000万、30歳男性加入、60歳払込終了ですと月払保険料は 19,490円です。それに比べて普通の終身保険の月払保険料は22,750円です。(2015年7月現在、東京海上あんしん生命ホームページより)
60歳保険料払込終了までの累計は低解約返戻金型ですと7,016,400円、普通型は8,190,000円になります。 そして、ある研修用資料によると60歳払込終了直後の解約返戻金は約792万円です。(正確な額は直接お問い合わせください)
この時点では普通型は元金割れしていますが、低解約返戻金型は10%以上増えています。しかも、解約返戻金はこれ以降増え続けます。
低解約返戻金型だと補償機能だけでなく、貯蓄機能も充分に備えているということです。
また、たいていの保険会社では保険料払込後に解約返戻金を年金支払に移行することができ、個人年金の代わりにもなります。
しかも、ここでは詳しいことは述べませんが、死亡保険金にしても解約返戻金にしても税制上有利な点があります。
保険料の払込が終わるまで解約しないことさえ約束できれば目的のための貯蓄もできるし、老後や相続対策資金にも当てられます。
まさに使い勝手のいい保険と言えるのではないでしょうか。
社会人になりたての独身の方で保険未加入の方はとりあえず低解約返戻金型終身保険に加入されてはいかがですか。
中年になって相続対策で加入しようとしても保険料は高いし、健康上の問題で加入できないかもしれません。
また、若いうちから半強制的に貯蓄できるというのも大きなメリットです。
一度検討されることをお勧めします。

第6章 ライフプランに必要な6つの係数

ライフプランを立てるために必要な6つの係数があります。10年後の○○万円より今の○○万円と言いますが、お金は時間価値があります。お金も働くのです。
資産運用をして金利を稼ぐ、事業に投資をして収益を稼ぐ、等働き方は様々ですが、働くのです。
これがお金に対する基本的な考え方です。
昨今では預金していても金利はほとんど付かない、デフレ慣れして、この基本的な考え方を忘れている人が多いのかもしれません。
そんな人達が増えれば世の中は活気がなくなり、暗くなってしまいます。
6つの係数はお金には福利で利子が付くという考え方です。この考え方を身に付けて世の中を明るくしましょう。
それでは具体的に解説していきましょう。
6つの係数とは、終価係数、現価係数、減債基金係数、資本回収係数、年金終価係数、年金現価係数の6つです。
まず、終価係数ですが、金利○%で○○年預ければ元本○○万円が○○万円になる、という文章で、元本○○万円に終価係数をかければ「○○万円になる」の ○○万円が出る係数です。
この係数は早見表があります。インターネットで「6つの係数」で検索すれば探せます。他の係数も同じ様に探せますので具体的な係数はそれらを見てください。
この終価係数を使って具体的な数字を当てはめて計算すれば1%の金利差でも長期ならどれくらい差が出るのか実感できると思います。資産運用の重要性が実感できます。
次に現価係数です。
○○年後に○○万円ほしい、金利○%で運用するとして元金○○万円が必要である。という「元金○○万円」が「○○万円ほしい」という○○万円に この係数をかければ出てきます。
終価係数と逆の考え方です。
具体的に自分の貯蓄目標額等を当てはめて計算すれば厳しい現実を実感できるでしょう。
次からは少し複雑になりますので頭の中を整理しながら読んでください。
次は減債基金係数です。
○○年後に○%で運用して○○万円がほしい、それには毎月(毎年)○○万円積み立てなければなければならない、で「○○万円がほしい」の○○万円に 減債基金係数をかければ毎月(毎年)の積立額○○万円が分かります。
地道な努力の積重ねが大切なことが理解できるでしょう。
4つ目は資本回収係数です。
元金○○万円を金利○%で運用しながら○○年間、毎月年金として受け取ると○○万円になる、の中の元金○○万円にこの資本回収係数をかければ毎月の受取額が出ます。 この係数は他に元利均等払いの住宅ローンの毎月返済額を出す場合にも使えます。
老後の必要資金やマイホームの資金計画にも使える便利な係数です。
続きましては年金終価係数です。
毎月○○万円を○%で運用しながら積み立てると○○年後には○○万円になっている!の「○○万円になっている!」の○○万円を出す係数です。 これは毎月の積立額○○万円にこの係数をかけます。
頑張れば毎月○○万円なら貯蓄できそうだ、という方が○○年後にはこんなに貯まるのだ!と実感し、やる気を出させる係数です。
最後は年金現価係数です。
○○年間年金として○%で運用しながら○○万円受け取りたい、それには元金○○万円必要だ、の元金を導き出す係数です。「○○万円受け取りたい」 の○○万円にかけることで出てきます。
リタイア後の生活設計に必要な係数です。
以上が6つの係数です。
これらの係数は複数で使うこともできます。
例えば「20年間3%で運用しながら毎月○○万円貯蓄し、その後に毎月2%で運用しながら10年間毎月5万円の年金がほしい」という場合の○○万円を出す場合は 年金現価係数と年金終価係数の2つの係数を使って計算するのです。
これらの係数を使って自分のライプランを立ててみてください。お金を働かせることの重要性が見えてくると思います。また、ライフプランを実行し、 常にお金の流れを意識することによって金銭感覚が鍛えられ、皆様の生活レベルのアップにつながっていくことを祈念しています。

第7章 相続対策のポイント
大部分の人に必要なのは相続税対策ではなく争続対策!

2015年1月1日より相続税制が改正されました。
主な改正点は基礎控除がそれ以前と比べて60%に引き下げられました。具体的には5,000万円+1,000万円×相続人の数が 3,000万円+600万円×相続人の数、になりました。また、最高税率が50%から55%に引き上げられました。
大変だ!相続税対策をしないと遺産がなくなってしまう、という世間の風潮があります。しかし、改正前まで相続税を払っていたのは全体の約4%です。 それが改正以降は6%になると言われています。
確かに一部のお金持ちにとっては改正後はより多くの遺産を国に納めなければならないからその対策を考えなければなりませんが、全体の94%という大部分の人は 今回の上記の改正は関係ありません。
94%という大部分の方々が相続で考えなければならないのは別の対策です。それは争続対策です。
第3章の「終活について」で触れましたが、2013年遺産で争った裁判の遺産額は1,000万円超5,000万円以下が42.7% 1,000万円以下が 32.3%になっています。
よくあるケースが遺産のほとんどが一軒家で、その一軒家を誰が相続するかで争うケースです。
それで、むしろ今回の改正で大部分の方に関係ある改正点は基礎控除の引下げや最高税率の引上げではなく、「小規模宅地等の特例の改正」です。
小規模宅地等の特例とは居住用の宅地等を同居の妻等が相続する場合はその評価を最大80%まで減額する、というものです。 その適用条件は続柄や相続時の状況等の細かい規定がありますので詳しくは国税庁のホームページ等をご覧ください。
改正ではその適用面積が居住用では240uから330uに拡大されました。また、改正前までよくトラブルになっていた二世帯住宅の場合特例の適用条件の 「同居」とみなされない、という規定や被相続人が老人ホーム入所中に死亡した場合同じく「同居」とみなされない規定が緩和されました。
この「小規模宅地等の特例」が適用されるか、どうかで相続税を納めなければならないかどうかの境目に立たされる方は、結構おられると思います。
相続税は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に納めなければなりません。また、申告するときにはそれぞれの遺産がだれのものになるか 確定していなければ、「小規模宅地等の特例」の優遇措置は受けられません。
争続状態では払わなくていい相続税が払わなければならなくなるかもしれないのです。
第3章の「終活について」の中でも書きましたが、自分の死後自分の子供達が相続争いをしてお互いに絶縁状態になって、その上に不利益まで受けることを想像したら 悲しくなるでしょう。
繰り返し書きますが、対策としてはいろいろありますが、まずは公証人役場で遺産分割に関する遺言書を作成しておくことです。

第8章 贈与税の非課税措置について
贈与税の非課税措置制度は後で困らないように計画的に利用しましょう。

2013年の家計調査では個人金融資産1600兆円のうち約67%は60歳以上の高齢者が保有していました。その上長寿なのでその資産は なかなか若年層に引き継がれません。
それで国は若年層への資金移転を促し、消費を刺激し経済を活性化させるために2012年から毎年のように非課税枠の大きな贈与税の非課税措置を新設、見直してきました。
それらの非課税措置を順番に見ていきましょう。
まずは「直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」についてですが、この制度は2012年1月1日から始まりました。
初めは適用期間が2014年12月31日まであったものが2019年6月30日まで延長されました。
内容は父母や祖父母等の直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する 家屋の新築若しくは取得またはその増改築等の対価に充ててそれらを行い、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したときまたは同日以降遅滞なく自己の居住の用に供する ことが確実であると見込まれるときには、住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税なる、というものです。
一定金額については2015年1月から2015年12月までは良質な住宅家屋(耐震・エコ住宅)は1500万円それ以外は1000万円、 2016年1月から2016年9月までは良質な住宅家屋は1200万円、それ以外は700万円、2016年10月から2017年9月までは 良質な住宅家屋は1200万円それ以外は700万円ですが、消費税率10%適用のものは良質な住宅家屋は3000万円それ以外は2500万円です。
それ以降も限度額を下げて2019年6月まで適用されます。
次に2013年4月1日から始まったのは「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」です。
30歳未満の個人が祖父母や両親等の直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合に、最大1500万円まで非課税となる、というものです。
要件としては金銭等を信託銀行等に信託等することが必要です。
適用時期は2019年3月31日まで延長されました。
最後は今年、2015年4月1日に適用が始まった「結婚・子育て資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置」です。
制度の概要は20歳以上50歳未満の受贈者の結婚や子育て資金の支払いに充てるためにその直系尊属の贈与者が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には 信託受益権の価額または拠出された金銭等のうち受贈者1人につき1000万円までの金銭に相当する部分は贈与税を課さないというもので、 適用期間は2019年3月31日までです。
以上です。
気を付けなければならないのはこれらの制度を安易に利用しないことです。孫かわいさに深く考えもせずに教育資金を1500万円限度額まで贈与して 自分達の老後の資金がなくなり、生活が破綻しては本末転倒です。
贈与するなら自分達の老後のライプランをきちんと立ててこの額までなら贈与できるという余裕資金を贈与すべきです。
または、一括ではなく毎年自分達のライフプランを見直しながら非課税の110万円までを少しずつ贈与してもいいでしょう。
国の事情と個人の事情は違います。周りの風潮に安易に流されないようにしましょう。

第9章 ライフプラン参考データ
ライフプランを考える際の参考にしてください。

ライフプランを立てるのに参考になりそうなデータを抜粋してみました。
下記のデータはあくまで平均値です。個々には差があります。分かるものはできるだけ具体的な金額を入れてライフプランを立ててください。

●教育資金 約950万円(幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合)
 *文部科学省「子供の学習費調査(平成24年度)」、「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について(平成25年度)」より
●住宅購入費 建売住宅 約3,280万円 マンション約3,968万円(平均購入価格)
 *住宅金融支援機構「2014年度フラット35利用者調査報告」より
●老後の生活費 月約27万円(高齢夫婦無職世帯支出)
 *総務省「家計調査年報」平成26年家計の概況より
●結婚費用 約436万円 (結納から新婚旅行までの費用総額)
*ゼクシィ結婚トレンド調査2014より
●出産費用総額 約49万円
 *厚生労働省「第78回社会補償審議会医療保険部会配布資料」より
●介護費用 月約16万円 (介護保険受給者1人当たり費用)
 *厚生労働省「平成25年度介護給付費実態調査の概況」より
●葬儀費用 199.9万円
 *日本消費者協会第9回葬儀についてのアンケート調査報告書」より
●結婚の際に親から援助された人の割合75%、その平均額は約183万円
 *「ゼクシィ結婚トレンド調査2012」より
●首都圏で新築マンションを購入した人の親や親族からの贈与額の平均約764万円
 *「リクルート2011年首都圏新築マンション契約者動向調査」より 
●退職金平均額 勤務年数35年以上 大学卒2,156万円 高校卒1,965万円
 *厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」より
●貯蓄残高平均値1,658万円
 *「2012年度総務省家計調査」より
●新婚時の年間貯蓄額116.6万円
*「リクルートブライダル総研新生活準備調査2013」より

第10章 経営者保険について
経営者保険の検討は早めに!

経営者が加入する法人向保険はその目的を満たすためには個人向保険より補償額が高額になります。
補償額が高額になると保険会社の引受は厳しくなり、告知書では通らず、指定医の診断が必要であり、年をとるごとに引受が難しくなります。
また、若い方が保険料は安いし、解約返戻率も高い傾向があり、節税効果も長期間享受することができます。
当社は資金も潤沢だし、後継者も育ち、相続対策も万全で、保険の必要性は全くないという会社は別として、早かれ遅かれ経営者保険については 検討しなければならない会社はできるだけ早めの検討をお勧めします。
特に、創業者の方は高齢になる今までそんな余裕はなかったと言われる方も多いかと思いますので、後継者として決まっている二代目、三代目予定の方々の検討を お勧めします。
さて、経営者保険は何のために加入するのでしょうか。
通常次の4つに目的が挙げられます。
(1)事業保障資金(2)死亡退職金・弔慰金資金(3)退職慰労金資金(4)事業承継・相続対策資金の4つです。
(1)の事業補償資金は所謂オーナー経営者の死亡に備える資金です。キーマンにもしものことがあると会社内に激震が走り、周りも動揺します。 融資している銀行や取引先は債権が回収できるか不安になって早期返済を迫ってくるかもしれません。従業員も不安になって退職者が続出するかもしれません。
そんなときこの資金を保険で備えていればそんな不安を払拭することができます。
補償額の目安は短期借入金+買掛金+支払手形+納税資金です。
次に死亡退職金・弔慰金資金ついてです。文字通り現役中の経営者の死亡時の死亡退職金・弔慰金資金です。
会社のために身を粉にして働いてきて自分が死んだら遺族が路頭に迷うようでは死んでも死に切れないでしょう。しっかりと準備しておきましょう。
目安として死亡退職金は最終報酬月額×役員通算在任年数×功績倍率です。功績倍率は参考例として会長、社長は2.0倍、取締役は1.4倍です。 功績倍率は資本金、従業員数、業種等によって異なります。
弔慰金は業務上の死亡の場合は死亡時報酬月額の36か月分で、業務外の死亡の場合は死亡時報酬月額の6か月分です。
ここで大切なことは以上の様な相当な死亡退職金・弔慰金資金を社内規則で定めておくことです。そうしないと税務署が全額を損金として認めてくれない可能性があります。
次の退職慰労金資金についても同じことが言えます。
退職慰労金資金の目安も上記の死亡退職金と同じです。
最後は事業承継・相続対策資金の準備です。相続なんかは経営者の個人的な事情で、会社には関係ないじゃないかと思われる方も多いかもしれませんが、 そんなことはありません。大いに関係あるのです。一番関係あるのが自社株の相続です。自社株は個人的な財産です。それが意外と評価が高いのです。
オーナー系企業ではオーナーが自社株の大部分を所有している場合が多いです。その自社株の相続税を後継者が払えなくて他の親族等に相続させ、 自社株の所有者が分散すると経営が安定しません。少なくとも2分の1以上は後継者が持たなければなりません。
オーナーが亡くなって基礎固めをしなければならない時期に相続問題でトラブルを起こしていたのでは会社の存続に関わります。 この資金こそ万全の備えが必要です。
自社株の相続対策は保険以外にも納税猶予及び免除の特例の適用や種類株の発行等の対策があります。
以上の4つが経営者保険の目的です。
それでは具体的にどんな保険に加入すればいいのでしょうか。
よく経営者保険に使われるのは定期保険、長期平準定期保険、逓増定期保険、終身保険です。
定期保険と終身保険は皆さんもご存じではないでしょうか。家計分野でも最もスタンダードな保険です。
ただ、補償額が上記のような企業リスクに備えるために大きくなります。補償額の単位が億になるケースが多いでしょう。
それぞれの特徴は定期保険は掛け捨てのため補償に対して保険料は安く、全額損金処理ができます。貯蓄性はないので退職慰労金資金の備えには向いていません。 また、補償期間が60歳や65歳までとなりますので現役中に補償がなくなる危惧があります。
終身保険は貯蓄性がありますが、そのために保険料が高くなります。保険金額が大きいので保険料は月額が数十万円になるでしょう。また、保険料は資産計上になります。
定期保険は補償重点の商品なので事業補償資金や死亡退職金・弔慰金の準備に適しています。
終身保険は貯蓄性が高い商品ですので勇退時の退職慰労金や事業承継・相続対策資金の準備にも向いています。
そして、定期保険と終身保険の中間の性質を持つのが長期平準定期保険と逓増定期保険です。 長期平準定期保険は定期保険の一種ですが、通常の定期保険より保険期間が長く、99歳等の年齢になるまで保険期間が続くものです。 保険料は変わらないため死亡率が低い前半では保険料が積み立てられ解約返戻金も多くあります。しかも前半6割の期間でも2分の1は損金計上できます。 後半4割の期間は前半に資産計上した分も含めて全額損金算入できます。
逓増定期保険も定期保険の一種で、保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加します。前半6割の保険期間の損金処理は条件によって 4分の1か3分の1か2分の1に分かれます。後半の4割の期間については長期平準定期保険と同じ処理をします。
以上2つの保険の特徴は解約返戻率の変化が大きいということです。特に逓増定期は大きく、解約時期が3年違えば返戻率が大きく異なるケースがあります。
勇退退職金資金準備目的なら勇退の時期を決めて商品設計した方がいいでしょう。
また、上記の保険に低解約返戻金特則を付加できるなら、そうした方が解約返戻率は上がります。
経営者保険について述べてきましたが、資金準備手段や事業承継対策は保険だけではありません。
税理士や金融機関等の専門家に相談して適切な手段や対策を早めに検討されることをお勧めします。

第11章 事業承継について
事業承継こそ早めの着手を!

前章では経営者保険について早めの検討をお勧めしましたが、事業承継や相続の対策は保険だけではありません。
相続を含めた事業承継の方法を決めた上で経営者保険の検討をするべきです。
そうするとさらに早い段階での事業承継方法の検討を始めることが必要です。
事業承継方法の検討と実行は相当の時間と労力を要します。しかも、とても大切なことで、事業承継がうまくできないと企業の存続ができなくなり、 従業員の雇用の場が失われることになるかもしれないのです。
事業承継は決して経営者だけの問題ではなく、従業員の問題でもあるのです。
まずは後継者を決めないと前に進めません。
息子や娘等の親族なのか、役員や従業員なのか、それとも後継者はいなく第三者へM&Aするのか、それを決めて、その選択によってそれぞれ事業継承のやり方は違ってきます。
オーナー経営者としてはできれば親族を後継者にしたいのでしょうが、娘や息子がいない、いても他の道に進んでいて全く継ぐ気持ちがない、 会社の業績が悪く将来性がないので継がせたくない等の諸事業があるでしょう。親族への承継は20年前は約9割を占めましたが、最近は6割まで下がっています。
M&Aを選択したらいい引受相手を捜し、社内にコンセンサスを得なければならないでしょう。役員や従業員が継ぐなら自社株の買い取り資金があるか、 社内のコンセンサスを得られる人物か等が問題になってくるでしょう。
どの方向に進むにしろ個別の会社事情をチェックしながら実行しなければならないので時間はかかります。
ここでは今では6割になったとはいえ一番多い、また、相続も絡んで特例や制度も多くある親族への承継について少し触れてみます。
まずは非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例についてですが、
この特例は後継者である相続人等が相続や贈与により非上場の株式等を先代経営者から取得しその会社を経営していく場合は その後継者が納付すべき相続税または贈与税の80%が猶予、免除されるというものです。
前章で述べたように自社株は少なくとも2分の1以上は後継者が所有しないと経営が安定しません、とは言いながら自社株は意外と評価が高く納税資金に苦労します。
それをこの特例を使うことができれば一気に解決できます。
しかし、この特例を使うには先代経営者と後継者の条件だけでなく「申告期限からの5年間は常時使用従業員数の平均8割以上を確保する」等の経営上の条件等、 クリアしなければならない条件が多く、使い勝手が悪いとのことで何度が適用条件が緩和されました。
それでも煩雑さもあり、この特例を利用している企業は少ないです。
ただ、検討する価値はあります。
そんな面倒な特例ではなく、相続時精算課税制度を利用して自社株の贈与を行うケースもあります。相続時精算課税制度は個人の贈与にも使われる制度で、 2500万円までの贈与税は相続時まで猶予され、2500万円超えても一律20%の税率になります。
猶予なので相続時には相続税を払わなければならないのですが、この制度を使う利点は評価を贈与時点の評価に固定できることです。
自社株の評価は会社の利益に大きく左右されます。その評価は決算の翌期に反映されます。
利益が低い期の翌期にこの制度を使って贈与すれば相続税の自社株評価を低く固定することができます。また、オーナー経営者の退職金を支給して利益を下げて、 その翌期に贈与する等の計画的な節税策もあります。
他に自社株相続、贈与対策として種類株の発行があります。
普通株式は一株につき一つの議決権があり、一株当たり配当○○円、価値○○円となりますが、議決権制限株式という株式を発行して後継者以外にその株を相続させるのです。
その株の所有者は配当は受け取れますが、株主総会で議決権を待たず、会社経営に影響を与えることはできません。
種類株は9種類あります。
以上は事業承継対策の一部です。
繰り返しますが、事業承継をベストの方法で行うには時間と労力がかかります。
早めに税理士やコンサルタントに相談しながら取り掛かりましょう。

第12章 消費者にとっての保険業法改正
保険業法改正が消費者に影響を及ぼすもの何か?

2013年12月25日のクリスマスの日に保険業界に激震が走りました。
金融庁が突然、保険業界に数万にいる委託型募集人を保険業法違反として認めない、と通告したのです。
それから保険業界は大きな変革の渦の中にいます。
現在は2016年5月末の改正保険業法施行に向けて保険会社や代理店、保険募集人はその態勢整備に大童といった状況です。
しかし、以上の様な状況は消費者にとってはあまり関係ないことです。
関心があるのはこの大改革が消費者にどのような関わりがあるのかということでしょう。
それについて述べていきたいと思います。
今回の保険業法が改正される大きな理由の一つは少子高齢化の急速な進行等による社会情勢の変化によって保険に対するニーズが多様化するとともに 保険販売の形態も来店型保険ショップやインターネット販売等と多様化しています。これらの変化や多様化を受けて保険の販売、募集のルールを整備しようというものです。
そんな目的もあるためなのか?今回の改正保険業法の目玉は意向把握義務と情報提供義務の新設です。消費者のニーズを適格に捉えさせようという意図が見えます。
まず、意向把握義務とはどんな義務なのでしょうか。文字通り消費者の意向を把握しなさいという義務です。今までも意向確認義務はありました。 この義務は契約の最終段階で契約した保険商品が契約者のニーズに合致していることを確認する作業をすることで、契約者が書面に確認したという記名捺印をします。
しかし、この作業は単なる記名捺印をもらう事務処理の一つとして形骸化しているケースが散見されました。
それに対して今回の意向把握義務は商品選択、設計の前の段階で消費者の悩みやニーズを聴きとり把握しなさいというものです。
初めから「保険ありき」として相談を受けるのではなく、悩みを解決する手段の一つとして保険商品を提案するというスタンスです。
それは相談の結果が保険不要という結論に至るかもしれないということです。
また、この意向把握のプロセスを記録しなければなりません。
次に情報提供義務についてですが、どんな情報を提供する義務があるのでしょうか。
意向把握をして、保険商品の提案の段階に至ったら商品説明をしなければなりません。保険ショップでは宣伝文句の一つとして 「取扱い保険会社○○社、その中から選んでいただけます」というセリフがあります。
例えば提案商品が死亡補償保険ならば扱っている死亡補償保険の商品概要をすべて説明しなさい、ということです。30社取扱いがあって各社死亡保障保険があれば、 30以上の商品説明が必要となります。また、同じ会社でも死亡保障商品は収入保障保険、定期保険、終身保険等種類の違うものもあります。 そうすると説明しなければならない商品は100を超えるかもしれません。
あなたは100の商品の説明を聴き続けられますか? 
現実問題として「そんなことはできない」と、言ってもそれが法律で定められた義務なのです。
ただ、保険販売側は他の方法を選択することもできます。
「私が、または、当社はこの商品を提案します。その理由は…です。」という説明をすることです。
ここで重要なのはその理由が客観的であることと嘘ではないことです。
例えば「この商品が一番手数料が高いので提案します。」や「現在キャンペーン中のこの商品を全社をあげてお勧めしております。」でもいいとされています。
ただ、それで消費者が納得するかは別の問題です。
かえって、ここで消費者の顔色を見て「お客様のご要望に応えられる最適なこの商品をお勧めします。」と、心にもない嘘を言ったら法令違反になるのです。
募集人は対応に苦慮するでしょう。それでも扱い保険会社の多い代理店はその労力を考えるとたいてい提案理由を述べる後者を選択するでしょう。
それは保険販売者の商品販売姿勢を正直に表明しなければならないということです。
それによって消費者は実体のない期待を持たずにシビアに商品選択をすることができます。
消費者は「分らないのでお任せします。」では済まされないのです。
消費者側も提案理由を聴いて自分の意思をはっきりと表明しなければなりません。
今回の保険業法改正では代理店や募集人にかなり負担がかかっています。ついていけない多くの保険募集人がこの業界から去ると言われています。
販売者だけでなく消費者にも負担がかかる改正ではないかと思われます。
ただ、今回の改正は人生でマイホームに次いで高い買い物であると言われている保険を消費者が後での不満や後悔なく購入できる態勢整備であり、 消費者にとって歓迎すべき改革と言われています。
保険の見直しや購入する際にはいくつかの代理店や募集人を回り、情報収集して比較検討されることをお勧めします。
保険販売者を評価する上で一つの判断基準は改正保険業法の情報提供や意向確認の態勢整備に向けて努力している姿勢が見えるか、どうかです。 ずばり、どのような取り組みをしているか質問してもいいと思います。
その中で全く無関心な募集人がいたら、その募集人から保険を購入することはやめた方がいいと思います。

第13章 横浜のマンションが傾いた問題についての一試案
これからマイホームを購入する方への提言

横浜のマンションが傾いた問題は毎日マスコミに登場し、世間の関心の高さを示しています。当然でしょう。この問題はどこまで広がるか不明で、他人事ではなく、 今後国民のどれくらいの割合が関係してくるか分からない大問題だからです。
マイホームを購入した人はこの問題と関係ないことを祈るしかありません。
データの改ざんがあった物件に住んでいる人は実害が出ないことを祈るしかありません。
それでは、これからマイホームを購入しようと考えている人はどのようにしたらいいのでしょう。
当然この問題は大きな社会問題なので業界全体の体質改善が必要になってくるでしょう。しかし、そんないつになるか分からない膨大な時間を待つわけにはいきません。
それで、私なりに考えてみました。
現在、住宅の新築物件は住宅瑕疵担保履行法によって施行者は10年間の瑕疵担保責任があり、その責任を実行するために保険に加入するか、 保証金を供託しなければなりません。
この法律は2009年10月1日以降に引き渡された住宅に適用されています。
今回問題になった横浜のマンションは2007年竣工ですのでこの法律の対象外です。
しかし、対象だったら問題は解決しているのでしょうか。
まず、今回の横浜の問題は関わっていた企業が旭化成グループや三井住友グループという超一流企業で補償という点では不幸中の幸いでした。 上記の住宅瑕疵担保履行法の対象になっていたとしてもこれだけの被害者と被害額に保険や供託金制度が資金的に対応できたか、 また、制度的に全額補償できたかは甚だ疑問です。それに物理的な被害のない資産価値の低下等は補償対象外です。
または今回のケースで売主が中小企業だったら資金的に対応できずに倒産していたでしょう。実際、住宅瑕疵担保履行法ができるきっかけとなった構造計算書偽装問題の 「姉歯事件」では売主関連企業は次々倒産しました。
しかし、被害者の方から言わせれば、そもそもこんな問題がないと信じて超一流企業から購入した、ということでしょう。
この問題を解決するにはこれから気の遠くなるような時間と労力が必要となっていきます。
これから購入する方は補償がされるというより問題が発生しない物件を購入しなければなりません。
そのように考えると10年以上経った中古物件を選択するのが最善の策ではないかと考えます。
だいたい10年も経てば横浜のマンションみたいに問題がある場合顕在化するケースが多いです。また、販売業者には「瑕疵保険を付ける」ことを主張してください。 中古物件の瑕疵保険付保は任意ですので言わないとだめです。そうすると保険引受会社が第三者のプロの目で物件を検査してくれます。 引き受けて瑕疵が発見されたら保険引受会社の損になりますので問題がないと判定したものしか引き受けません。保険会社が引き受けるということで安心が得られますし、何かあったとしても補償が付いています。
ここで保険会社というのは火災保険等を販売している損害保険会社とは全く違う会社なので誤解しないでください。元々は住宅性能評価等を行っていた会社です。
これでも100%安心というわけではなく、大地震が起きて初めて顕在化する瑕疵があるかもしれません。しかし、私の思いつく限りではこれ以上の方法は見つかりません。
ただ、もう一つ加えることができるならば今回のデータ改ざんの問題で調査され、改ざんなし、と報告された物件がより安心できるでしょう。
以上はあくまで欠陥住宅を購入しないための方策を述べてきましたが、住宅を購入する際には他にも気を付けなければならないことはたくさんあることを忘れないでください。
仲介の宅建業者が物件調査を行い、その内容を重要事項として説明しなければならないことになっていますので、その説明をしっかりと聴いて問題ないかを判断してください。 もし、ルーズな担当者で、説明もろくにしないようだったら、担当者を替えてもらうか、宅建業者に問題があるようでしたら売主と相談して、 仲介業者を替えてもらうことも考えてください。
また、現地調査は自らも行った方がいいです。幸い中古のマンションだとすでに何年も住んでいる人がいるので住み心地等を聴くことをお勧めします。
特に自分なりのこだわりや好みは他の人に理解しにくい点があるので自分で確認すべきです。
周りの状況は時間や時期によって変わる場合がありますので現地調査は何回か行った方がいいでしょう。
例えば、学校のそばのマンションで静かだと思っていたら、現地調査した時期は夏休みで、学校が始まったらチャイムや校内放送がうるさくて気になるということがあります。その感じ方も人によって違いますので自分で確認した方がいいでしょう。
本来はお金を払ってプロに依頼しているのですから素人はプロに任せていればいいのですが、今回のようなマンション傾斜やデータ偽装の問題が発生したら そんなことも言っていられません。
マイホームを購入する際は自分でも勉強し、調査、監視する心構えが必要です。

第14章 老後の貧困リスクについて考える
下流老人にならないために

最近「下流老人」という本を読みました。話題になっている本でテレビ等のマスコミにも取り上げられています。筆者の藤田孝典氏によると下流老人とは 「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とのことです。そして、多くの生活相談を受けるなかで見えてくるのは、 下流老人には3つの「ない」があるとのことです。
その3つ「ない」とは@収入が著しく少「ない」、?十分な貯蓄が「ない」、B頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)です。
老後難民、無縁社会、孤独死等過去には老後の悲惨さを表現した言葉が生まれました。これらは未曾有の急激な少子高齢化、長寿化や核家族化によって 顕在化した問題を表現した言葉です。下流老人という言葉もこれらに加えられるでしょう。
保険の世界でも戦後しばらくまでは死亡リスクに備えた保険がメインだったと思えます。しかし、今は生きるリスクのための保険が件数も売上も 上回っているのではないでしょうか。
下流老人の本は生きるリスクの中の老後の貧困リスクを取り上げています。
この本では「普通」から「下流」へ転落する可能性を訴えて、その例も記載されています。ほとんどの人に老後の貧困リスクがあるということです。 簡単な例が現役時代の年収が数千万であろうと、派手な生活を送り、貯蓄0で、老後は国民年金だけになったら下流老人です。
私がこの本を読んで驚いたのは退職するときには3,000万円貯蓄があった人が心筋梗塞を2度起こし、その高額な医療費の自己負担の3割を払い続けたことが 破綻の主な原因になったという話です。
高額療養費助成制度というのがあります。月単位でその人の収入によって医療費の自己負担額が数万から十数万の限度額を超えると超えた分は払い戻されるという制度です。 この方はこの制度を知らず、申請しなかったため高額な自己負担額を払い続けたのです。
実際こんな話があるとは想像がつきませんでした。通常は、病院をはじめ周りの誰かが教えてくれるだろうと思ったからです。
著者の藤田氏が、とにかく困ったときには役所の福祉課や福祉団体等に相談してください、知られていないセイフティネットがたくさんあります、 と語っていましたが、その通りです。
困ったときには素直に相談しましょう。
それでは、下流老人にならないためにはどのようにしたらいいのでしょうか。
これから老後を迎える現役世代はまずはキャシュフロー表を作成して自分の貧困リスクを知ることでしょう。
できるだけ早い時期に今の 生活スタイルを続けていた場合の貧困リスクの可能性を知って今からその対策を考え、実行していくことが最善の方法ではないでしょうか。
簡易なキャシュフロー表は日本FP協会のホームページ等からも作成できますので利用してみてください。
キャシュフロー表作成において注意してもらいたいのは年金です。
年金見込額を出す手法としてはねんきん定期便を使って推測する方法がありますが、そうすると給付水準は現在と同水準の見込額になります。
年金は所得代替率といって、現役時代の手取りに対してどの程度支給されるかを目標値にしますが、厚生労働省が発表している年金の標準的な給付水準の見通しは 平成50年までに現状の62.3%から50.1%まで減少します。
この見通しの算出方法等詳しいことは厚生労働省のホームページをご覧ください。
それで、20年以上先に年金を受け取る人は上記のことを勘案して現在の水準で算出した年金額にざっくりと0.8かけたものを見込額とした方が現実的です。
ライフプラン設計にしろ、必要補償額の算出しろ、プランナーが作成している場合でもこの部分が抜けているケースが多いと思われますので注意が必要です。
以上の様な点に注意しながらキャシュフロー表を作成し、老後に貯蓄0になる時点があったら何らかの対策が必要ということです。
今後の収入を増やすか、支出を減らすことを考えなければなりません。
収入を増やすには専業主婦だった奥さんが働くことや資産運用で運用益をあげること等があります。支出を減らすには教育費に奨学金を利用することや賃貸分を ローンに回してマイホームを購入すること等、方法は様々です。
FP等の専門家に相談することもお勧めします。
老後の貧困リスクに対して認識を持って対処するのと全く考えないのとでは老後生活に大きな差が出てきます。
老後のことだからと言って後回しにせずにすぐにキャシュフロー表の作成から始めましょう。

第15章 マイナンバー制度のポイント

マイナンバー通知カードが福岡では11月下旬からようやく配布が始まり、私の手元にも届きました。
この制度の準備段階から様々なミスやトラブルが発生し、不安な方も多いかと思われます。
この章ではトラブルに巻き込まれたり、だまされたりしない様に個人としてのマイナンバー制度の要点を整理し、理解していただきたいと思っています。
12桁のマイナンバー(個人番号)は大切な個人情報であり、他人に知られてはいけない極秘情報です。この番号を通知したり記載したりするのは限定された手続きだけです。
マイナンバーを悪用されないためにそれらの手続きを把握しておくことが大切です。
まず、マイナンバーは税、社会保障、災害対策の3分野で使用されます。
具体的には税分野では税の各種申告書、法定調書、申請書、届出書に記載が必要になります。
2016年分からの税の確定申告書、給与所得者の各種控除申告書、給与所得の源泉徴収票等です。
それで、勤務先にはマイナンバーを提供することになります。勤務先が他にマイナンバー情報が漏れないような体制整備がなされているか関心を持ちましょう。
社会保障分野では国民年金・雇用保険の資格取得や確認・給付、医療保険や介護保険の保険給付・保険料徴収、児童扶養手当の支給、日本学生支援機構の奨学金の申請などの 社会保障制度を利用する際の手続きにマイナンバーが必要になってきます。
災害対策分野では大災害発生時に被災者台帳を作成するときや被災者生活再建支援金の支給等の際にマイナンバーが必要になってきます。
当面は以上の3分野でしかマイナンバーは利用されないはずですので、それ以外での利用を理由にマイナンバーの提示を求められたときには詐欺かもしれませんので 注意してください。
次に注意していただきたいのは本人確認に個人番号カードを使用するときです。本人確認は免許証などでもできるので個人番号カードは安易に使用するのは避けた方 がいいと思います。
レンタルビデオ店等の会員登録の際には本人確認が必要です。今まではたいていの人が本人確認には免許証を提示し、店側はそのコピーをとるという事務手続きを行って いました。それを免許証の代わりに個人番号カードを提出すると免許証と同じように奥のコピー機で表、裏ともにコピーされるかもしれません。
十分に教育されていないアルバイトの学生店員は悪意なく、免許証番号とマイナンバーを同じような感覚で扱うかもしれません。
個人番号カードは自治体に申請して任意で得られる写真付きのカードで、表面に氏名、住所、生年月日、性別の基本4情報と顔写真、裏面に個人番号が記載された ICチップ付のプラスチック製のカードです。
表面は本人の同意によりだれでもコピーできますが、個人番号が記載されている裏面は行政機関や雇用主など、法令に規定された者しかコピーできません。
やむなく使用する場合は自分で表だけコピーしたものを持参し、目の前で個人番号カードの表だけ見せて確認させるようにしてください。
一度マイナンバーが取得されると、取得した本人には悪意はなく単なる無知だとしても回り回って悪用される可能性があります。
マイナンバーは一生変わることはなく、今後使用範囲は広がっていく予定です。提示する際はその相手と手段が誤っていないかを事前に確認するくらいの 用心深さは持っておくべきです。

ページ先頭へ

第16章 マイカーの見直し
マイカーをなくすということを考えたことがありますか?

保険の見直しや家計の見直しはよく聞かれますが、マイカーの見直しというのはあまり耳にされたことはないのではないでしょうか。 マイカーは家計の支出を見直す項目として盲点になっています。
マイホームや保険の額は大きいことでよく話題になりますが、マイカーに費やす額も馬鹿にできません。
生活総合情報サイトAll Aboutの「カーシェアリングはどれくらいお得?」によるとプリウスを平均的な使用状況で10年間所有した場合の費用は購入費用263万円、 ガソリン代30万円、車検代(4回)32万円、その他メインテナンス費21万円、自動車税33万6000円、自動車保険料80万円、 駐車場代(月1万5000円)180万円で合計639万4000円だそうです。30年だとこの3倍で2000万円近くなり、 マイホームや保険料代に比べても決して引けは取りません。
ちなみに10年間のカーシェアリングを利用した場合は週2回3時間利用すれば230万4000円で、前述にマイカー所有に比べると約400万円お得とのことです。
皆さんはマイカーにどれくらいお金をかけていますか。上記のプリウスの費用項目に自分のマイカーの数字を置き換えてみてください。もっと大きいかもしれません。 10年間で1000万円超えるかもしれません。そのマイカーを今後何十年間所有続ける予定ですか。このように考えてくるとマイカーの見直しをしてみよう という気持ちになりませんか。
さて、見直しと言ってもどのような見直しをすればいいのでしょうか。
保険の見直しみたいに今まで普通車に乗っていたが、軽自動車に替えて、節約するというのも一つのやり方です。しかし、 もっと大胆にマイカーをなくすということも検討する価値があります。
保険はなくすとなるといざというときには死活問題になりますが、マイカーの場合はそんなことにはなりません。 今住んでいるところは田舎で車がないと買い物にもいけないので死活問題だという方はそうならない場所に転居することを考えればいいのです。
マイカーだけの見直しではなく、同時に生活スタイルも見直してはいかがでしょうか。
例えば今まで交通の便が悪くマイカー通勤しかできなかったら、マイカーをなくすことで節約できた金額を家賃に上乗せして交通の便のいいところに引っ越すことや、 住宅ローンに上乗せして交通の便のいい物件を購入すること等です。
要は何を優先するかです。
マイカーを見直すことで生活スタイルの選択の幅を広げる、または、老後資金や教育資金などの他の目的資金の不足金を補充できるのではないでしょうか。

第17章 介護に直面したら…
介護離職をしないために

私は幸いにして今のところ介護をしたこともされたこともありません。しかし、高齢な母親が一人暮らししていますのでいつ介護問題が降りかかってきても おかしくない状況です。
高齢化社会の現代では介護したり、されたりする経験者の割合は今後ますます大きくなっていくでしょう。それもある日突然訪れるかもしれません。
そんな時に何の準備も心構えも知識もなければ、パニックってしまい、慌てて後で後悔するような行動をとってしまうかもしれません。例えば今一番問題とされ、 安倍政権の大きな政策課題になっている介護離職です。
そこでこの章では介護に直面した時にすべき初期行動について考えてみたいと思います。これらの行動を正しく行えば、 それ以降の対応について冷静に考える余裕が生まれるでしょう。
まず介護に対する考え方ですが、これは自分だけの問題ではなく、社会問題です。それで、介護保険が創設され、国も多くの予算を介護関係に割いています。 決して家族だけで抱え込まずに外部に相談する姿勢が必要です。そして、繰り返しますが介護離職をしないことです。そのことを念頭に置いて相談し、行動しましょう。
それでは、まず、どこに相談したらいいのでしょうか。それは要介護者の住む地域包括支援センターです。 地域包括支援センターはその地域の包括的介護サービスを提供する拠点で、だいたい人口2万から3万人に一ヵ所を目安に各市町村に設置されています。
「地域包括支援センター」とその地域名を入れてネット検索して場所を捜してください。高齢者のよろず相談所みたいなところです。 地域包括支援センターで相談すれば具体的な介護保険申請の手続や介護施設についてなど様々な相談に乗ってくれます。相談の上それ以降のスケジュールを決めて行動しましょう。
そこで知っておいてもらいたいのは「介護休業」制度です。この制度は法律で定められたもので、家族が要介護状態に陥ったときに通算93日まで休暇をとれる制度です。 企業によってはそれ以上1年や2年の介護休業を規定している会社もあります。また、その間給与が支給されなければ雇用保険から「介護休業給付金」も支給されます。
介護休暇はあくまで今後自分が介護離職をしないで介護を続けられる体制づくりの期間と考えてください。介護をする休暇ではありません。
ここで体制づくりができればその後は冷静に相談し判断しながら介護体制の改善や修正もできるでしょう。
現在介護離職者は毎年約10万人います。最初に述べたように私には介護経験はありませんが、職業柄介護離職したために共倒れした多くの事例を知っています。
皆さんがそんな事例の一つにならないことを願ってこの章を設けました。

第18章 マイホームの有効活用
将来のことを考えた物件選びをしましょう!

よく不動産の有効活用というのは聞かれます。これは自宅以外に土地を持つ資産家がその土地にマンションなどを建てて有効活用することですが、 この章ではそんな資産家ではなく一般の人がマイホームを有効活用する方法を考えていきたいと思います。
その中でよく雑誌等で取り上げられるのが「マイホーム借り上げ制度」と「リバースモーゲージ」です。
まず、「マイホーム借り上げ制度」について説明していきましょう。
この制度は一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が運営する制度です。50歳以上のマイホームを借り上げて転貸し、安定した賃料収入を保証する制度です。
こんな制度を利用せずに普通に不動産会社に賃貸先を捜してもらえばいいではないかと考えられるかもしれませんが、 この制度を利用するメリットは最初の入居者が決まれば、それ以降は空き家になってもJTIが終身の賃料保証をしてくれますし、 賃貸借契約は3年単位ですので途中でマイホームに戻ることも可能です。しかし、デメリットとしては最低保証の賃料は相場の80%から85%を目安に設定され、 さらに、賃料から賃料保証10%を含む15%の経費が引かれます。
この制度は退職後田舎暮らしをしたい、子供は独立していなくなり家が広すぎる等の理由で住みかえ考えている人は安心して転居できるし、老後の資金に活用もできます。
具体的にこの制度の利用を検討したいという方はJTIのホームページをご覧ください。
次は「リバースモーゲージ」についてですが、これはマイホームを担保に提供し、そこに住み続けながら、 年金や一時金方式で生活資金の融資を金融機関や自治体等から受け、死後マイホームを処分して返済される制度です。
日本では1981年に東京都武蔵野市が導入したのが初めですが、バブルの崩壊や利用条件の厳しさ等からなかなか普及していませんでした。 しかし、昨今では「リバースモーゲージ信託」を活用したタイプを中心に取扱いが一気に広がっています。
リバースモーゲージは公的機関や市町村によるものと民間金融機関によるものとに分けられます。前者は福祉型で第14章でも触れましたが、 公的年金だけでは老後は生活できないのでそれを補う目的で厚生労働省や市町村が推し進めています。 一方、民間の金融機関は少子高齢化によって今後ますます住宅ローンのマーケットは縮小していきますが、 住宅ローンの流れとは逆のリバースモーゲージの対象となる高齢者は増えていきます。
そんな社会情勢を反映した融資商品として販売を推進しているのです。
いいことを聞いた、早速利用しよう!としてもそんなにすんなりとはいきません。物件にそれなりの担保価値がなければそもそもリバースモーゲージは利用できないのです。
民間金融機関では利用できるのは首都圏や大都市圏に所在する物件に限っている場合が多いです。 また、先に紹介しました「マイホーム借り上げ制度」も最初の借り手がいないような物件では利用できません。そもそも借り手も売り手も見つからなければ処分しようがなく、 持ち主の死後誰も住まないと空き家になり、空き家問題に発展していきます。
今後は以上の様なことも考えて、いざというときにはその資産価値を発揮できる物件選びが必要ではないでしょうか。

第19章 生命保険の見直し
保険募集形態の変化にともなう保険販売手法の変遷

この章では基本的な生命保険の見直しの仕方について述べていきたいと思います。例もよく使われる家族4人、 会社員の父親と専業主婦の母親である両親とまだ学生の2人の子供で大黒柱の父親の死亡に備えた生命保険の見直しにします。
まず、今、父親が死んだときの必要保障額を算出します。
これは父親が死亡後のキャシュフローをできるだけ緻密に作成するがいいのですが、それには手間とスキルが必要になってきますのでこの章では簡易なやり方を紹介します。
まず、父親の死亡後の支出額の計算です。
現在の年間生活費に0.5をかけ、さらに母親の平均余命をかけたものが妻の今後の生活費総額です。そして、 現在の年間生活費に0.2をかけ末子が大学を卒業する22歳になるまでの年数をかけたものを子供の生活費とします。 子供は一人一人分けて計算するべきだと思われるかもしれませんが、簡易でざっくりした計算なのでこれでいいのです。
以上を足したものが必要生活費となります。
次に住居関連費です。 賃貸だったら家賃の年間額かける母親の平均余命、持ち家でローンが残っていたらその額または団体信用生命の保険金で残債がなくなる場合は0です。 それに固定資産税とリフォームやメインテナンス費用は加えておきましょう。
次は教育費です。子供の予定または希望進路が決まっていたらその費用になりますが、特に決まってなかったらインターネット等で教育費の平均額の合計額にします。
その他に葬式代など予定しているものがあったらそれらを加えれば必要支出額が出ます。
この必要支出額から貯蓄額や父親死亡後の収入額を引いたものが必要補償額です。
それでは収入額というのはどんなものがあるのでしょうか。
まず、この例の場合たいていある遺族基礎年金です。
遺族基礎年金は夫が死亡した時に子供のいる妻または子供に支給されます。18歳になって最初の3月31日までの子供が対象になります。
平成28年1月時点での支給額はこの例の場合780,100円+子の加算224,500円×2(1,2子分)です。
第3子からは74,800円です。
次に厚生年金に加入している夫の妻は遺族厚生年金を受け取れます。この例ですと父親は会社員で厚生年金に加入していますので受け取れますが、 自営業等で厚生年金に未加入ですと受け取れません。
また、夫の死亡時に妻が30歳未満で子供を養育していない場合は5年間しか支給されません。
受取額は本人が生きていたら受け取れる額の4分の3で、被保険者期間が300ヶ月未満ですと300ヶ月加入していたとして計算します。
ねんきん定期便を参考にして計算してみてください。また、妻が40歳以上65歳未満の場合遺族基礎年金受給中は支給されませんが、 中高齢寡婦加算が平成28年1月時点では585,100円支給されます。
公的年金は以上ですが、第14章で述べたように年金は20年後には2割くらい目減りする可能性があるのでその分は勘案しておきましょう。
他に父親の会社から死亡退職金や弔慰金等が支給されるでしょうから、それらの額を確認してください。そして、今回の例は妻が専業主婦ですが、 妻が働いている場合や夫死亡後働く予定の妻はその収入額も加えてください。
以上の様な要領で収入額と貯蓄額の総額を出し、それを必要支出額から引いたものが必要補償額です。
この必要補償額を算出するソフトは各保険会社が作成しており、来店型保険ショップに行くともっと入力項目が多い一見複雑な方法で出してくれますが、 基本的な考え方は同じです。
必要補償額が出たら次のステップです。この必要補償額の補償をどんな商品で設計するか、既契約があったらそれをどうするのか、 保険料の予算の折り合いをどのようにするか等を募集人が提案、説明しながら顧客の意向を確認し、保険募集人は成約を目指します。
ただ、この例の家族構成は戦後しばらく多かったタイプです。現在では独身世帯、夫婦のみの世帯等と多様化しています。 一生独身の人は死亡リスクよりは病気や介護リスクに備えるべきでしょう。この例に当てはまらない方は別途ご相談ください。
このやり方はそんなに古いものではなく、平成8年からの金融ビッグバーン以降に広まったものです。
それまでは損保系生命保険会社もなく、来店型保険ショップもなく、外資系生命保険会社のシェアもわずかで、国内生保会社の独壇場でした。
その販売手法は情緒的で保険会社の意向の強いものでした。
生保会社は戦後未亡人対策により多くに女性が雇われ、職員という立場で商品を販売してきました。彼女達は面倒見がよく、若い人達には見合い相手を捜し、 結婚したら家族のためにこの商品に加入しなさいとろくに説明もせず、契約者もお世話になったのだから付き合おうと義理人情的な考え方で加入しました。
そのとき販売された商品はたいてい数百万円の補償の終身保険と3000万、5000万の保険金額の定期保険がセットになったものでした。そして、 いざ被保険者が死ぬと遺族は数千万円の保険金が支払われるかと思っていたら、定期保険は60歳くらいで切れていて支払われたのは数百万円の終身保険だけだった。 または、定期保険が更新型のケースも多く、更新するたびに保険料が大きく値上がりするので、 契約転換と言って更新の時に終身保険の積立部分を定期保険に補完して値上がりを抑えたため全く保険金が出なかったという話はよく聞きました。
ここで言いたいのは保険の補償不足ということではなく、顧客に対する説明不足だったということです。 今でも平均寿命の80歳前後まで大きい保険金額の死亡保険に加入するケースは少ないです。それは保険料負担が大きいからです。 ただ、金融ビッグバーン前はコンプライアンスや重要事項の説明などの考え方はほとんどなく、契約者には商品内容の説明などあまりされていませんでした。
そんな中の平成8年金融ビッグバーンが始まった当初に生損保の子会社による相互乗合が認められ、 コンプライアンスという言葉が叫ばれ始めて損保系の生保会社がとった販売手法が必要補償額を基にした商品設計販売だったのです。
この手法で使われた商品の定石が収入保障保険です。
必要補償額は時が経過するとともに減少していきます。教育費は子供が成長する程に減少します。また、妻の平均余命が短くなれば必要生活費も減少します。 必要補償額は右肩下がりになるのです。
収入保障保険とは例えば被保険者が死亡した場合、生きていたら60歳になるまで遺族に毎月10万円や20万円いった保険金が支給されます。 40歳で死亡すれば20年間、50歳で死亡すれば10年間保険金が支給されます。
この保険も補償額が右肩下がりに減少していくのです。その分保険料も定期保険等に比べれば安くできるのです。
損保系生保会社は一斉に国内生保会社が上記に述べたそれまで販売していた終身保険+定期保険に比べて格段に保険料が安く合理的な契約であることをアピールして 既存契約の見直しと称して切り替えを推進する戦略を採りました。
その時顧客に販売した窓口は損保会社の自動車保険や火災保険等を販売していた既存保険代理店でした。
生命保険と損害保険は同じ保険業界ですが、全く異業種というくらいその文化は異なっています。
金融ビッグバーンまで生命保険の主な募集形態は各保険会社専属の職員、すなわち従業員です。 それに比べて損害保険の場合、主な募集形態は保険会社と委託契約を結んだ代理店、すなわち独立した商人です。
また、生保業界では職員は社員なので当然一社専属でありましたが、代理店も一社専属制でした。 そこに損保会社が代理店に生保子会社の募集委託をしようとしたのですが、すでにがん保険や定期保険販売するために別の外資系の生保会社の委託をしている代理店も 多かったので生保も複数の会社を委託できるように制度変更がなされました。損保業界はもともと複数社扱えました。 主な募集形態が代理店という独立した商人であったためだと考えられます。
この時に生保が複数社扱えるようになったため今ではよく見られるほけんの窓口等の数十社の中から選べることをキャッチフレーズした来店型保険ショップが生まれたのです。
もう一つ代理店の募集人を社員ではなく委託した人も認める様になったのも損保業界で代理店の合併を促すために法解釈が変更されたものです。
以上の損保業界の都合による2つに変更によって生保業界で爆発的に増えた来店型ショップが誕生したのは興味深いことです。
古い歴史を持つ大手国内生保会社にとっては苦々しい思いがあったのではないかと考えられます。
ただ今回の改正保険業法施行の前段階で変更ではなく是正ということで委託型募集人は認められないことになりました。
それで保険代理店は大変混乱しました。それに引き続き今は第12章で記載しました保険業法改正の態勢整備の渦中にあるのです。
以上の様に日本の保険業界は情緒的、日本的なものから理論的、アメリカ的なものへとダイナミックに変革してきました。
代理店側は判断する情報を提供する代わりに消費者側もきちんと自分で判断しなさいという流れになっています。
話は逸れましたが、今でも先に述べました終身保険+定期保険という契約は多く残っていますし、されています。納得の上であれば問題ありませんが、 説明も十分にされていない、理解もしていない、納得もしていない、というのであれば加入されたところで改めて説明を受けるか、来店型ショップ等で点検してもらうか等、 見直すことをお勧めします。
保険業界の流れはそんなあなたの行動に味方しています。

第20章 グループホームについて

グループホーム数か所を経営されている方のセミナーを聴いてきました。やはり、現場で経験された方の話は面白いです。
介護関連ではこれまで介護認定を行っておられる医者、成年後見人制度の手続きをされている公証人、 成年後見人をされている司法書士の方等のセミナーを拝聴させていただきましたが、現場でのきれいごとでは済まされない生々しい経験談が聴くことができて、 現実的なコンサルタントをするのに非常に役立ちます。
話を元に戻しますが、グループホームをご存じですか?介護施設の一種です。
比較的安価で入所できる特別養護老人ホームが順番待ちでなかなか入所できない現実の中で私がケアハウスとともに注目してきた施設です。
9人から10人を1つのユニットとして高齢者が共同で生活していく小規模な施設です。原則的に認知症の高齢者を対象にしていますが、 寝たきりになっても入所し続けることができる施設もあります。
特徴的なのは1ユニットが同一家屋内で大家族としてそれぞれ役割分担をして共同生活していくということで、 ユニットでの自分の存在価値を認識することで認知症の進行を緩和させる効果があるとのことです。 自分が他人の役に立っているということで生きがいを見つけるということではないでしょうか。
セミナーでは講師の方がグループホームを開設した時の最初の入所者の方の話をしてくださいました。90歳の女性だったそうです。
1ユニット9人ですが、まだ、その方一人しかおられません。 この時介護スタッフ間で約束したのは1ユニット9人になったときのことを想定して業務を遂行していくということだったそうです。 その理由は1人だからと言ってかまいすぎるとその方の自由と自立を奪うことと9人になったときに世話されなくなったことへの不満が生じるからです。
その方は初め部屋に閉じこもり表情もないような状況でした。スタッフはその方の笑顔を見るためにどのようにしたらいいか何度も話合いました。 そして、1週間程過ぎたときに家族がその方の昔の写真をビニール袋一杯持ってきて来てくれました。その写真は40年以上前のセピア色に変色した白黒写真でした。
まず、これらの写真をその方とスタッフは食堂でアルバムに整理しようと決めました。
スタッフが1枚1枚取り出してその写真がどこで誰と写っているのか聞いてみるとそれまで無口だったその方は実に流暢に、 そして正確にその写真の説明を始められたとのことです。その方は写真整理の時間の主役になりました。 それがきっかけでどんどん元気になられ、その方の役割である食事の配膳や下膳をきっちりこなされるようになりました。
他人の役に立っているという喜びと生きがいがいかに人を活性化させるかといういい例です。
グループホームは地域密着型サービスに位置付けられています。その地域に住んでいる方のみが利用できます。もちろんいいことばかりではないでしょうが、 一度親のためでも自分のためでもいいので近くのグループホームを調べて見学に行かれてはいかがでしょうか。

第21章 資産運用に対する基本的な考え方
資産運用をする時はぶれない資産運用方針を持ちましょう。

本日は平成28年1月22日ですが、日経平均株価は正月明けから下げ続け、本日は反発したものの昨日まで2,500円程度値を下げています。 中国経済の不調が原因とのことですが、些少ながら資産運用している個人投資家としての私の思いは、まあ、こんなこともあるだろう、くらいです。
NISAの口座はつくったものの全く利用していませんでしたが、この機会にNISAで投資しようと考え、TOPIXと日経平均株価に連動したETFを半分ずつ購入しました。
第1章では投資信託に触れましたが、ETFとはその投資信託を上場し、株と同じように売買できるというイメージを持ってもらえば、さほど間違っていません。
特徴はそのコストの低さです。信託報酬は投資信託の5分の1から6分の1です。販売手数料はかかるがインターネットで取引すれば大したことはありません。 ただ取引高が少なく純資産総額が低いものは上場廃止になる可能性もあるので購入の際は確認してください。
さて、以上の様にNISAでETFを購入しましたが、売却の時期などは何も考えていません。非課税期間は5年だし、 5年後に非課税枠が残っていればそれを利用できるので非課税での配当を楽しみにして、株価の動きは見るとしても当分は放っておくつもりです。 それは投資した資金が余裕資金だからです。そして、これが私の資産運用方針だからです。
私の資産運用方針としては短期間では運用効果が出ないと考えています。また、投資商品はインデックスタイプの投資信託かETFにします。
それはアクティブタイプはコストが高く、インデックスタイプと比べてその差を埋めて高い運用効果を出すアクティブタイプの投資信託の割合が低い実態と そんなインデックスタイプ投資効果を上回るアクティブタイプ商品をかぎ分ける情報もスキルも持ってないからです。
個別銘柄株は自社株だけ保有しています。それは給料天引によるドルコスト方式で購入できたのと倒産リスクは低いと思ったからです。
リスク分散の考え方から言うと自社株への投資は避けるべきです。 それは自分のリストラや倒産による失業のリスクと保有株の暴落や倒産リスクが同時に発生する可能性が高いからです。
以上の様な私の資産運用方針がまんざら間違ってないというのを最近、「敗者のゲーム」という本を読んで確信しました。
この本の著者はチャールズ・エリスという長年にわたって投資顧問会社や投資銀行等を経営してきた人物で、全米で100万部の超ロングセラーになっています。
この本の訳者である鹿毛雄二氏のあとがきには「資産運用理論のテキストでもなく、何に投資したら設けられるかといったハウツー本でもない。 しかし、何らかの形で証券投資に関わるすべての人にとって、まず理解しておかなければならない証券市場と証券投資の本質を整理したものである。 わかりやすく、しかし本格的・論理的であり、プロにとってもそうでない人にとっても、それぞれの立場で楽しく、また得るところの多い本だと思う。」と、 書いてあります。これ以上にこの本について説明をうまくできないので引用させていただきましたが、まさにその通りです。
今はプロが多くの部分を占める証券市場、すなわち、この本で言えばインデックスに勝つことは至難の業である、 資産運用にとって時間と確固たる運輸方針が非常に重要である、等について理路整然と分かりやすく解説してあります。
ご一読されることをお勧めします。
この本を読んだことによって今後自信を持って資産運用のセミナーやコンサルタントができそうです。

第22章 離婚に備えた保険
少額短期保険について

離婚に備えた保険があるのをご存じですか。離婚に、と言うよりも、離婚にも、と言った方が正確です。正式名称は弁護士費用保険と言います。 文字通り弁護士費用を補償する保険です。プリペント少額短期保険株式会社が発売している商品です。
少額短期保険会社とはミニ保険会社と呼ばれ、文字通り保険会社に比べて規模が小さく、資本金などの設立基準も引受限度補償額も低く定められています。 そう言って、ただ単に補償額の小さい同じ商品を販売したら保険会社に負けてしまいますので、各社ユニークな商品を販売しています。
よく知られているのがペット保険や葬祭保険です。この弁護士費用保険も非常にユニークな保険で、離婚や遺産相続に対応できる保険は国内ではこの保険だけです。
自動車保険や火災保険に付いている弁護士費用特約は自動車事故に限定したもの、中には日常生活の被害事故まで弁護士費用を補償するものもありますが、 あくまでケガさせられたとか物を壊されたという急激、偶然、外来の被害事故です。
そうでない離婚等を対象とするこの保険は商品化する側からすれば非常に難しい保険です。
事実、プリペント少額短期保険株式会社のこの商品の作成に携わった方の説明会を受講しましたが、大変苦労されたとのことでした。
何故かと言うと採算に合わない商品は販売できないからです。
この保険の月額保険料は2,980円です。
離婚するつもりの人が加入して、その要求に応じて保険金を払っていたらすぐに引受会社は破綻してしまいます。
それではそんな事態に陥らないようにするためにこの商品はどのような内容になっているのでしょうか。
まず、この商品では対象事故を2つに分けてあります。交通事故等の急激、偶然、外来の事故の(1)とそうでない離婚、遺産相続、労働問題の(2) に分かれています。 保険金の内容は(1)(2)ともに法律相談料保険金があり、1年間の補償限度額が10万円、30分当たり5,000円限度です。そして、 メインの弁護士費用等保険金があります。(1)の事故の場合着手金、成功報酬金等の名目で要した弁護士費用実費の補償限度額300万円です。しかし、 (2)の事故については着手金のみで、しかもそれから5万円の免責金を引き、さらに50%かけたものを支払います。
離婚問題の場合には着手金の相場が20万円から30万円と言われていますので30万円としても支払われる保険金は12万5千円になります。しかも、 (2)の事故の場合は責任開始日から3ヶ月間待機期間があり、その間の事故は支払いません。
また、申込時に告知書を提出しなければなりませんが、その中には「弁護士や司法書士に過去3年間で相談したことはあるか。現在相談したいことはあるか。」 等の質問に答える様になっています。回答内容次第では引受不可となりますし、虚偽の回答をすれば保険金支払不可となります。
不正請求が行われないように二重、三重の防御壁が建てられています。これらの防御壁を超え、 保険金詐欺で警察捕まるリスクを冒してまで十数万円の保険金を受け取ろうという人はいないでしょう。
非常に練られた商品内容であると感心させられます。この内容だからこそ通常は保険事故の対象にならないものを対象にできたのです。
どのように保険商品がつくられるか、その一端が見られる事例でしたので紹介しました。
少額短期保険はこのように大手の保険会社が販売していない様なユニークな保険が他にもたくさんあります。
お時間のあるときに「少額短期保険」か「少額短期保険会社」というワードをインターネットで検索してみてください。

第23章 余裕資金づくりのすすめ
資産運用資金を持ちましょう!

ちょっと前にパリ経済学校教授のトマ・ピケティの著書「21世紀の資本」がベストセラーになり、話題になりました。 日本語版は約700ぺージに上るが、内容は簡単に言えば資本によって得られる収益は18世紀以降4%から5%伸びているのに対して 労働よる賃金の伸びは1%から2%にとどまっている、富めるものはさらに富むという格差が広がり続けているのが現状である、というものです。
そのことを3世紀にわたる20カ国以上の膨大な税務統計データを利用して実証しています。
アベノミクスでも恩恵を受けたのは株や不動産という資本を持っていた人というのもその一例かもしれません。
なにもここで本の紹介をしたいわけではなく、社会批判をする等の大げさなことを言いたいわけではありません。
それならそれで、資本を持ちましょうという提唱をしたいのです。
第21章では資産運用は余裕資金で長期運用をすることをお勧めました。余裕資金なんか生活が苦しくてできないよ!と、反論される方も多いでしょう。 それでも、無理してでも、少しずつ、食費や光熱費、通信費等を削ってでも、余裕資金をつくろうということを提唱したいのです。
0に何をかけても0です。しかし、0.1でもあればそれが増える可能性があるのです。貯蓄をしようというのではありません。
普通預金や定期預金では資本の可能性に期待できません。もちろん非常時に備えてそれも必要でしょうが、それ以外に余裕資金を持つまで頑張ってほしいのです。 特に20代、30代の人に。
株の投資信託やETFも持てば当然その値動きが気になります。資産運用について勉強したいと考えます。その時にお勧めするのは証券外務員資格試験を受験することです。
受験料は8,704円です。外務員1種と2種があり、1種は以前には証券会社社員しか受験できませんでしたが、今は一般の人でも受験できます。
それほど難関ではなく、通信教育等受けなくても、1,000円から3,000円の参考書1冊を勉強すれば十分に合格できます。 それに問題集1冊を加えて取り組めばより完璧でしょう。低コストで資産運用について勉強でき、資格もとることができて少し自信も持てます。 そして、資産運用が面白くなってきたらしめたものです。運用資金を増やしたいと思います。それで、日常生活では資産運用資金を増やすことを目的にして自主的に節約します。
そうやって増やした余裕資金が、あるときに期待以上に増えれば喜びを感じます。または、 キャピタルゲイン(売却益)は増えなくてもインカムゲイン(配当等)が思いがけなくあってもうれしくなります。
キャピタルゲインばかり注目されがちですが、インカムゲインはあまり期待していないだけに余計にうれしいものです。 キャピタルゲインは売却しなければ得られませんが、インカムゲインは放っておいても得られます。しかも、元金を減らさない、ちょっとしたお小遣い感覚がある。 定期的に得られるので老後は年金感覚も得られる。
また、ある日に奮起して起業しようと思ったときに起業資金や資格取得資金にこの資産運用資金を充てることができる。
ワ―キングプアと言われ格差をつけられる側の人でも資産運用資金を持つことで格差をつける側でもあるという気概を持つことができる。
以上の様に余裕資金は金銭的な面だけでなく、精神面でも大きな影響を及ぼす可能性があります。
自分をチェンジするきっかけになるかもしれないし、チャンスをつかむ力になるかもしれないのです。
想像できないような未来につながるいろいろなことが派生する可能性があります。
だから、特に若い世代には無理してでも余裕資金を持ってもらいたいのです。
以上、私が述べたことが余裕資金をつくる強い動機付けになり、実行された方が一人でもいれば幸いです。

第24章 海外相続について
海外資産を所有する前に調べておくべき事

2010年の急激な円高や2011年の東日本大震災の発生以降、海外に財産を移す、または、移住する動きが顕著になりました。 日本の税務当局はその動きに応じて「国外財産調書制度」や「国外転出時課税制度」等で海外財産の把握や課税の強化に努めています。
海外に財産を移すというのは日本国内の低金利、自然災害、税率の高さ等からの分散投資という観点からはメリットはあります。それを勧める業者も多いです。
ただ、ここで考慮していただきたいのは海外相続リスクです。このリスクを考えていない方も多いのではないでしょうか。
海外の相続制度についてはマスコミ等に採り上げられる機会も少なく、関係なくても興味があるという方も多いと思いますのでこの章で少し触れてみたいと思いました。
米国など英米法を適用する国では、相続手続きは原則裁判所が関与しながら進められる「プロベイト」となります。
プロベイトとは裁判所が関与する一連の相続手続きの総称です。ここでは、米国のプロベイトを中心に説明します。
プロベイトにおいて遺産は独立した人格をもつ遺産財団となります。そして、人格代表者が、遺言書の有効性の確認、相続人の確定、債権者への公告や債務の清算、 相続に係る税金の支払い、残った財産の相続人への移転、等の一連の手続きを裁判所に管理下で行っていきます。
プロベイトの問題点は、まず、時間がかかることです。
一つは債権者への公告期間が定められています。例えばニューヨーク州では7ヵ月間、カリフォルニア州では4ヵ月間です。
もう一つは遺産税の申告に対する米税務当局の許可が出るまでの時間です。1年近くもかかることがあるのです。
次は費用です。海外の弁護士や会計士などに多額の費用がかかる場合があります。
その他にもプライバシーが確保されない可能性もあります。
したがって海外に財産を所有する場合はプロベイトが必要かどうか確認しておくべきです。少額財産や生前信託設定、受取人指定等の場合はプロベイトが不要です。
要は海外に資産を所有する場合は相続手続きについても調べましょうということです。それで、 あまりにも面倒な場合はそれを回避する方法や所有自体を考え直した方がいいでしょう。
売却益をアピールして、海外の土地等を斡旋する業者も多く、資産価値にばかり目がいきがちですが、 相続時の手続きや税についても調べて購入した方がいいでしょう。

第25章 住宅ローンの借り換えを考えている方へ
見直すのは金利だけではありません!

日銀のマイナス金利政策以降住宅ローンの借り換えが話題に再浮上しています。
借り換えの目安は残債1,000万円以上、金利差1%以上、残期間10年以上と言われていますが、個別事情がありますので、具体的に計算してみないとメリットがあるか、 どうかは分かりません。
今回に限らず、住宅ローンの借り換えには金利ばかり注目されますが、借り換えるなら他の項目についても見直しを検討すべきです。
例えば固定金利型か変動金利型の選択です。金利は固定金利の方が高いです。ある都銀では変動金利が0.600%に対して20年固定金利は1.350%です。 結構差があります。
今まで固定金利型であったが、今後も当分は金利が上がりそうにないから変動金利型に替えれば通常の金利差+固定と変動の金利差のメリットを享受できるのです。 ただし、予想通りいけばの話です。
変動金利型は一般的には年2回金利の見直しが行われますが、5年間は返済額は変わらず、次の5年間に調整されます。金利が上がれば次の5年間の返済額が上がるのです。 上限は1.25倍でそれ以上は次の5年間で調整されます。
次に返済期間の見直しも検討しましょう。
住宅ローンを組んだ当時は収入も少なく、子供の教育費もこれからかかる時期だったので毎月の返済額低くなり、35年ローンだったが、 今は子供達も独立し、収入も増えたので残期間が20年あったが、10年にしようということもできます。残期間が短くなればそれだけ金利も低くなります。
ただ、無理は禁物です。すべてを住宅ローンに回してしまうと、予期せぬ緊急資金が必要になったとき等困ってしまいます。予備資金は残した上で返済期間を考えましょう。
固定金利型か変動金利型か迷われる方は固定金利期間選択型という選択もあります。
初めの2年間から10年間の固定金利で、それが終了すると再度固定型か変動型を選択する方式です。
以上の様に住宅ローンは金利だけの要因で見直すのではなく、自分達の生活環境や考え方の変化に応じて見直すことも必要です。

第26章 住宅ローンの金利と減税が逆ザヤ?
マイナス金利政策で異常事態発生!

前章の25章では住宅ローンの金利以外について解説しましたが、今回は超低金利時代の今の金利に注目してみましょう。
住宅ローン減税というのがあります。年末の住宅ローン残高に対して1%が税額控除されるというものです。
一方住宅ローンの金利はマイナス金利政策を受けて変動金利だと0.5%代、固定金利でも10年だと0.8%代の住宅ローンが出てきました。
住宅ローンの金利が1%以下に対して住宅ローン減税が1%、払うより戻ってくる方が多い!
借りた方が得だ!と、単純には言えません。
同じ1%でも計算方法が違う、住宅ローン減税には上限額があるし期間は10年間のみ、等の要因から結果的にはそうはならない場合の方が多いです。 しかし、条件によってはそうなる可能性があるということが異常事態です。
恐らく住宅ローン減税が創設された当時はこのような事態は想定されていなかったのではないでしょうか。
だからと言って買う予定もないマイホームを無理して、無計画に購入するのは本末転倒です。
しかし、いずれほしいと考えていたマイホームを、家計や保険等の見直しを行って、少しくらい無理して購入するチャンスではあると思います。
一度ご家族やご両親と検討されてみてはいかがでしょう。

第27章 2016年度税制改正について

2016年度の税制改正案の個人課税関連では前年度までに相続税や贈与税に係る大幅な改正が行われたため特に目立ったものはなく、 既存の特例措置の適用期限の延長等の小幅な改正にとどまっています。
その中であえて取り上げるとすれば「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。
最近、空き家の放置が社会問題になっています。特に「耐震性のない」古い家はいつ倒壊するか分からず、周辺住民の不安材料になっています。
こういった空き家の発生原因の最多は相続後に誰も住まなくなることです。
そこで、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」では「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた1981年5月31日以前に 建築された旧耐震基準の家屋(区分所有建築物を除く)であって、当該相続の開始直前において当該被相続人以外に居住していた者がいなかった (以下、被相続人居住用家屋という)、及び当該相続の開始の直前において当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等を、 当該相続により取得した個人が、2016年4月1日から2019年12月31日までの間(当該相続の時から当該相続開始日以後3年経過する日の属する年 の12月31日までの間にしたものに限る)に、譲渡(別途定めた条件に合致した1億円以下のものに限る)をした場合には、当該譲渡に係る譲渡所得の金額について、 居住用財産の譲渡所得の3000万円特別控除を適用できる」としています。
古い空き家を少しでも減らしたいという意向が覗けます。しかし、そもそも物件が売れないことにはこの特典は受けられません。
問題となる古い空き家は田舎の立地条件が悪い、売りたくても売れない物件が多いのではないでしょうか。
不動産の価値は上がり続けるという不動産神話が崩れた現代では相続まで見据えた数十年後を視野に入れた物件選びが必要ではないでしょうか。

第28章 公的医療保険制度の改正について

2016年4月1日施行の公的医療保険制度の改正事項は入院時食事療養費等の見直し等がありますが、 目立つのは「紹介状なしで大病院を受診する場合等の定額負担の導入」です。
紹介状を持たずに大病院で診てもらうと5000円から1万円多く支払わなければならないということです。
これは大病院に外来患者が集中している現状を変えるのが目的です。
大病院と中小病院との役割分担をきっちりとお行い、限りある医療資源の効果的・効率的活用を目指すものです。
言い換えれば、患者がアクセスしやすい中小病院や診療所は重症者以外の継続的な診療を担い、大病院は専門的な治療を担い、地域の拠点となるということです。
大病院に具合が悪くなって行けば待ち時間が長く余計に具合が悪くなることもあり、また、待合室が高齢者のサロン状態になっている病院もあり、この改正は理解できます。 しかし、患者の立場からすると大病院は設備が充実している分やはり安心で、検査で中小病院では発見できない病気も大病院では発見できるのではないかと考え、 大病院に行きたいという気持ちになります。
私自身は高齢化社会を迎え患者数が増え続ける中では我が儘は言えないと考えることにしています。
この改正で大病院の患者数は減るでしょう。適正な患者数になればいいのですが、減りすぎて経営が成り立たない大病院が出てこないのでしょうか。
医療体制は大きく変化しています。他人事で、関係ないという人はいないでしょう。
常に関心を持って見守っていきましょう。

第29章 確定拠出年金の改正について
専業主婦にも年金の上乗せを!

専業主婦の方々の中には自分の重労働に対して夫も世間も評価してくれない!報酬等の目に見える労働の対価がない!と、不満を持っている方も多いのではないでしょうか。
年金も国民年金だけで、サラリーマンの旦那みたいに厚生年金はなく、老後が不安で離婚もできない、と怖いことを考えておられる奥様方もおられるのではないですか。
そんな奥様方にほんの少しだけ喜んでいただける年金制度の改正がありました。それは個人型確定拠出年金の加入可能範囲の拡大です。
今まで専業主婦は確定拠出年金に加入できませんでした。それが加入できるようになります。ちなみに公務員の方々も加入できるようになります。
平成29年1月1日施行です。専業主婦の拠出限度額は月額2.3万円の年額27.6万円です。
だからどうした?と、言われる主婦の方も多いでしょう。
確定拠出年金には数々のメリットがあるのです。
掛金は全額所得控除できます。運用益には通常20.315%の税金がかかりますが、非課税になります。 受取時には一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されますし、年金で受け取る場合は公的年金控除が適用され、額によりますが多くの主婦の方は非課税になります。 ただし、年金ですから受取は60歳以降です。
いかがでしょうか。
気付かれた方も多いかもしれませんが、私達、専業主婦はその名の通り専業の主婦だから所得なんかないわよ、所得控除なんか意味ないじゃない!と、 思われませんでしたか?
その通りです。条件によっては1番大きいメリットが受けられないのです。
この点は例えば夫が妻のために掛金を支払った額も所得控除できるようにすべきだと思います。
今回の改正では妻より夫がその分確定拠出年金に加入した方が同じ家計と考えればずっとメリットが大きいのです。
それじゃ、専業主婦が確定拠出年金に加入する意義はないのでしょうか。
それは加入者の考え方によると思います。
拠出時のメリットはないかもしれませんが、運用時、受取時のメリットはあります。
ポータビリティ機能があり、その加入者固有の金融資産として付いて回ります。しかも、今回の改正でその移管先が拡充されました。
専業主婦は一生専業主婦とは限りません。
子供が大きくなったので働こうと言ってOLになられる方もおられるかもしれません。
離婚して大黒柱として働かなければならないかもしれません。
どんなに状況が変わろうが確定拠出年金はその方の老後の備えとして失われることはないのです。
心強いとは思われませんか?心の支えとはなりませんか?
また、この年金の内容は投資信託や定期預金等の中からその割合を自分で決めることができ、変更も可能です。 資産運用は難しくて分からないと言う専業主婦の方でも自然と資産運用ができます。
以上の様なことを検討材料として専業主婦の方は確定拠出年金の加入を来年1月までに考えてみられてはいかがでしょうか。

第30章 民事信託について
個人の意志を実現させるベストな方法

先日、民事信託実務の第一人者であり、著書も多数ある司法書士法人ソレイユ代表司法書士河合保弘氏のセミナーを受講してきました。
6月にも受講予定であり、今から楽しみです。
それくらい内容が興味深いものでした。
「信託法は民法に対する特別法となり優先適用される」
「相続等の規定である民法の限界と問題点を真剣に考えるべき時期にきている」
「後見制度の理念と現実との乖離」
「法定相続、遺留分を当然として受け入れてしまっている現状」
「現行民法には現状にそぐわない制度が数多いのでは?」
「現行民法の制度は全て合憲と言い切れるのか?」
と、静かな口調でありながら、真実と理念を熱く語られる河合氏の講義は民事信託の有効性を目からうろこが落ちる的な感動を与えて理解させてくれました。
民事信託は平成19年施行された改正信託法で活用が容易になったばかりで、歴史は浅いのです。
それで、それを理解し、活用できる弁護士、司法書士、銀行等はまだ少ないのです。
最近になってやっと取り上げられるようになったので、私も民事信託という言葉と概念ぐらいは知っていましたが、具体的な活用法等は全く理解していませんでした。
信託と言えば信託銀行等大手の銀行やコンサルタント会社しか扱えないという概念しかありませんでした。
しかし、河合氏のセミナーを聴いてもっと手軽に、個人的な目的で活用できるということを知りました。
民法に関する契約書は分厚いものになるが、民事信託の契約書は2枚か3枚程度の薄っぺらいもので足りる、しかも、 その内容は民法に縛られずに依頼者の意向に沿ったものを自由に創作できる、というのは非常に魅力的です。
私は専門的、具体的になったら、もちろん、弁護士か司法書士に依頼しますが、その入り口の部分ではクライアントの方に充分説明できるようになりたいと思い、 早速、河合氏の著書を2冊アマゾンで購入しました。
民事信託の魅力をできるだけ広めていきたいと考えています。
相続や事業承継等に悩んでいる方は是非一度民事信託について調べてみてください。
もし、よかったら私にお問い合わせください。福岡の方でしたら、民事信託の内容についてご説明し、具体的なご相談になったら、 まだ少ない民事信託について理解している弁護士や司法書士をご紹介致します。

ページ先頭へ

第31章 隠れ貧困、にならない、から抜け出す方法

最近、経済ジャーナリストの荻原博子女史の「隠れ貧困」という著書を読みました。
この中で「隠れ貧困」とは、一見すると普通の生活ができているのですが、このままだと将来、貧困に陥る可能性のある「貧困予備軍」のことです。 高血圧を放置していると重篤な病気にかかる恐れがあるように、隠れ貧困とは、放置していると「下流老人」に転落しかねない危険なお金の生活習慣病なのです、 と書かれています。
下流老人については第14章で触れましたが、同章で「簡単な例が現役時代の年収が数千万であろうと、派手な生活を送り、貯蓄0で、 老後は国民年金だけになったら下流老人です」と、いう記述がありますが、まさにそのような現状の方が多くおられるということです。
「家計の金融行動に関する世論調査」(2015年)では、年収が1,000万円から1,200万円の人でも、13.5%、 1,200万円以上の人でさえ11.8%が貯蓄0とのことです。
ちょっと信じられないデータです。
この調査でのアンケートを見ると、このクラスの人たちが預金を取り崩した最も大きな要因は、子供の教育費、結婚費用等とのことです。 また、年収750万円から1,000万円の人の中には、定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したという人も多くいるとのことです。 50代での給料カットやリストラによる早期退職などの厳しい現実を浮き彫りにしています。
40代、50代は収入が多い分付き合いも多く、責任もあり、見栄も張らなければならないので家計も肥大化していくのであろう、と著者は述べています。
また、萩原女史は50代のバブルを経験した主婦特有の浪費も指摘しています。
お金を使っている自覚もないのにお金が減っているというのは、隠れ貧困への第一歩だとのことです。中には現実と向き合うのが怖くて、 あえて自覚しようとしない人もいるみたいです。
そういう方は老後を迎えたら間違いなく下流老人になるでしょう。
まずは現状分析して自覚しましょう。
萩原女史によるととりあえず3日間くらい出費をレシートかそれがない場合はメモで記録して見返しみればその理由が分かるだろうと言っています。 そして、次は自分の家計のキャシュフロー表を作成してみることです。キャシュフロー表のソフトはインターネットから無料でダウンロードできます。
そうすれば老後の年金収入しかない時期になっても住宅ローンなどの借金があるのに貯蓄は0等という悲惨な将来が突きつけられ、恐怖感に襲われるでしょう。
その恐怖感を感じることが重要なのです。その時点で初めて現実を自覚できたことになるのです。
自分の計画性のなさを反省し、今後は計画的にお金を使っていこうという気持ちになるのです。
気持ちだけではだめです。今後の教育費、住宅ローンの支払い、老後の資金のための目標貯蓄額を決め日々のお金の出入りを管理して、貯蓄していかなければならないのです。
それができない、やり方が分からないという方は一度お近くのFPに相談してみてください。日本FP協会のホームページにはFP上級資格を持ったお近くのFPを検索できます。
福岡の方は私を指名していただければ親身になってご相談に応じます。
ご連絡をお待ちしております。

第32章 地震保険の上乗せについて

熊本地震の被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
この様な大きな地震が起こったときに必ず話題に上るのが地震保険です。
東日本大震災では地震保険で1兆2579億円の保険金が支払われてその存在感を示しました。
ところで、皆さんは地震保険に上乗せ保険があることはご存じでしょうか?
地震保険は国と損害保険会社が共同運営しており、その内容は損保全社で共通です。
火災保険に付帯して加入し、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による全損・半損・一部損の場合に補償します。
火災保険(主契約)の保険金額の30%から50%で保険金額を設定し、限度額は建物5,000万円、家財1,000万円となっている。
全損でも最大、損害額の半分までしか補償されません。
それじゃ、家を建て替えられないじゃないか!と言われる方も多いでしょう。
以前はその通りだったのですが、今は損保各社が地震保険の上乗せの商品を販売しています。
これらの商品は地震保険と違って、損保各社の独自商品で、内容も保険料も異なっています。
東京海上日動のトータルアシスト超保険という生損保一体型に加入することで地震、噴火、津波の損害を50%上乗せできます。 他は損保ジャパン日本興亜の「地震危険上乗せ特約」が地震保険と同様の補償内容です。
厳密には地震保険の上乗せ商品と言えるのはこの2商品だけです。それ以外の商品は地震などによる火災の損害のみを補償します。
損保ジャパン日本興亜のTHEすまいの保険の地震火災50プランは地震・噴火・津波による火災損害補償を50%上乗せできます。
AIUのスイートホームプロテクション、三井住友海上のOKすまいの保険、あいおいニッセイ同和損保のタフ住まいの保険、 セコム損保安心マイホーム保険は元々あった地震火災費用保険金5%を30%、50%に割合を変更させる形式で上乗せ補償しています。
日本ではどこに住んでいようが大地震に襲われる可能性があります。
地震に対して万全の備えをしたいという方は地震保険の上乗せを検討されてはいかがでしょうか。

第33章 お金の賢者と愚者
週刊ダイヤモンドの調査データより学ぶ!

週刊ダイヤモンドの2016年4/30・5/7号に面白い調査データが掲載されていましたので皆さんにご紹介したいと思います。
調査名は「5000人調査で分かったお金の賢者と愚者の分かれ道」です。
世帯年収「300万円未満」「300万円台」…「1400万円台」「1500万円以上」の14段階に分けて、それぞれ350人の調査回答を集めた調査とのことです。
人生の満足度を調べるために。「現在、幸せかどうか」について「仕事」「資産」「家庭」「余暇・休暇」「社会貢献・地域活動」の5項目で、 それぞれ0から10までの11段階で、現在の満足度を測っています。
結果は5項目を加重平均した総合満足度の中央値は5.2でした。この中央値を境目に、それ以上の人を「賢者」、未満の人を「愚者」と位置付けています。 それに世帯年収1000万以上かどうかで「金持ち」と「庶民」とに区分しています。そして、「金持ち賢者」、「庶民賢者」、「金持ち愚者」、「庶民愚者」 の4つのタイプに分類してそれぞれの意識調査の結果データを比較しています。その中で私が注目したデータ結果をいくつか列挙します。
まず、総合満足度の平均が「金持ち賢者」が6.7、「庶民賢者」が6.4、「金持ち愚者」が4.0、「庶民愚者」が3.6でした。
「金持ち愚者」が「庶民賢者」より2.4も低いというのは意外でした。世帯年収が高いにも関わらず、なぜ、こんなに差があるのかと思ってしまいます。
もっと意外だったのは保有金融資産の金額から借入金額を差し引いた「余裕資金」の平均比較データです。
「金持ち賢者」が1,906万円、「庶民賢者」が841万円、「金持ち愚者」が738万円、「庶民愚者」が122万円でした。
世帯平均年収の差が638万円あるにもかかわらず「庶民賢者」の方が「金持ち愚者」より余裕資金が多いのです。
老後の不安の大きさも「金持ち愚者」より「庶民賢者」の方が大きいという結果が出ています。
それらに関連して、資産が殖えた理由について「資産運用」の比率は賢者が愚者より10%前後高くなっています。
また、「家計の見直しに挑んで成功したか」と、いう問いに対して賢者が愚者を約7%上回っていましたし、 節電や省エネに対する意識も賢者の方が高いという結果が出ていました。
以上の様な結果を見て皆さんはどのような感想を持たれましたか?
当ホームページの第1章の「資産運用の基礎」、第14章の「老後の貧困リスクについて考える」、 第31章の「隠れ貧困、にならない、から抜け出す方法」も合わせて読んでいただき、今後の生活設計の参考にしていただけましたら幸いです。

第34章 公的所得補償保険とは?
あまり知られていない公的所得保障

公的死亡保険としての遺族年金、公的医療保険としての健康保険は生命保険の補償額を決める際に保険ショップのコンサルタントや雑誌でよく取り上げられるので ご存じの方も多いと思います。
それでは公的所得補償保険というのをご存じですか?
答えられる方は少ないでしょう。それだけ民間の保険会社の病気やケガによる就業不能時の所得補償保険も、まだ、取り上げられる機会が少ないということです。
答えは健康保険です。被用者が業務外(業務中は労災保険によって支給されます)の傷病により労務不能で連続して3日以上休み、4日目の休みから給与の支払いがないか、 支給基準より少ない分が「傷病手当」という名目で支給されます。支給期間は支給より1年6ヵ月です。支給されるのは被用者であるサラリーマンであり、 国民健康保険に加入する自営業者等は対象外です。
支給額は2016年4月から改正されましたが、過去1年間の標準報酬月額の平均の3分の2です。
以上の支給基準はあくまで法定基準です。700人を超えるような大手企業などの健康保険組合では傷病手当に限らず上乗せの付加給付を行っている場合があります。
社内規定等を見て確認しておきましょう。その分は民間保険の保険料を節約できます。
繰り返しますが、傷病手当の支給対象者はサラリーマンです。自営業者は就労不能になっても何の保障もありません。民間保険での保障を検討しましょう。
ところで、障害年金は初診日から1年6ヵ月後の障害認定日に障害等級1級または2級に認定されれば障害基礎年金が、 1級・2級3級に認定されれば障害厚生年金が支給されます。支給基準も傷病手当とは異なり、支給項目も違いますので傷病手当を引き継ぐ保障とは言えないでしょうが、 重症の方は傷病手当の支給停止後の保障となります。
以上の様にいざというときには様々な公的保障や会社の福利厚生等があります。それらを知っておくことは保険の見直しで、より保険料を節約でき、家計にも余裕ができます。
大切なことなのでしっかりと調べておきましょう。

第35章 住宅ローンの金利と利息

住宅ローンの返済計画を考えるのにその金利と利息を理解しておくことが重要です。
住宅ローンは金利ばかり注目されて、利息についてはあまり語られません。なんとなく金利と利息は同じものと考えておられる方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンと長く付き合おうという人は金利と利息を区別し、それらを理解しておくべきです。
分かりやすいように借入金1,000万円、年金利1%と2%返済期間35年、元利均等払いの住宅ローンで比較してみましょう。
毎月の支払い額は金利1%の場合は28,228円、金利2%の場合は33,126円です。返済1回目の内訳は金利1%の場合は利息8,333円、元金19,895円、 金利2%の場合は利息16,667円、元金16,459円です。計算は簡単で利息=残債×年金利÷12です。元金は毎月返済額から利息を引けばいいのです。
ここで注目してもらいたいのは金利1%の方が毎月返済額は4,898円少ないのに、そのうちの元金は3,436円多いということです。
1回目でこの状況です。2回目以降は金利1%の方が残債は金利2%より毎回少なくなっていきますので返済額に利息の占める割合が金利2%に比べると小さくなっていきます。 それが35年間、420回続くのです。
何を言いたいかというと金利は2%で1%の2倍なので利息の支払いも2倍のように思えますが、2倍は1回目だけで、2回目以降は2倍から毎回増えていくということです。 そして、元利均等払いは毎月の返済額は同じでもそれに占める利息の割合は毎回減っていくということです。
それで理解してもらいたいのは金利の差は思った以上に総返済額に対する影響が大きいということと繰り上げ返済は早くするほど総利息を減らす効果が大きいということです。 例えば13回目から1年分12回分繰り上げ返済すれば、次は25回目から始まり、25回目は13回目と比べて利息の占める額が少ない分総支払が減るということです。
以上の金利と利息が理解できれば、できるだけ金利が低い住宅ローンを捜すモチベーションと無理は禁物ですが、 家計の見直しをして繰り上げ返済をしようとするモチベーションが上がるでしょう。
例えば、全期間固定金利を選択するつもりだったが、10年間固定金利の方が金利1%も低いので、そちらを選択し、 10年後は金利が上がるかもしれないので固定金利10年間の内にできるだけ繰り上げ返済しようという考えに変わるかもしれません。
これからマイホームを購入しよう、または、住宅ローンを借り換えようという方は是非参考にしてください。

第36章 消費増税再延期のツケ

消費増税が再延期となりました。これでしばらくは家計が苦しくなるのを免れた、と思っておられる方もおられるのではないでしょうか。 しかし、話はそんな単純なことではありません。
再延期したことによるツケが気づかないうちに回ってきます。
負担を子や孫に負わせることになる、ということはよく言われますが、そんな先のことではなく、我々にもそのツケは回ってきます。
社会保険料の負担増、税金控除の廃止、社会保険給付の縮小等で今でも手取り額は知らないうちに減っています。
あまり知られていませんが、消費増税再延期がもろに影響していることもあります。
消費税が10%になることを条件に行われるはずだった国民年金の受給資格変更です。
国民年金をもらうには保険料の納付期間が25年以上なければなりません。それが消費税10%になることを条件に10年間に短縮される予定だったのです。
現在、約40万人と推定される無年金老人のうち半数の約20万が年金を受け取れるはずだったのです。
心待ちにしていた方も多くおられたのではないでしょうか。人によっては死活問題です。また、この影響で生活保護費の負担が増えるのではないでしょうか。
分かりやすい目先のことばかりにとらわれずに長期的で多くの視点から考える様にしなければ、後で大きなツケを払わされることになるかもしれません。

第37章 借金解決方法について

多重債務の救済方法として自己破産が知られていますが、自己破産は最終手段であり、そのレベルに達する前には他の手段があります。
まずは任意整理です。
任意整理とは裁判所等の公的機関を通さずに、債権者と債務者の間で利息や毎月の支払いを減らしてもらうように交渉して借金の額を圧縮することです。
過払い金分の減額や返済期間の延長等で毎月の返済額を返済可能な額まで減額するのです。
ポイントはその交渉力です。そうなると経験豊富な弁護士に依頼した方がいいでしょう。
弁護士に依頼すると債権者に「受任通知」を発送します。これが届くと和解成立まで借金の支払いを止めることができます。 自己破産と違って官報に載ることはないので他人に知られません。
ただ、借金がなくなるわけではないので安定した収入のある前向きに借金を返済しようという人向けの解決方法です。
次の方法は特定調停です。内容はほぼ任意整理と同様ですが、弁護士に替わって裁判所がその役割をしてくれます。
弁護士に依頼せずに自分で申し立てることができるので費用を安く抑えることができます。
これらのレベルで対応できないとなると次の方法は民事再生(個人再生)です。
民事再生は任意整理では返済できないが、自己破産はしたくない人、または、住宅ローン返済に困っているが、住宅は手放したくない人向の債務整理方法です。
一般的に住宅ローンを除いた借金総額の5分の1を原則3年間で返済することになります。
地方裁判所に申し立てすることで再生計画ができます。
民事再生は借金の元金を大幅に減額できるのが大きなメリットです。また、自己破産とは違って一定期間の資格停止はありません。 しかし、官報に掲載され、信用情報機関のブラックリストに掲載されますので約7年間借り入れができなくなります。
最後の手段が皆様ご存じの自己破産です。
自己破産とは地方裁判所に破産を申し立てて借金を帳消しにすることです。その代わりに最低限の財産を残して財産を手放さなければなりませんし、 信用情報機関のブラックリストに載ります。また、一定期間の資格停止があります。
4つの借金解決法を紹介しましたが、本当に借金に困ったときに逃げるのではなく、再生するための手段として捉えてください。
再生するためには心から反省し、浪費体質から堅実な貯蓄体質に改善しなければなりません。
それは簡単なことではありません。長い時間をかけてお金の管理行動を訓練し、意識改革を行わなければなりません。
再生できなければ一生貧困リスクにさらされることになるかもしれません。
全く貯金ができない人や毎月の収支が赤字状態の人はそのまま進めば上記の救済手段のお世話になる可能性があります。
そんなことになる前に、まず、お金の出入りを記録し、把握することを始めましょう。
常に金銭の出入りについて意識する、いわゆる金銭感覚を持つことが大切です。

第38章 安物買いの銭失い

「安物買いの銭失い」ということわざをご存じですか。
安い物を買って得したと思っていても、質が悪く、何度も買い替えたり、修理したりして、結局は損するという意味です。
得すると思って買ったら、損してしまった。ということはたくさんあります。
特売で安かったので必要以上に食品を買ってしまい食べきれずに捨ててしまったこと、ポイントを貯めるためにクレジットで買ったがほとんど使わなかったこと等、 得しよう、または、節約しようと考えてしまったことが裏目に出ることは世に中には多々あります。
ポイントを貯めるためにできるだけ現金ではなくクレジットカードを使うことに執念を燃やしている人がいますが、使用状況をきっちり管理している人ならばいいですが、 現金と違ってお金を使ったという実感が薄く、なんとなく、まだ大丈夫だろうと買いすぎて借金地獄に落ちていく人がたくさんいます。
スマホを格安SIMに乗り換えれば通話料を格段に安くできる、というのはほとんどに人に当てはまります。しかし、大量に通話発信する人は損するケースもあります。
貯蓄0生活から脱出しようと節約意欲から頑張って行動したことが裏目に出たらやる気もなくなるでしょう。
一方で節約しても一方で浪費してしまっては収支改善できません。
自己管理と情報収集を常に心がけなければなりません。
前章に続いて貯蓄を増やすことの大変さを知っていただきたいと思ってこの章を設けました。

第39章 給与明細書と源泉徴収票の見方
新入社員研修

7月に入り新入社員の方々は少し落ち着かれたのではないでしょうか。
今後社会人として30年以上過ごしていかなければならないので息切れしないようにしましょう。
ところで、社会人になって初めて給与明細書を見たという方がほとんどだと思います。また、長年サラリーマンをしているが、 給与明細をじっくり見たこともない方も多いのではないでしょうか。1年に1度配布されている源泉徴収票の支払金額だけ気になっているのではないですか。 給与明細も総支給額だけを見ていませんか。
世間的には年収○○○万円ばかり注目されていますが、実際の手取額や支給額と手取額の差は何なのかを考えることが重要なのです。
年収は増えているのに手取額は同じどころか減っている。そんなことを知れば憤りを感じるはずです。そして、その理由を知りたいと思います。
調べてみると社会保険料が増えている、税金の控除が減っている等の原因が見えてきます。さらにその理由をさぐっていくと国や地方の財政赤字問題等が出てきます。
自分と社会との関わり方が自然と理解できてきます。そして、今後自分がどのように生きていくべきか、ということまで考える様になるのではないでしょうか。
新入社員のときに給与明細書と源泉徴収票の見方を知ることは今後の長い社会生活を送るうえで非常に重要であることをご理解できたでしょうか。
それでは、まず給与明細書の見方について解説しましょう。
毎月の給与は、支給項目から控除項目を差し引いて計算されます。
支給項目は基本給と諸手当で成り立ってます。
基本給は基本部分でボーナスの査定や退職金の計算などをする際のベースになります。
諸手当には、役職手当、資格手当、住宅手当などの固定的給与と時間外手当や休日手当などの変動的給与があります。
控除項目としては法的控除項目として社会保険料と税金があります。
社会保険料は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険などがあり、税金は所得税と住民税があります。
所得税は総支給額から社会保険料の合計額を控除した課税対象額を基礎に算定します。そして、過不足が年末に調整されます。
住民税は前年の所得に基づきかかるため新入社員は2年目からかかります。ボーナスからの徴収はありません。
次は源泉徴収票を見ていきましょう。
源泉徴収票では、1月1日から12月31日までの給与の総額や各種控除の額などが分かります。
先頭に記載されている数字は支払金額です。一年間の給料とボーナスの合計額の額面を表しており、一般に年収と言われるものです。
その右横には給与所得控除後の金額が記載されています。これは支払額から給与所得控除額を引いたもので、 給与所得控除とは必要経費とみなされるもので支払金額に応じて決められています。
続いて右を見ると所得控除の額の合計額になります。これは税額を計算する上で控除される社会保険料控除、基礎控除、生命保険料などの合計額です。
そして、一番右横に源泉徴収税額が記載されており、その額は左横の給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を差し引いた金額から計算できます。
他には社会保険料等の金額や生命保険料の控除額等の源泉徴収税額の算出要因が記載されています。
源泉徴収票を見れば一年間の収入から社会保険料や税金が差し引かれるお金の流れが分かります。
私達は年収ではなく手取額によって生活が左右されます。
当初述べたように自分の収入のお金の流れを理解することが大切です。

第40章 貯蓄する習慣
新入社員研修

前章では自分の稼いだかなりの部分のお金が社会や自分の将来のために使われ手取額がかなり減ることを実感していただき、 手元に残ったお金の大切さを感じていただけたら幸いです。
そこでその大切なお金を守り、将来有効に使っていく方法を考えたいと思います。
その一つは貯蓄目標を持って計画的に貯蓄していくことです。
貯蓄目標と言っても新入社員の方は目先のこと必死で考えていないという方も多いでしょうが、それでも考えた方がいいです。
今から考えて目標を持って貯蓄することが大切なのです。そうすれば先手、先手で自分の人生を進んでいけます。何かあって借金していたのでは、 それに振り回される人生なってしまうかもしれないのです。
一般的になぜ貯蓄しなければならないのかについて考えてみましょう。
皆さんはめでたく会社員になれましたが、この先その身分がずっと保証されている訳ではありません。
入社した会社が倒産するかもしれません。事故や病気で会社を辞めなければならないかもしれません。この時は入院費用等も必要です。または、 上司と合わずに会社を辞めてしまうかもしれません。
まず、そんなときのために緊急予備資金は生活費の6ヵ月分と言われています。
もっと長い目で見ると人生の三大支出と言われるのが住宅購入費、教育費、老後の生活費です。
大ざっぱではありますが、平均的に住宅購入費は3500万円前後、教育費は子供一人当たり1000万円、老後の生活費は月額夫婦で約27万円と言われています。
その他に個人的にはそれぞれ目標があるでしょう。起業したい人はその費用と軌道に乗るまでの生活費が必要です。
若いときには自己投資も必要です。自分磨きのために資格を取得したり、ビジネススクールに通ったりするのにもお金が必要です。
結婚したり、車を購入したりするのにも大きなお金が必要です。
結婚前の独身時代は貯蓄のチャンスです。
結婚して子供ができると前述した三大支出のうちの教育費やマイホーム購入費が現実問題となって貯蓄しにくくなります。 また、資産運用は長期分散投資が基本ですので独身時代からの資産運用はより大きい成果を生みます。
そう言って、分かった、今日から頑張って貯蓄しよう、という意気込みだけではなかなか貯蓄できません。
どうしたらいいのでしょうか。
まず、始めなければならないのがお金の管理です。お金の管理には家計簿というツールを使いましょう。
家計簿と言っても本屋で売っている様なものでなくてもいいです。毎日きちんとした家計簿にきちんと記載していたのでは続きません。 そうなると家計簿を作成することが目的になってしまいます。
家計簿は手段で一週間に一度時間のあるときに見返してこのままの状況で今月貯蓄できるのか?できないのなら無駄な支出は何なのか?どの支出を削るのか、 等を分析して改善していくのが目的です。
ですから、家計簿の形式は自分好みの続けていけるものにすべきです。面倒臭かったら毎日の支出のレシート、 レシートのないものはメモを箱に投げ入れておいて後で大学ノートに自分のやりやすいような形式の家計簿を作成すればいいのです。
大事なのをその作業を一週間または一ヵ月単位で続けることです。そして、目標貯蓄額を達成できるまで試行錯誤しましょう。 それができたら今度は逆に給与が入ってきたら目標貯蓄額を貯蓄してから残ったお金で賄う様にしましょう。
以上の様な作業を習慣化することが大切です。一時期だけ我慢して貯蓄してもリバウンドしては何の意味もありません。
次に前述した緊急予備資金が貯蓄できたらそれ以降は積立投資信託等の資産運用も考えてください。それについては第一章の資産運用の基礎を参考にしてください。
そうなってくると気持ちにゆとりができて新たな夢ができてきたりします。
なんとなく貯蓄するのが楽しくなってきます。
そんな日を頭に描いて貯蓄に取り組んでみませんか。

第41章 公的保険
新入社員研修

第39章では給与から社会保険料は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険などの社会保険料が控除されていることを説明しましたが、 サラリーマンと個人事業主等ではその負担割合が違います。
サラリーマンの場合、健康保険、厚生年金保険、介護保険は労使折半で半分は会社が負担しています。 雇用保険料は一般事業では給与の0.5%を労働者、0.8%を会社が負担しています。労災保険料は全額会社が負担しています。
個人事業主等はもちろん全額自己負担であり、厚生年金はなく、国民年金を定額負担しています。労災保険はありません。
また、サラリーマンと言っても派遣社員や契約社員、パートの方は社会保険がない場合もあります。
私もサラリーマンを辞めて社会保険料を自己負担することになったときに大きな負担感を感じました。
社会保険料の一部を会社に負担してもらっているサラリ-マンは給与以上の恩恵を被っていることのありがたさを意識すべきです。
脱サラを考えている人はそのことも覚悟して検討すべきです。
社会保険は公的保険と言われる保険です。その補償内容について理解しておきましょう。
健康保険は病気したときにその医療費の3割自己負担すればいい制度ということはご存じの方も多いと思いますが、それだけではありません。
第34章で書いた休業保障としての傷病手当金や出産時の出産育児一時金や出産手当金も支給されます。
また、高額療養費制度で自己負担分も上限が設けられています。
年金も老後の給付だけでなく、死亡や障害時の支給があります。
これら公的保険の補償内容についてはしっかりと把握しておきましょう。
そうしないと公的保険の上乗せや補助的役割の民間保険を適切に加入できません。
いざというときに補償が足りなかったり、逆に長期に多額の無駄払いをする結果になりかねないのです。

第42章 未来予想図
新入社員研修

年金の加入者には毎年誕生月に「ねんきん定期便」が送られてきます。新入社員の方は初めて受け取られる方やまだ受け取っていない方がおられるでしょう。
そこには「これまでの加入実績に応じた」年金見込額が記載されています。
加入実績と言っても新入社員の方は短く低いでしょう。そこで先輩から聞いたり、組合の資料でだいたいの平均年収を予想し、 記載の年金額に平均年収を今年の年収で割ったものをかけてみましょう。それが現行制度のだいたいの年金受取額です。
面倒くさかったらズバリ親しい定年前の先輩に年金見込額を聞いてください。
ただ、厚生労働省の試算では平成50年には受取額の所得代替率は約20%下がるという試算があるので上記の年金額に0.8を掛けておきましょう。
その年金予想受取額を見て如何でしょうか。これくらいあれば十分と思われた方はごく少数だと推測します。 これくらいでは生活できないと感じられた方がほとんどだと思います。
総務省家計調査平成25年版によると現在の高齢者生活水準は夫婦世帯でおよそ月に27万円、単身世帯で月におよそ16万円です。
それに対して、老齢年金の月の平均支給額は夫婦世帯でおよそ20万円、単身世帯でおよそ11万円です。
個人差はありますが、現在でも年金だけでは生活できません。差額は自己負担です。
90歳まで生きるとしてその差額は夫婦世帯でおよそ2,100万円、単身世帯でおよそ1,500万円です。 これを貯蓄で準備すると65歳定年退職までにその額を貯蓄しなければなりません。
その他、教育費はすべて公立として一人当たりおよそ1,000万円、マイホームが平均およそ3,000万円 くらい必要となります。
以上様なデータを基にざっくりと将来のキャッシュフロー表を頭の中に描いてみてください。言い換えれば、マネーの未来予想図です。
この未来予想図を新入社員の時期から頭にあることは大きな強みです。いつでも将来のマネープランを照らし合わせながら、 より具体的に将来設計ができます。判断力が増すでしょう。
将来に対する不安を軽減することができ、将来像が具体的なだけにモチベーションも上がります。
そして、年齢が進むにつれてこの未来予想図は修正され精度は上がっていくでしょう。
そんな難しいことはありません。
そうすることによってドリカムの未来予想図のように幸福度も増すかもしれません。

第43章 セカンドライフのライフデザイン
シルバー・スタディ倶楽部

厚生労働省の平成24年簡易生命表の概況によると60歳の平均余命は男性で22.9年、女性で28.3年となっています。セカンドライフは長いです。
どのような生活をしたいですか。都会を離れて田舎暮らしをしたい、豪華客船で世界一周をしたい、自分の趣味に没頭したい、 と100人いれば100通りの答えが返ってくるでしょう。
このようにどのような生き方をしたいのか考え、描くことをライフデザインといい、資金計画を含めこれからの人生の将来設計のことをライフプランと言います。
自分のライフデザインを実現するためにライフプランを作成します。
ライフプランは一般に次の手順でつくります。
これからの暮らしや夢をイメージしながら自分の立ち位置を確認しておきます。そのうえで1年間の収入と支出や手持ちの資産、負債等を洗い出して、 家計の全体像を把握します。次に、ライフデザインした暮らし方ややりたいこと等をリストアップし、それにかかる費用を調べます。 同時に、いつ頃それを実行に移したいかも考え、これらをライフイベント表にまとめます。
最後に、現状とそれぞれのイベントに必要なお金を見比べて、どのようにして準備していけばよいかを考えます。
現役時代はやりたいことを実現するのに金銭面で多少無理しても後で頑張って収入を増やし帳尻を合わせることもできたかもしれません。 しかし、年金が主な収入源となるリタイア後はそうはいきません。より計画的な資金準備が必要です。また、 同時に病気、介護や遺産相続等の終活もしなければなりません。終活に必要な資金計画と準備も行いましょう。 そうしないと後で終活に必要な準備資金が不足する可能性があります。
全てのイベントを満足に実現できる人は余程資産がある人を除いてあまりいないと思います。
イベントの優先順位や予算の縮小を考え、工夫して、できる限り夢を実現しましょう。そのためにライフプランを試行錯誤しながら考えるのも楽しいのではないでしょうか。
試行錯誤するのに当ホームページの介護、遺産相続、終活、資産運用等の情報を参考にしてください。
よろしければセミナーや個別相談の依頼をしていただけましたら幸いです。

第44章 悪質商法について
シルバー・スタディ倶楽部

セカンドライフの夢実現のための大切な準備資金を悪質商法でだまし取られ、夢を諦めることになったらどれ程悔しいでしょう。 若いときと違って再起が難しいだけに精神的な衝撃度はより大きいです。しかも高齢者はこの種の犯罪のターゲットになりやすいのです。
この章ではシルバー・スタディ倶楽部のテキストの日本FP協会発行の「自分らしく暮らすために60代から始めるマネー&ライフプラン」 から悪質商法への対処方法と事例を抜粋します。
悪質商法で被害を受けないためには商品の購入や契約の前には配偶者や子供達に必ず相談する等一人で判断しないことです。 このことを守ればほとんどの被害は防げます。何が何でもこのルールを守るという強い意志を持ちましょう。
それでも被害にあってしまったり、何かおかしいと感じたらすぐに自治体の消費生活センターの窓口に相談しましょう。
全国から電話相談を受ける消費者ホットラインは0570−064−370ですので、まずここに電話してもいいでしょう。
次にトラブルを避けるためにいくつかの悪質商法の事例をご紹介しましょう。
まず、事例1はリフォーム詐欺です。
「地震後、突然来訪した業者に屋根のシート掛けの補修を勧められた。工事代金の約30万円を全額前払いで支払って、工事が終わった後に確認したところ、 薄いビニールを手―プで張り付けただけの手抜き工事だった。」
この事例の場合のように訪問販売で契約した場合は法律で定められた契約書面を受け取ってから8日以内なら、クーリング・オフで契約を解除することができます。
クーリング・オフはたとえ工事が終わっていても可能です。
事例2は送りつけ商法です。
「注文のあった健康食品を代金引換で送る、と電話があった。注文した覚えはない、と伝えると、確かに注文している。代金は2万円。 支払わないと訴える、と脅された。経済的にゆとりがないので、そんな高い健康食品を注文するはずがないのに、翌日業者が言ったとおり商品が届いてしまった。」
この場合、代金の支払い義務も商品の受取義務もありません。安易に受け取らないようにしましょう。
勧誘の電話がかかってきたら、きっぱりと断るとともに、業者の名前や連絡先を確認するようにしましょう。
事例3は次々販売です。
「ある日、突然、消火器の交換に来たという男の訪問を受けた。亡くなった夫が以前買った消火器の交換なのだろうと思い、2万円程払って交換してもらった。 すると2カ月後にまた同じ男が消火器の取り換え時期だ、と訪ねてきたので、2万円支払って取り替えた。その後も2カ月おきに計4回訪問を受けて消火器を交換し、 8万円以上支払ってしまった。」
一般の住宅に消火器の設置義務や交換頻度等に関する決まりはありません。
消火器には使用期限が表示されています。交換などと言われた場合は、まず表示を確認するようにしてください。
事例4は劇場型勧誘です。
「A社から電話があり、X社の社債購入を勧められ、I氏 もほしがっている。700万円ずつ共同で買わないか。必ず高く転売できる、と言われた。 実際にBという会社から買い取りたいと電話があったので信じ始めた。その後A社から、I氏が1400万円分購入したが、代金を法人名義で振り込んだので受け付けられなかった。 今、彼は海外出張中で手続きできないので、代わりに買ってほしい。2倍から7倍にして返す、と言われ、1400万円分を振り込んだ。 数日後、A社とB社に電話したが通じず、だまされたことに気付いた。」
この様なケースの場合お金を支払ってしまうとお金を取り戻すのは極めて困難です。
繰り返しますが、契約やお金を支払う前に必ず周りや消費生活センター等に相談し、独断しないようにしましょう。

第45章 ライフプランの実現に向けて実行すべき事
お金を学ぶ女子会

お金を学ぶ女子会のテキスト・くらしとお金のワークブックに「夢のお値段How Much?」というテーマで書かれている各イベントにかかる平均的な費用を抜粋してみましょう。
結婚費用約436万円、出産費用約49万円、教育資金子供1人当たり約950万円、住宅購入費 建売住宅約3,280万円 マンション約3,968万円、 老後の生活費 高齢夫婦無職世帯約27万円、介護費用 一人当たり約16万円、となっています。
各家庭の事情によってイベントの内容は変わってきますが、大きな項目だけでもこれだけのお金が必要になってきます。
主婦の方はたいてい家庭内でこれらのイベントを実現させる重責を担っておられるのではないでしょうか。
限られた予算の中で上記のような数々のイベントを実行していくことは大仕事です。社会的にはなかなかそうは見てくれませんが、立派なプロデューサーです。
そんな大仕事を成し遂げるには、お金や資産の管理、長期のイベント表やキャシュフロー表の作成、固定費の見直しやイベント内容の見直しによる支出の縮小、 資産運用やパート収入等による収入の増大、といったことを実行していかなければなりません。
その実行に際しては当ホームページに多くのお役立ち情報を掲載しておりますのでご利用ください。
また、福岡市周辺の方はお仲間を誘って、当ホームページ「ご提案」のお金を学ぶ女子会を設立しませんか?
プロデューサーの参謀として、必ずこの大プロジェクトを成功させてみます。

ページ先頭へ

第46章 ゾーニングについて
これから家を売買する人に知っておいてもらいたいこと

ニュース等で、今後日本は人口が減少するので町村が消滅したり、各地方都市はコンパクト化を目指して、例えば道の駅を中心にその地域の施設を集中させる、 ということを聞いたことはありませんか?
2014年に都市再生特別措置法が改正され、市町村が「立地適正化計画」を策定できるようになりました。 その内容については国土交通省のホームページにも掲載されており、パンフレットも見れるようになっています。
そこには法改正の背景として「我が国の都市における今後のまちづくりは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって、 安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが、大きな課題です。
こうした中、医療・福祉施設・商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、 福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し。『コンパクトシティ・プラス・ネットワーク』の考えで進めていくことが重要です。」と書かれています。
週刊ダイヤモンド8月13日・20日号によると2016年6月現在全国276の自治体で、立地適正化計画の策定が進むが、 「線引きの内側に入れば、不動産価格は維持されるが、外側になれば暴落するだろう。」と、民間シンクタンク研究員は指摘しているとのことです。
この「線引き」のことをゾーニングと言います。
ゾーニング自体は特に新しい言葉ではありません。都市計画等でよく使われてきた言葉です。
知っていただきたいのは今回の立地適正化計画の中でのゾー二ングです。
「居住誘導エリア」というゾーニング外にある住宅は今後利便性が悪くなる一方で、地価も下落し続ける可能性が大きいということです。
これから家を購入しようとしている人や実家を売却しようとしている人はその地域の立地適正化計画の現状を把握した上で検討するようにしましょう。
そうしないと数十年後に家を売ろうとしたときに二足三文になっていたり、買い手さえ見つからないということになってしまいます。

第47章 貧困世代
厳しい若者の現実

第14章で藤田孝典氏の著書「下流老人」について触れましたが、同じ著者で「貧困世代」という本を読みました。
そこで私が考えていた以上に若者が厳しい現実に直面していることを知りました。
14章では現役時代に普通以上の収入がある人でも「下流老人」になる可能性があることを述べましたが、そんな人達は暮らし方を改善すればそのリスクを回避できます。
それに対して現役時代から貧困から抜け出せなかったら「下流老人」にならざるを得ないのです。
貧困世代にはそうなる可能性のある若者が多く存在するのです。
この本では貧困世代について「現代の若者たちは一過性の困難に直面しているばかりでなく、その後も続く生活の様々な困難さを抱え続けてしまっている世代である」と、 書いてあります。
1990年代のバブル崩壊以降、就職氷河期世代の若者で、「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれる概ね10代から30代を想定しているとのことです。
雇用が潤沢であり、年功序列型の賃金体系であった雇用環境が激変したとの指摘です。
その激変に気付かない社会の眼差しはこれらの若者に厳しいとも書いてあります。
貧困世代は約3600万人であり、ブラック企業、長時間残業、過労死等のリスクにさらされています。
この様な若者は「社会的弱者」と著者は指摘します。
若者が社会的弱者という見方は私もしていませんでした。しかし、この本でのそのことを説明する事例や社会状況を読んで納得してしまいました。
もちろん、私はブラック企業、長時間残業、派遣社員等の意味や問題点等はニュース等を見て知っていました。だが、これほどまでにひどいんだ!と、いうのが実感です。
皆さんも、特に私みたいに50代以降の方はこの本を読まれることをお勧めします。
私はFPとして実際このような厳しい環境にいる若者に対してライフプランの設計等ができるのだろうかと考え込んでしまいました。
もちろん著者が言う様にこの状況の改善のために社会全体として取り組んでいかなければなりません。ですが、とりあえず、今、 個人的にできることはこの厳しい状況を他人に伝え、これらのリスクを避ける最善の努力を促し、場合によっては相談に乗ることぐらいしかできないのではないか、と思いました。
現状を知るということは非常に重要です。人は知ることで、そのリスクから逃れたい、という意志が生まれ、行動します。
皆さんも周りの若者や学生にこの厳しい社会状況を伝えてください。

第48章 ロボ・アドバイザー
投資を始める手助けツール

フィンテック(Fin Tech)という言葉をご存じでしょうか?
金融業務にIT技術を取り入れることです。大きく3つの分野に分けられます。
決済や送金、資金の調達と運用、資産運用の3つです。
話題となっている仮想通貨もその1つです。家計簿アプリ等も家計改善に役立つでしょう。
この章では資産運用の分野であるロボ・アドバイザーをご紹介します。
2016年の今年になって日本でも続々とロボ・アドバイザーを利用したサービスが開始されました。
それでご存じない方も多いのではないかと思います。
投資の基本は「長期分散」です。それで、できるだけ早く投資を始めた方が効果が上がる可能性が高いのです。しかし、 どうすればいいか分からない、面倒くさい、怖い、自信がない、等の理由で二の足を踏んで、投資を始める時期がどんどん遅れる方が多くおられるでしょう。
そのような方々が投資を始めるきっかけとなるかもしれないと考え採り上げてみました。
実際、ロボ・アドバイザーの一つ「THEO」では、契約者の87%、30代以下に限定すると90%が投資未経験者とのことです。
日本におけるロボ・アドバイザーによるサービスは、大きく2つのタイプに分けられる。
「お任せ」タイプの投資一任契約を結ぶものと銘柄選択のためのツールとして使える投資支援サービス型です。
両者ともいくつかの質問に答えると最適な投資対象銘柄やポートフォリオを提示してくれます。
投資一任契約は年間預かり資産の1%前後の手数料が必要です。投資支援サービス型は無料です。
対象金融商品はETFや投資信託等のリスクの低い商品ですので、その点は安心できるでしょう。
始めるなら、やはり、手数料無料の投資支援サービス型にしてほしいです。
インターネットで「ロボ・アドバイザー」で検索して、内容を調べて、少額からでもいいから、できるだけ早く投資してみてください。
投資とはこんなものか、と実感でき、次のステップに進めると思います。

第49章 住宅ローンの審査金利とは?
住宅ローンの融資限度額の目安

住宅ローンは一体いくらまで借りられるのでしょうか。
よく言われるのが年収の25%とか30%とか、年収を基準とした返済比率です。
これは間違っていません。
目安としては年収150万円から250万円未満は25%、年収250万円から4000万円未満は30%、年収400万円以上は35%です。
これはあくまで上限です。借りる人の雇用形態や勤務年数等で変わってきます。
それでは金利は何が使われるのでしょうか。
最近は住宅ローンの金利は最低限のところまで下がっており、それらの適用金利が使われると考えておられる方がほとんどではないでしょうか。
それは違います。審査金利という金利が使われており、各銀行で違いますが、適用金利が1%から2%前後の最近では4%前後です。
例えば年収600万円の人が期間35年で年収を基準とした返済率35%で毎月返済した場合毎月の返済額は175,000円です。
金利1%ですと約6,200万円借りられます。
それでは金利が4%ならいくら借りられるでしょう。
答えは約3,950万円です。
驚きの差額でしょう。
当然、返済期間が短くなれば融資限度額は下がります。また、マイかーローン等があればその分減らされます。
考えていた融資額よりかなり低くくしか借りられないということになってしまいます。
マイホームの資金計画は以上の様なことも考えて立ててください。

第50章 実年齢ではなく、健康年齢で保険料が決まる生命保険

第一生命保険グループ会社のネオファースト生命は第一生命のビッグデータと潤沢な資金力と後発会社というメリットを活かして商品開発を重点にした営業展開をしています。
医療保険で業界初めての非喫煙者割引、健康を維持すると保険料が安くなる引受基準緩和型終身保険、業界初の特定疾病保険への非喫煙者割引適用の特定疾病保障終身保険、健 康診断結果や喫煙状況に応じて保険料が割引かれる収入保障保険等があります。
そして、2016年12月1日には生保業界で初めて実年齢代えて健康年齢で保険料が決まる「体革命」という商品を発売します。
契約時には実年齢を用いて保険料を算出しますが、3年ごとの更新時には、健康診断等の検査項目結果等に基づいて算出した健康年齢を用いて、以後の保険料を決定します。
ネオファースト生命は以上の様に健康増進をコンセプトに商品開発をしています。
保険商品の提供だけでなく健康増進による健康寿命の延伸に寄与し、社会に貢献しようという新しい考え方です。
以上の詳細はネオファースト生命のホームページをご覧ください。
テクノロジーの進化、例えば遺伝子治療や自動車の自動運転技術は保険商品開発のコンセプトを根本から変える可能性があります。
今後保険商品の内容は生命保険も損害保険もその会社コンセプトによって独自性を強めていき、多様化が進むのではないでしょうか。
消費者としてはますます自分のライフスタイルに合った保険商品を選ぶための情報収集が必要になってくるでしょう。

第51章 将来の経済的不安を軽減するキーワードは「見える化」

最近になって将来の経済的不安に関する相談件数が増えてきたような感じがします。
私は独立してまだ2年足らずですので過去との比較できる立場ではありませんが、FPフォーラムでの5年間の相談員の経験や他のFPの話からも同じ様な印象を受けています。
年々、社会保険料や税制改正による負担増で少々年収が上がっても手取額は減ってきている、 それに対して教育費等は逆に上がってきていることがボディーブローのようにじわじわと効いてきているのかもしれません。
実際生活不安相談を受けるのは子育て世代の若い夫婦の方々が多いです。
これは明らかに大きな社会問題で国として取り組む必要があります。しかし、そんなことを言っても国の対応を待っている訳にもいかず、 個人的に対応していくしかありません。
そんな方々にまずアドバイスすることは「見える化」です。
不安というのはその原因が見えていないことから発生する要素が多くあります。
相談に来られる方は漠然と教育費や老後の費用が必要なのは分かるが、具体的にいくら必要で、いくら不足するのかが分からなくて不安という方々が大部分です。
具体的な不安がつかめなければ具体的な対処の仕方が分からないからです。
そこで、まず不安を軽減するためにやらなければならないことは「不安の見える化」です。
そのために使用するツールが「キャッシュフォロー表」です。インターネットで「キャッシュフォロー表」と検索すれば無料ソフトがたくさん出てきます。 その中で自分達家族に合ったものを選んでください。
家族の年齢、それぞれのイベント(大学入学等)、収入項目、支出項目等をこの先30年後や40年後までの毎年分入力すると毎年の年間収支や貯蓄残高が出て、 毎年の収支の変化が見えます。
ある年には貯蓄残高が0になる年が出てくるかもしれなません。そのようなことにならないように対応策を考えます。
将来の教育費等の具体的な数字が分からない場合は統計の平均値等を暫定的に入力します。そんな作業をすると将来数十年にわたる家計の収支を見える化することができます。
毎年見直ししてより具体的な数字を入力していけば将来像がより鮮明になってきます。
具体的なイメージは日本FP協会ホームページの「ライフプラン診断」というのをやってみてください。簡単な入力で将来の年間収支の変化を表した表ではないですが、 棒グラフと折れ線グラフが作成され、アドバイスが表示されます。
「見える化」ができたら、貯蓄残高が0にならない様に対応策を考えます。それには支出を減らすか、収入を増やして貯蓄していくしかありません。
そこで今度は「家計の見える化」をしなければなりません。
毎日家計簿をつけていて、見える化できている人はその項目毎にチェックしていき支出を減らす工夫をしていきます。
なんとなく節約しているが、どうしても貯蓄ができないという人は「家計の見える化」をしなければなりません。
「家計の見える化」のツールは家計簿です。
家計簿は作成することが目的ではありません。それで、時間をかけて丁寧に作成する必要はありません。
後でチェックができて、続けることが重要です。汚くても続けて定期的に支出をチェックして改善することが肝要です。
忙しかったら箱にレシートを入れておいて時間のある時に大学ノートに走り書きしても構わないのです。
最近では家計簿アプリ等をありますのでそんなものを利用しても構いません。自分に合った続けられれるもの選んでください。
そのようにして支出を減らすか、または収入を増やすしかありません。
収入を増やすには資産運用や奥さんがパート等で働くのがよくある例です。
以上の様な地道な作業を繰り返すのが将来の経済的不安を無くすことはできないでしょうが、軽減する手段です。
もっと不安を軽減したいという方は我々FPに一度ご相談ください。

第52章 「金持ち県民、貧乏県民」ランキング

プレジデント、2016年11月14日号に面白い記事が掲載されていたので紹介したいと思います。
日銀が、18歳から79歳までの全国25,000人を対象にした「金融リテラシー調査」を基に書かれた記事です。
年代、性別、都道府県分布を人口構成に合わせた大規模調査は世界でも例がなく、海外でも報道されている、と書かれています。
調査内容は「老後の生活費について資金計画はあるか」といった、お金についての行動特性や考え方を尋ねる設問が約半分、加えて25の正誤問題も出題されました。
当記事では、この正答率ランキングに県別の収入のランキングを加味することで「金持ち県、貧乏県」のランキングを出しています。
ワースト3は沖縄県、青森県、長崎県です。
沖縄県は金融リテラシー調査は46位、「緊急時に備えた資金を確保している人の割合」で最下位です。
ワースト2の青森県は金融リテラシー調査は44位、収入ランキングでは45位です。
反対にトップ3は福井県、静岡県、愛知県です。
福井県は年収ランキング2位、正誤問題正答率6位、そして、「お金について長期計画を立てる人の割合」が全国トップです。
また、全国データバンクの調査では人口10万人当たりの社長輩出数で34年間連続全国トップを誇っています。
当記事では「金融リテラシーが低い」と判断された県ほど、金融トラブル経験者の割合が高く、また緊急時に備えた資金を確保している割合が低い、と結論づけています。
当然の理屈ですが、統計的に証明されたものだと思います。
改めて金融リテラシーを高めることの重要性を痛感した記事でした。

第53章 フラット35の固定(金利)だけど柔軟な対応

昨日、フラット35を扱っている住宅金融支援機構の意見交換会と懇親会に参加してきました。
住宅金融支援機構といえば前身は住宅金融公庫で、お役所的なイメージがあり、固定金利のフラット35を扱っているからという訳ではありませんが、 お固いイメージがあるかもしれません。しかし、対応は意外と柔らかいのです。
生活の変化に対応じて返済方法の変更に応じてくれます。
不況でリストラされたら最長15年返済期間を延長し、毎月の返済額を減らしてくれます。
リストラではなく、病気やけがで一時的に収入が減る場合も一定期間毎月の支払額を減らしてくれます。
地震や津波などの大きな災害により被害を受けた場合、1年?3年の返済金の払込の据置もしてくれます。
もちろん、繰上返済もOKです。
しかも返済方法の変更や繰上返済には原則的に手数料はかかりません。
具体的な事例としては熊本地震に対しては現地で個別に対応しています。
また、あまり知られていませんが、リフォームにもフラット35は使えます。
金利については全期間固定でありながら1%前後です。
これから住宅ローンを選ばれる方は以上の様なフラット35の内容を含めて検討されてはいかがでしょうか。

第54章 退職金の現況

かつて老後は退職金と公的年金で老後をのんびり暮らす、という時代もありました。
しかし、年金は今後支給額が減り、支給年齢も引き上げられ、若い人は公的年金は受け取ることはできないのではないかという話まで出ています。
それでは一方の退職金はどうなっているのでしょう。
公的年金と違って、会社によって制度が異なり、支給額の変化もばらばらなので全体的な傾向をとらえられないためか、あまり話題にはなっていません。
それで、なんとなく厳しくなっているという感じはあるが、現況がどうなっているのか知らない人がほとんどではないでしょうか。
そんな中で週刊ダイヤモンドの2016年10月22日号で退職金の現況が記事になっていましたので触れてみたいと思います。
厚生労働省就労条件総合調査を基にニッセイ基礎研究所が作成した定年退職金の分布の変化を表した棒グラフによると 2008年から2013年にかけて多くの企業が退職金の額が下がっており、従業員1,000人以上の大企業は500万円以上下がっています。
それどころか退職金制度そのものを廃止している企業が急増しています。
退職金制度がない会社の割合が1993年は8.0%だったのに対して2013年には24.5%と大幅に増えているのです。
平均寿命が伸びるのはいいことですが、それに伴って年金や退職金が逆に減ってしまってはますます老後が不安になってきます。
今後の老後の準備は貯蓄だけでなく、お金のかからないライフスタイルを工夫することが必要かもしれません。

第55章 確定拠出年金に加入した方がいい理由
老後資金について考えてみましょう。

2017年1月1日から確定拠出年金制度が改正され、個人型の加入対象者が拡大し、専業主婦や公務員も含まれるようになりました。
マスコミにも多く取り上げられ、話題になっています。
この機会に加入率を一気に上げたいというのが国の思惑でしょう。
DC(確定拠出年金)の加入率は現在1%も満たしません。
その主な理由の一つは普及を担っている金融機関があまり儲からないので熱心ではないことです。
実際、個人型DCに加入しようと意気込んで銀行に行っても手続きをしてもらうのに一苦労というのが現実でしょう。
以上の様な現実ですが、今回の改正で注目され、DCに関する情報も得やすくなったこの機会にDC、ひいては老後資金について真剣に考えてみませんか?
人生の三大支出は教育資金、マイホーム取得資金、老後資金と言われますが、老後資金には他の二つとは違った特色があります。
それは借金ができないことです。
教育資金は奨学金や金融機関にも多くの教育ローンがあります。住宅取得資金も住宅ローンがあります。しかし、老後資金はそれを目的としたローンはありません。 働いて返す可能性がない老人に誰もお金を貸してはくれません。
リバースモーゲージ等はありますが、これは不動産という資産を持っている人の特殊なケースで、一般的な借金とは言えません。
それは教育資金やマイホーム取得資金は足りない時にどうにかできるが、老後資金は足りなくなったとしてもどうにもできないということです。
そのことを真剣に考えられたことはありますか?
老後資金だけは老後に入る前までに足りない分は貯蓄しておくしか方法はないのです。
DCは老後資金を目的とした資産形成制度です。数々の優遇制度があります。
老後資金を準備するのにはDCに加入した方が他の貯蓄より圧倒的にメリットがあります。
そして、ある人は年金定期便を見て年金だけではとても足りないとため息をついてます。かと言ってそれを補う財産もありません。
それでもDC加入を検討しないとすれば、その理由は何でしょう。
DCは60歳になるまで使うことができません。それまでにリストラにあったら、大病で働けなくなったら、教育資金が大幅に足りなくなって子供が大学に行けなくなったら、 何かあったら使えないし、払えないかもしれないから加入するのを躊躇してしまう、という方が多いのかもしれません。
そうは言っても自分が高齢になって、生活費が足りなくなったら、働くことも、無理をして生活スタイルを変えるエネルギーも残っていません。
老後資金だけは、他の資金と違って、途中で足りなくなったからといって対処できる方法が極端に少ないのです。
だからこそ老後資金は何よりも優先して準備すべきなのです。
DCも無理をしてでも加入しておくべきなのです。
理屈は分かっていても数十年後のことは考えもしないし、考えたくもないのが人情です。
それでも、なお、くどいようですが、老後は長寿国の日本ではたいていの人に訪れます。
現実を直視して備える強い意志が必要です。

第56章 個人型確定拠出年金の加入方法
確定拠出年金と投資信託の相違点

前章で個人型DCによる老後準備の必要性について書きましたが、「分かった!加入しよう」と、言って、 DCの中身が投資信託等なので張り切って銀行の相談窓口に行っても親身に相談に乗ってくれるどころか、せいぜい手続き書類を本店から取り寄せるので後日再度来てくれか、 直接本店から送らせるので、記載捺印して本店に返送してくれ、と言われるくらいです。
間違って来店型保険ショップに行けば、扱っていません、の一言で終わりです。
DCの現在加入者はその対象者の1%にも至っていません。その一番の理由はDCの普及を担っている銀行、証券会社、 保険会社等の金融機関が儲からないので宣伝普及活動にきわめて消極的だからです。
私は保険会社を辞めた後にDCを個人型に切り替えて継続しようと思い、ある都銀の支店を訪問しました。 そうしましたら支店では全く対応できずに支店の行員が本店の業務部門に問い合わせ、手続き書類を送付してもらうので後日、再度訪問してくれ、と言われました。
後日、再訪すると手続き書類を渡され、後は何の説明もされずにほったらかされ、書類を書き終えて渡すという状況でした。
書類の中には定期預金や投資信託等の商品の持ち分割合を記入するものもありました。私の場合はFPとして知識があったので記入できましたが、 一般の方がいきなり運用資産の按分割合を決めろと言われても投資信託がどういうものか理解さえできていない状態では無理というものです。
DCは金融庁ではなく厚生労働省管轄であり、保険や証券の募集とは根本的に制度が異なっています。
そもそも募集ではなく、単なる取次という考え方なのです。
個人型DCついては保険募集のように重要事項の説明義務などはないのです。その点も問題だと思われます。とは言っても現況は上記のようなものです。
個人型DCに加入するにはインターネットを利用するのが一番スムーズにできると思います。
「個人型DC 加入手続き」等で検索し、運営管理機関一覧の銀行、証券会社、保険会社の中から加入する金融機関を選択し 、リンクされている加入手続き要領のサイトに進めば手続方法については記載されています。
金融機関の選び方は手数料を比較したり、普段取引のあるところを選んでもいいと思います。ただ、手数料が他と比べてかなり高かったらやめた方がいいでしょう。
さあ、ここまでで加入方法が分かったとしてすぐに加入できるでしょうか。
適当に毎月2万円で加入しよう、と言ってすぐに手続きできますか?
よく生命保険はマイホームに次いで高い買い物だからきちんと検討して加入しなければならないと言いますが、 個人型DCだって60歳まで数十年と長い期間払い続ける高い買い物なのです。
納得感のないままに加入できないと思います。そして、納得感を得るには個人型DCについて理解することが必要です。
個人型DCに加入するメリットとデメリット、個人型DCの運用商品の投資信託の仕組み、運用する商品の配分を決め方、 等を理解しなければ納得いく個人型DC加入の意思決定はできません。
この部分については自分から積極的に本を読んだり、セミナーを聴いたり、FPに相談するしかないのです。
保険募集のように募集人が分かりやすく説明してくれることはありません。
その覚悟で個人型DCの加入に向けて進んでください。

第57章 就業不能に備える保険
医療保険より優先すべき保険

最近、渡辺直美の強烈な個性と放映頻度の高さでアフラックの給与サポート保険のCMは多くの人の印象に残っているのではないでしょうか。
このCMで画像の強烈さとともに給与サポート保険というネーミングと渡辺直美の 「医療保険では住宅ローンの支払いやこの子の教育費には備えられない」という主旨のセリフも心に残りませんでしたか?
保険のCMで我々は「医療保険」という言葉とその補償内容については聞き飽きていましたが、給与サポート保険という言葉と補償内容は初耳であり、どんな保険だろうと、 興味が惹かれた方も多いのではないでしょうか。
このCMはこの商品の認知度だけでなく、就業不能に保険で備えられるのだ、ということの認知度を広めてくれました。
実際に最近まではそのニーズに十分に応えられる保険商品はありませんでした。
就業不能リスクに備える保険は損害保険会社で所得補償保険を扱っていました。しかし、その補償期間は1年?3年と中途半端であり、 傷害保険等と比べて特殊な保険という位置づけで、支払い時に所得証明を巡ってトラブルが発生したりということもあって積極的に販売していませんでした。 最近になってやっとちらほら長期補償の就業不能リスクに備える保険が販売されるようになったという感じです。
それで、医療保険みたいにどの保険会社も販売している訳ではありませんし、補償内容も違いますので加入を検討する場合はよく吟味する必要があります。
以上の様な状況で今まで就業不能リスクに対して保険で備えることを考えたことがない方も多いのではないでしょうか。
本来、保険とは発生確率は低いが発生したら大きな損害になるリスクために備えるというのが基本的な考え方です。 その考え方からすると医療保険より就業不能に備える保険の加入を優先すべきなのです。
医療保険の場合は一般的に保険金の支払いは最大でも100万円前後です。 就業不能に備える保険では植物人間になって就業不能になった場合には補償額は数千万円にもなることがあります。 医療保険は代わりに貯蓄で備えることも可能です。
今加入している医療保険があったら、それを解約して就業不能に備える保険に切り替えることは合理的です。
保険料もあまり変わらないかもしれません。
一度は検討する価値はあると思います。

第58章 人生100年時代を向かえて

今、話題になっているリンダ・グラットンとアンドリュー・スコット著の「LIFE SHIFT」という本を読みました。
その日本語版の序文の中に「国連の推計によれば、2050年までに、日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みだ。 2007年に日本で生まれた子供の半数は、107年以上生きることが生きることが予想される。いまこの文章を読んでいる50歳未満の日本人は、 100年以上生きる時代、すなはち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい。
日本では、長寿化の負の側面が話題にされがちだ。この変化を恩恵ではなく、厄災とみなす論調が目立つ。本書では、長寿化の恩恵に目を向け、 どうすれば、故人や家族、企業、社会全体の得る恩恵を最も大きくできるかを中心に論じたい」とあり、様々な生き方を提唱している。
さすが世界的権威の学者の著書だけあり、なるほど、と感心させられることが書かれてあります。
今までみたいに学ぶ、働く、引退という3ステージの画一的な人生を歩むのではなく、各自が創意工夫しながら4ステージ、 5ステージを歩まなければ100年ライフは過ごせないというものです。
詳しくはこの本を読まれてください。
この本の内容は別として100年生きるとしたら、まず、ほとんどの人が経済的な面を考えるでしょう。
特に私はFPなので今まで80歳や85歳までのキャッシュフロー表を描いていたのを100歳まで延ばすとなると根本的な見直しが必要になります。
シンプルな見直しは働く期間を伸ばすことです。
実際、サラリーマンの場合、戦後しばらくの間は定年は55歳でしたが、その後60歳、今では政府も65歳までの雇用を推進しています。
自営業の方も年金では暮らせないので仕方なく70歳や80歳でも働いている方々が増えていると聞きます。
「LIFE SHIFT」では働く期間が長くなるので3ステージ人生のように若い学生時代に学んだ教育やスキルだけでは追いつかなくなるので、 さらに自分を見直し、新たな教育や経験を積むステージが必要だと書いてあります。
いやいや長期間働いていたのでは身が持ちません。
途中からでも自分の好きな仕事で収入を得ることを考えなければなりません。
そのためにはそれに向けての準備が必要です。
これからは「右にならえ」の均一的な人生ではなく、自分オリジナルの人生を自分で模索しなければならなくなるでしょう。
人によっては生きることがますますつらくなるかもしれません。
長寿化を厄災ではなく恩恵に思えるような人生を目標に、皆さん、頑張りましょう!

第59章 続・下流老人を読んで…
「LIFE SHIFT」とのシンクロ

最近、「続・下流老人」を読みました。第14章では「下流老人」について書いていますが、その続編です。
「続・下流老人」の前書きでは前編では下流老人の「見える化」をし、今回のテーマは「高齢期の労働と貧困」である、書いてあります。
前章で紹介した「LIFE SHIFT」とテーマが重なる部分が多く、シンクロさせると興味深い、と思えました。
人生100年時代に近い長寿時代を向かえて、「続・下流老人」では「LIFE SHIFT」の著者が言う、残念ながら恩恵ではなく、厄災の現実が書かれています。
20代から夫婦で豆腐屋を営んでいたが、70歳を過ぎた頃奥さんが脳梗塞になり、豆腐屋を廃業せざるを得なくなりました。 年金は国民年金だけなので2人合わせても8万円程度、貯蓄もどんどん減っていったので75歳を過ぎて早朝の新聞配達のアルバイトを始めたケース、
一人暮らしをしていた母親が認知症になったため離婚後正社員で働いていた女性が介護離職し、69歳の今でも駅の清掃員のアルバイトをしているケース、
県庁を定年退職し、比較的高い退職金と年金を得て多くの人がうらやむような生活を送っていた68歳の元地方公務員の下に離婚して2人の子供を連れて娘が戻って来ました。 娘はうつ病で働けません。その日から中学生と小学生の子供と娘の3人を養わなければならなくなりました。家計は赤字が続き、 72歳の時にマンションの管理業務の職についたケース、
等の疲弊しながらも高齢者の生活のために働く現場を報告しています。
この本によるとOECDの「高齢者の就業率の国際比較」いよれば、平成25年時点で高齢者の就業率は、フランスで2.2%、ドイツで5.4%、イギリスで9.5%、 アメリカで17.7%となっています。対して日本は、20.1%という高率です。
著者は「社会保障が整備されていない国ほど、高齢者の就業率が上昇する傾向にある」ということを知っておいてほしい、そして、 このような日本社会を変革しなければならないと訴えています。
著者は小さな政府を見直し、大きな政府にして分断を避けるために全員に教育費無料などの現物給付を検討すべきと提唱しています。
著者は長寿社会、人生100年時代を向かえるに際して高齢者が苦しまなくてもいいように社会の変革を諦めずに目指して行動し続けることの大切さを訴えています。
それに対して「LIFE SHIFT」の著者は社会ではなく、個人の生き方の変革を提案しています。
筆者は長寿が恩恵と感じられる生き方ができるのは当初は一部のエリートだけかもしれない、と言っています。しかし、 そのような生き方の人々が増えることで社会が変革する、とも言っています。
長寿化に適応するように社会が変わらなければならないし、変えなければならないと訴えています。
結局、「LIFE SHIFT」と「続・下流老人」の著者は同じことを訴えているように思えます。
個人の変革と社会の変革と始めの論点は違いますが、個人と社会は両方変革しなければならない、ということだと思います。
教育資金、住宅資金、老後資金が人生の三大支出と言いますが、長寿社会を向かえて老後資金の比重が大きくなり、 その老後のために教育資金と住宅資金の内容も今までとは変わってくるのではないでしょうか。
人生100年時代を向かえてまずは我々の意識改革が必要です。

第60章 積立NISAの創設とNISAの拡充

平成28年12月8日、平成29年度税制改正大綱が公表されました。
大綱では、平成30年から年間40万円までの金融商品について、最長20年間の非課税が受けられる「積立NISA」が創設されるとあります。
その投資対象商品は、公募株式信託またはETFの中で「累積投資に適した商品性を有するもの」の条件を満たす商品に限定する、とあります。 また、信託契約期間については期間が定められていないか、20年以上であること、非毎月分配型であること、 原則としてデリバティブ取引ではないことの3つの条件が示されています。
要するに投資の基本である長期分散ドルコスト方式で非課税にするから運用をしてお金を増やしなさい、という国の資産運用推奨政策です。
金額や期間的に30歳代から40歳代向け老後資金づくりを目的とした制度です。
該当の年齢層の方は下手に逆らわずに素直に乗っかるべき制度だと思います。
資産運用はできるだけ早めに始めて長期運用した方が今まではメリットがあった実績があることと資産運用の基本を学ぶいいきっかけなるからです。
金融知識があって長期運用することは統計的にそうでない場合よりも資産を増やしているケースが多いのでお金を増やし幸せになる可能性を増す、と私は考えています。
次に大綱では現行のNISAとジュニアNISAが拡充されました。
非課税期間終了後のロールオーバー非課税保有の上限額が撤廃されました。
これで最長10年間非課税で運用することができます。
NISAに関して注意することはせっかくNISAの口座を開いているのだからといってしゃにむに限度額一杯投資しようとしないことです。
NISAだからと言って必ずもうかる保証がされている訳ではありません。
私もNISA口座を持っており今年になって投資する機会をうかがっていますが、その機会を見つけられずにいます。このまま1年過ぎても仕方ないと考えています。
納得のいかない投資をするつもりはありません。投資するならNISAを優先して使おうと思っているだけです。
積立NISAの場合は決まった日に自動的に引き落とされますのでそんなことで悩むことはありません。
結果的に損するかもしれません。
多少のリスクを感じながら自分の積立NISAに感心を持ち、見守り、調べることで金融を学ぶことができ、老後資金が半強制的に差し引かれることに大きなメリットがあります。
一般のNISAと積立NISAは年ごとの選択制です。
積立NISAは一般のNISAに躊躇していた30代のこれから子育てを始める方々に特にお勧めします。
来年に向けて検討してみてください。

ページ先頭へ

第61章 「顧客本位の業務運営に関する原則」について
消費者も知っておきたい金融業界の流れ

平成29年3月30日に金融庁より「顧客本位の業務運営に関する原則」の確定版が発表されました。
金融庁が銀行、証券、保険に従事しているすべての金融事業者に対して顧客本位の業務運営を目指しなさい、そのための行動規範を示すので、実行しなさい、 というお達しです。
ここ最近、金融庁は金融事業者が顧客のためにではなく、自分達のために手数料の高い商品を売ってきたのではないかという疑念を表明し、 それを改善するようにと指導してきました。
金融庁のホームページに記載されている森金融庁長官の講演記録には「毎月分配型の投信は、引き続き多く販売されていますが、 毎月分配型では福利のメリットが享受できないことをお客様に理解してもらった上で投資判断していただくのが「顧客本位」ではないでしょうか。 同様に、過去数年間、高い値上がり率を示している投信も人気ですが、こうした投信の販売あたっては、高値掴みの危険性についても言及するのが「顧客本位」だと思います。」 という一文があります。
暗に証券会社や銀行が「顧客本位」ではなく、利益優先で手数料の高い毎月分配型を販売していることを批判しています。
毎月分配型は年金代わりになるということで人気の商品ですが、毎月配当の中には元金も含まれ元金が目減りしていくことを知らない顧客が多いことでも問題視されている商品です。 森長官はこの講演の中で一般国民に適した投資商品は「長期福利、定額積立、分散、インデックスファンド」という来年から始まる積立NISAの対象となるものである、 と述べています。
手数料の高い商品がすべて悪というのではありません。サービスのためにはコストも必要です。それなら、金融庁はそれなりの合理的な顧客本位の理由を説明しなさい、 と言っています。
この10年間で日本の個人資産は1500兆円から1800兆円に増えました。それに対して米国は4500兆円から9000兆円に倍増しました。
その大きな理由は1986年からの改革で国民の40%が401Kに加入し、投信残高は米国が日本の20倍となったことです。
金融庁は自らの政策の失敗を認め、その反省の下に今回の「顧客本位」の政策を強力に推し進めようとしています。 そのために銀行、証券、保険事業者とのバトルも繰り広げられています。
この様な状況に消費者は関心を持つべきです。我々の将来にも関わってくることです。
上記の「顧客本位の業務運営に関する原則」や森長官の講演記録等は金融庁のホームページの「お知らせ・広報」で誰でも見ることができます。
一度参照して、自分なりの考えを持って行動することが大切です。

第62章 生きるリスクに備える保険
死亡リスクに備える保険との比較

死亡リスクに対する保険では支払い保険料に対して数百倍、数千倍の保険金を受け取るケースがあります。 それでは最近特に叫ばれている生きるリスクについてはどうなのでしょうか。
生きるリスクに関しては年金、医療保険、生活保護等の社会制度の問題、老後破綻や老後貧困等の個人生活問題がマスコミにも多く取り上げられています。
同じリスクなので死亡保険みたいな生きるリスクの保険があれば多くの問題が解決できます。
実際、今販売されている生きるリスクに備える保険について見てみましょう。
一例として昨年4月に開発された日生の長寿生存保険、グランエイジは男性、55歳加入、月払いの場合、 払込満了・年金受取開始年齢70歳では100歳時の返還率は154.5%です。元がとれる年齢は約90歳です。
2050年までに100歳以上の人口が100万人を突破する見込みの日本では生きるリスクに備える保険内容は残念ながらこんなものなのです。 とても死亡保険みたいに経済的環境を一気に好転させる力を望むことはできません。
生存リスクに備えるには年金事情も悪化する中一発逆転みたいなことは考えずに自分で地道に備えるしかありません。 そして、肝心なのはできるだけ早い時期から備えることです。
資産運用の大原則は長期、分散、積立です。そのうちに、と考えているとすぐに年月が経ってしまいます。
来年から始まる積立NISAに加入する等の具体的な目標を決めてすぐに準備を始めましょう。

第63章 資産運用を始めたいけどなかなか始められない人に推奨したい会社

保険事業者及びその関連事業者の結心会では3ヶ月に1度定例会を開催しています。
前回は第34回定例会が先月の4月に開催されました。 その中でセゾン投信株式会社の中野社長とがっちりマンデーでも取り上げられた株式会社MYDCの大川原副社長の講演がありました。
両社の講演を聞いて資産運用を始めたいけどなかなか始められない人に是非推奨したいと思いましたのでここに記載します。
まずはセゾン投信(株)について設立は2006年6月と新しいですが、設立時から「お客様がのため」という信念を貫いた経営を行い、 2016年5月には11万口座を突破しました。
その信念を表明したフィデュシャリー宣言も業界でいち早く宣言しました。
資産運用初心者にありがたいのは資産運用の基本である長期、分散、積立でローコストな顧客に対して良心的な商品内容の投資信託を2本だけ販売しています。
リスクの違う2本を組み合わせることでリスクを考えて、その2本の按分割合を決めるだけで加入できます。
内容が理解できていない多くの商品から選択しなければならないという煩わしさがありません。この商品選択が多くの方々が資産運用を始められないおおきな理由です。
もちろんNISAを利用することもできます。
次に株式会社MYDCについてですが、どこで加入すればいいのか?手続きが面倒臭そう、ということで最近話題になっていて、 興味はあるけれども何もできていない多くの方々にインターネットで簡単に加入できる確定拠出型年金を販売している会社です。 一部取り付け郵送する書類はあるものの、それ以外はインターネットで入力して加入手続きができます。
一番面倒な商品選択もAIがやってくれます。
手数料も良心的な設定です。
資産運用を始めたいけどなかなか始められない人は上記の2社のホームページを開いてみてください。 それでとりあえず少額でもいいから始めることを前向きに考えてみてください。
今後、商品内容を勉強して運用会社を変えたいと思ったら他社に移管したり、減額したりすればいいのです。
始めることで資産運用がこんなものかと実感できます。
通知がきて自分の資産が増えている、減っている、と一喜一憂することも資産運用を始めたからこそできる経験です。
早く始めることで長期運用の恩恵も被ることができます。
改めて、紹介した2社は資産運用を始めたいけどなかなか始められない人に推奨したい会社です。

第64章 金融行政の大方向転換

金融行政は今、大きな方向転換期を迎えています。
下記にその方向転換の要点とキーワードを箇条書きにしています。
何も行動しない金融事業者は淘汰される時代を迎えます。
この金融行政の動きに無関係の日本国民はいません。
気になるワードを深掘りしてみてください。
それぞれの立場で何かを考えるきっかけになれば幸いです。

銀行の健全性→銀行の先にある企業と経済の成長と資産形成

バブル崩壊後銀行の不良債権処理が最優先だったが、不良債権処理がかなり進んだため銀行本来の姿に戻し、 融資先の企業を活性化し地域創成をすることが銀行の最大の役割とする。

担保・保証による融資→事業性評価による融資

貯蓄→資産形成

平成平成29年3月30日に金融庁より「顧客本位の業務運営(フィデューシャリィー・デュティー)に関する原則」の確定版が発表

金融事業者は顧客本位の業務運営を目指さなければならない。
ミニマム・スタンダード→ベストプラクティス
ルールベース・アプローチ→プリンシプルベース・アプローチ

検査
金融検査マニュアル廃止の方向
定期検査、チェックリストによる確認→対話重視検査、モニタリング

規制、検査監督による金融事業者の健全性の維持→顧客による淘汰(見える化)

第65章 FPフォーラムから見えるiDeCoとNISAの関心の高さ

10月から11月にかけて日本全国でFPフォーラムが開催されますが、先んじて福岡市では9月24日にFPフォーラムが開催されました。
その一環で11の無料のテーマ別センナ―・ディスカッションが行われました。その中での集客数の1位、2位はiDeCoとNISAをテーマとしたものでした。 1位のiDeCoと2位のNISAの差は1名でした。しかし、3位との差は10名もありました。
これだけを見て日本国民に高い関心があるとは言い切ることはできませんが、 iDeCoとNISAが現在において世間のかなり広い範囲で関心が持たれているというのは言えると思います。
iDeCoは今年1月から制度改正が行われ、現役世代全てに対象が広がりました。それに伴い加入者が急増し、5月末で50万人を突破し、昨年末から8割程度増えました。
ただ、8割程度急増したと言っても対象者6700万人に対して僅か50万人です。1%にも達しません。
潜在的に関心があるが、迷っている人や加入したいけれど何らかの障害がある人々がかなりいるのではないでしょうか。
長期間支払っていき、60歳になるまで引き出せない、等の制限があるので迷っている、というのは理解できます。 この段階でアドバイスできるのは老後資金のために資産運用するために毎月回せる金額まで決めている人に対してであればiDeCoへの加入は自信をもってお勧めします。 それだけ特典が多い制度なのです。
そこに至るまでは自分で勉強し、検討して決断してください。
一生影響することなのでそれなりの時間をかける価値があると思います。

第66章 定年後

「定年後」という楠木新氏の本が売れています。また、定年後をテーマにした雑誌等も増えてきているように思えます。それだけ社会の関心が高まっているのでしょう。
一方「老後」という言葉がありますが、その違いは何でしょう。
老後は万人に訪れますが、定年は自営業者以外のサラリーマンや公務員に訪れます。それも〇年〇月〇日と決まっています。
この日を境にその職場から強制的に離されるのです。環境が激変するのです。
昔だったら定年後しばらくゆっくりしたらあの世からお迎えに来てくれたから定年後についてはあまり考えなくてよかったのでしょうが、 今は人生100年とも言われるようになって、なかなかお迎えが来ません。それで、考えざるを得なくなったのです。
まずは経済的な問題です。定年後年金だけで暮らしていける時代はとうに終わっています。平均的に言っても3,000万円は必要と言われています。
貯蓄なければ悠長なことを言っている場合ではなく、稼がなければなりません。好きなことで稼ぎたいと言っても何の取柄もなく、準備もしていなければ、 きつく嫌なバイトでもしなければなりません。
次に幸いにして経済的には問題ない人でも定年を境に奥さんを始め、暇な自分に誰も相手しなくなり、孤独感に襲われ、 こんな日が数十年続くことを考えて絶望してしまいます。
挙句の果ては定年後離婚や孤独死のことが心配なってくる。こんなことなら早く死んでしまいたい、 とついつい思ってしまう自分を想像して定年後に関する本を買ってしまうという現象が起こっているのでしょう。
今年60歳を迎え、サラリーマン生活を長年していた私にはその心情がよく分かります。
そんな方々は経済的な部分だけなく、相談できるFPの私に相談しに来て下さい。
酒を飲み交わしながら語り合いましょう。
ご連絡をお待ちしています。

第67章 金融レポートは初心者向け資産運用教科書、必読!

10月25日に金融庁から「平成28事務年度金融レポート」が公表されました。
昨年10月に公表された「金融行政方針」の進捗状況や実績等の評価をまとめたものです。
金融庁のホームページで閲覧することができます。全142ページのボリュームです。
金融機関関係者が読むものだろうと無関心な方々が多いと思われます。ところが、内容の一部は全国民を対象とした資産運用の教科書なのです。
一部と言いましたが、全142ページの中の「Uの1.顧客本位の業務運営の確立と・定着等を通じた家計の安定的な資産形成」部分27ページです。
この程度のボリュームなら熟読しても苦にならないと思います。
ほとんどの日本国民が資産運用をしなかった結果、この20年間で米、英と家計金融資産の伸びに差ができてしまった、というデータから始まっています。
家計金融資産はこの20年で資産運用による伸びが米国では2.45倍、日本では僅か1.19倍であり、 その結果家計金融資産が米国では3.32倍、日本ではたったの1.52倍にしかなっていないのです。
この要因の詳しい分析について金融レポートに記載されています。この衝撃的な事実によって資産運用をするべき理由を痛感します。
次に資産運用の基本は長期、積立、分散であり、それに適した金融商品について述べられており、そんな商品が日本の場合には少なく、金融機関の問題点が指摘されています。
こんな日本の現状を打破するために来年1月から「つみたてNISA」の制度をスタートさせるという経緯が書かれています。
以上の様な流れをゆっくりと理解しながら読んでいくと資産運用未経験者の方でも資産運用の具体的なやり方を学ぶことができます。 また、資産運用の必要性や日本の金融機関の問題点等も知ることができ、自分で納得した上での資産運用が始められます。
金融レポートは今まで資産運用が怖い、面倒くさいと言っていた方も抵抗なく資産運用が始められる良質な教科書です。

第68章 「つみたてNISA」は資産運用実務講座

 

2018年を迎え、いよいよつみたてNISAが始まりました。
つみたてNISAは一般的に非課税等の優遇制度ばかりが強調されがちですが、資産運用のやり方を学ぶ最適な教材です。
年額40万円が上限ですが、最低金額は金融機関によって異なります。楽天証券は毎月100円から可能です。
資産運用が分からない、怖いという方は月1,000円からでもいいと思います。ただし、加入するだけで安心するのではなく、 加入手続き、商品の選択、加入後の値動き等を経験し、学び、早い段階で増額することを条件とします。
インターネットでつみたてNISAを検索して加入する金融機関を捜します。金融機関によって商品の品揃えが違いますので比較してみましょう。
各金融機関のホームページにはつみたてNISAについての説明がありますので熟読しましょう。
馴染みの銀行等ありましたらそこで相談してもいいでしょう。
つみたてNISAの商品は金融庁より条件が指定されています。その条件に合った商品しかありません。つみたてNISA用に新たにつくられた商品もあります。
条件とは長期、積立、分散という資産運用の基本に沿った条件や手数料が低い等の資産運用で選ぶべき商品の条件が箇条書きにされています。 ここで資産運用商品の選び方を学ぶことができます。
金融機関や商品が決まったら加入手続きをしましょう。ここで口座を開く等の実際資産運用を行う際の手続きを学ぶことができます。
いよいよ加入するとその後値動き等の通知が定期的に送られてきます。それを見て、値が上がった、や配当が付いた等の運用状況を実感することができます。 それを繰り返すことで資産運用とはこんなものだという実感を得ることができます。なんとなく抱いていた訳の分からない不安も解消していきます。自信も湧いてきます。
そうなったら全く同じやり方で投資額だけを増額すればいいのです。つみたてNISAの枠に納まらなかった。一般か特定口座、 またはiDeCo等で全く同じやり方で投資すればいいのです。
特に資産運用を行っていない若い世代の方々は是非ともつみたてNISAを糸口にして長期間の資産形成をスタートさせてください。

第69章 若い世代に資産運用を始めてもらいたい理由
資産運用で人生が変わる!

20代、30代の若い世代には是非とも資産運用を始めてもらいたい、と願っています。前章で述べましたようにつみたてNISAを入口に資産運用を始めてもらえば、 抵抗なく始められると思います。
資産運用で人生が変わる、とは確約できませんが、変わる可能性があるのです。
アベノミクス始まった2012年12月頃には日経平均株価は8、000円台から9,000円台でした。
ところが、2018年に入ると23,000円台で推移しています。
例えばアベノミクスが始まるまでに日経平均株価をベンチマークとしたインデックス型の積立投資信託を20年間毎月30,000円積み立てていた人がいたとします。 そうすると積立額は720万円になります。評価額は計算しませんが、例えば1,000万円だったとします。そうすると2018年1月時点での評価は2倍から3倍近くになっています。 2.5倍としたら2,500万円です。多少荒い設定ですが、お許しください。1,500万円増えたことになります。
1,500万円というと子供の教育費1.5人分、地方だったらマイホームも購入できます。起業するための資金としばらくの生活費にもなります。
人生の幸福度が上昇したり、やりたいことをやることができるかもしれません。人生が変わるかもしれません。
資産運用というとなんとなくお金が増えることしか考えが及びませんが、その増えたお金でできることを考えると人生が大きく変わる場合があるのです。
そう考えるとなんとなく不安や面倒くさいという理由で資産運用を始めないのは後々後悔すると思いませんか?
ここで言っておきますが、前章のようなやり方で資産運用したからと言って資産が増えるとは限りません。
私は長期、分散、積立で運用してきた資産がリーマンショック後は全て元本割れしました。また、これまでの30年間は資産運用に恵まれた環境だったかもしれません。 今後の環境は厳しいかもしれません。
資産が増えるどころか減る可能性もあるのです。
それでも若い方々に資産運用を勧めるのは可能性があるからです、言い換えれば夢があるからです。
今の金利情勢では銀行預金していても確実にお金は増えません。しかし、資産運用すればお金が増える可能性があるのです。 より幸福になれる、夢を実現できる可能性があるのです。
若い人には夢を追い続けてもらいたいと思っています。

第70章 リカレント教育の効果を最大限活かせるのはIT分野

今後日本で特に人材不足がますます社会問題化する分野に飲食業分野、運送業分野、IT分野等があります。
ただ、シニアにとっては飲食業や運送業は肉体労働の部分が多く、活躍できる場面が少ないでしょう。 それに反してIT分野は頭脳労働の部分が大きく占めるためシニアの活躍の場面は多いのではないでしょうか。
近い将来に日本でIT分野の人材不足は20万人になると言われています。
AIやIoTの普及、今後ますます増えると思われるサイバー攻撃に対応するセキュリティ、ビッグデータを分析する、 等で今後ますます多くのIT技術者が必要になってきます。それに伴い今まで王道であったホームページやWebサービス、プログラミングの技術者も不足してきます。 そのため文系出身でIT初心者でも学べる施設や通信教育も増えてきています。
また、政府が推進しているのは若い頃にIT分野に携わっていた人がシニアになって学び直しして最新のスキルを身に付けることです。 このパターンがリカレント教育としては一番しっくりくるのではないでしょうか。
結論を言えばシニアが学び直しするならIT分野が一番働く場所を得やすいだろう、ということです。
今後リカレント教育を受けようとするシニアの方々の参考になればいいと考えこの章を掲載しました。
ただ、そう言って私自身はIT分野のスキルを今から身に付けようとは思いません。もちろん、苦手というのはありますが、 ITに興味を持てない、好きになれないというのが一番の理由です。若い時ならともかく、今の年になって嫌いなことをしたくないという我儘です。
我儘と言っても、最後は好きな仕事をしたい、というのは多くのシニアの方々に共感していただけるものと考えています。
寿命が伸びた分考えなければいけないことが増えました、

第71章 副業について
大きく変わる副業の位置づけ

政府は働き方改革で副業を容認する方向を打ち出しました。その理由は副業の位置づけや考え方の大きな変化です。
これまでは副業といえば小遣い稼ぎや収入不足補填という経済的な意味合いが強いでしたが、前章のリカレント教育と同じく、 人生100年時代に必要な、スキルを磨く、転職や起業に備える、といった定年後に働く目的のための副業ととらえられてきています。 とは言うもののまだまだ副業するには厳しい環境にあります。
副業を容認する企業や実際に副業をしている人はまだまだ少数派です。理由としては長時間労働の助長や情報漏洩のリスクがあります。 ただ副業を希望する個人は増えてきているということです。
個人的には副業はしたいが、重労働の現在の職場ではその余裕がないという方が多くおられると思います。
終身雇用制で年金もたっぷりとあった時代に将来のことは考えずにひたすら働けばよかった時代はとっくに終わっています。 急激な長寿化に制度や考え方等、あらゆることが追いついていないのが現況です。そんな中で定年後に備える手段として副業は比較的リスクの少ない手段です。 政府もやっと今年になってやっと副業支援を始めました。これから徐々に副業がしやすくなってくるでしょう。 しかし、現在に生きる我々はそれを待っている訳にはいきません。
自分自身の人生100年の生き方は自分で決めなければなりません。それには情報が必要です。
いろいろな場を捜して学ばなければなりません。よかったら我々FPにも相談してください。

第72章 人手不足を実感!
実感して初めて感じる危機感!

先日、福岡市内のリンガーハットのある店舗に久しぶりに昼食を食べに入ったらセルフサービス型店舗にリニューアルされていて戸惑いました。
券売機で食券を購入し、注文したものができたらカード型のポケベルみたいなものが振動し、カウンターに受取に行きます。そして、食事が終わったら返却口まで運んでいくのです。水もサラダも自分で持ってこなければなりません。 いつものつもりで店舗に入ったら、どうしたらいいか分からなくなって、店員の方に聞いてしましました、店員の方も「初めてですか?」と、入店した客に聞いていて、 「初めてです。」と、答えるとシステムを説明していました。私も聞かれましたが、この店舗には何回か来ていて初めてではなかったですが、 ついつい「初めてです。」と、答えてしまいました。何が初めてか、分からなかったからです。それでセルフサービス型になって初めて、と解釈してそのように答えました。 私と同じ立場なら「いいえ」と、答える人もいると思います。そうすると説明もされないのでしょうか。どうしたらいいか分からず、立ち尽くす人もいるのではないでしょうか。 質問が言葉足らず、と感じました。どんなに忙しくても「セルフサービスになって…」を加えるくらいの配慮は必要です。
ところで、なぜ、セルフサービス型になったのだろうと考えたときにすぐに人手不足が理由であろうことがピンときました。
数日前のニュースでも茨木県庁が引っ越しを運送業者に断られて自分達総出で引っ越し作業を行ったことを現場の映像を交えて報道していました。
もちろん情報としては人出不足が社会問題化しており、特に飲食業や運送業者等が深刻なのは知っていましたが、どこか他人事でした。 しかし、自分が直にその影響を受けた現場に直面すると自分事として実感しました。そして、危機感も感じました。
人間て、そんなところがあると思いませんか?自分に被害が降りかからないと、大変だな、と他人事のように一応同情はしますが、自分が被害にあったら、 何とかなる、と根拠のない自信を持っていませんか?現実は何ともならないのです。
老後資金や教育資金等に不安はあるが、実態がつかめていないから、どこかでどうにかなるだろう、とどこかで考えていませんか?実際に直面したらどうにもなりません。
だから、何事も「見える化」して自分事として実感することが重要なのです。

第73章 人生100年の住居計画

本日、4月6日に最寄りのスーパーマーケットがリニューアルオープンしました。駐車場の広さが2倍になり、一番気になっていた売り場の古さが、 内装が一新されたことによって明るく、清潔さを感じる空気感に変わっていました。しかも、 出入り口が反対側にも新設されていて自宅から100メートル程度の距離が30メートルくらい短縮されました。これが意外と嬉しいことでした。
このリニューアルオープンは自分が驚く程気持ちを明るくしてくれました。これが逆に閉店だったらどれ程悲しく辛いものかと想像しました。 ましてや車を運転できない高齢の方だったら死活問題であり、かなりのショックを受けられることでしょう。 少子高齢化で人口減少の時代を迎えて実際にそんな体験をされる方は多いでしょうし、今後ますます増えてくるでしょう。
高齢な夫婦や一人暮らしの方々にとって近距離にスーパーマーケットがあるというのが必須条件です。今の住居に引っ越してきた頃はいろんなところを車で移動していて、 気軽に買い物していてスーパーマーケットの位置などはあまり気にしていなかったが、 高齢になり車の運転に自信無くなってきたら近所にスーパーマーケットがないことが重大問題になります。 免許証を返納したくても返納できずに運転していて大きな交通事故を起こしてしまうかもしれません。
人生100年時代を迎えて住居選びは非常に難しくなりました。
例えば、住宅ローンを利用してマイホームを購入されるのは結婚して子供が1人か2人できた30代や40代の方が多いのではないでしょうか。 そして、サラリーマンのそんな方々は通勤や通学に便利な都心のマンションを選択して購入される方が多いのではないでしょうか。 次にそんな方々はリタイア後には田舎でのんびりと過ごしたい、または、物価の安い海外で年金暮らししたい、という方も多いでしょう。 そんな夢を叶えて移住される方々も多いでしょう。さらに次は超高齢になって体が不自由になり、車も運転できない、 介護の心配が出でくると医療機関も近くて便利な都心に住みたい、さらにさらに介護が必票になると老人ホームで暮らしたい、と希望する住居条件が何回も変わってくるのです。
購入するときのニーズだけでなく、できる限り将来に予想されるニーズも考えてマイホームを購入することをお勧めします。 また、マイホームについて学んで活用できる制度や注意すべき政策を知ることです。
リタイア後に田舎暮らしや海外移住したい方はマイホームを売却せずに賃貸するマイホーム借り上げ制度(第18章マイホームの有効活用参照)があります。 また、移住や老人ホームに入る際に売却を考えている方は将来的にも値下がりしにくい物件を選択すべきでしょう。 その他にも地域によって田舎暮らしのトライアル制度や支援、補助制度があります。
人生100年には働き方や暮らし方がシフトしていきます。また、外部の社会情勢も大きく変化していきます。それに伴い住居も替える必要が出てくる可能性が高いのです。 替えないようにするのも一つの考え方です。しかし、それには情報や知識が必要になってきます。
人類が今まで経験をしたことのない人生100年時代を迎えようとしています。 それを踏まえてマイホームも情報に基づいた想像力を働かせて最良のマイホームを選択するようにしましょう。

第74章 早期の人生設計のすすめ
人生100年時代の選択し行動する訓練のすすめ

二刀流大リーガーの大谷翔平選手の目標達成シートが話題になっていました。
最終的に達成したい目標「プロ8球団からドラフト1位指名を受ける」の周りをその目標を達成するめに必要な要素「コントロール」や「スピード160q/h」等 の8つの要素が取り囲んでいます。さらにその8つの要素を達成するためにブロック化した8つの要素が取り囲んでいます。つまり、 最終的な目標を達成するための72の要素が記されています。 最終的な目標を達成するための具体的な64の方法を演繹法によって導き出し、それらを実行することによって最終目的を大谷選手は達成したのです。
もちろん、大谷選手のように超難題な目標を達成することは難しいですが、この手法の有効性は多くの人が言っています。 このシートを完成させる行為自体に意味があると言われています。1つの目標を達成するのに何が必要かを細かく、具体的に考える様になれると言います。 とてつもなく大きく遠くにあった目標が、細かく分析することで1つ1つ今日にでもできるものに変わると言います。
日本FP協会では「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」を主宰しています。
小学生が夢に向かって努力すること、夢の実現のために必要なお金のことを考えた上で、自分自身の「ライフプランシート」を作成し、 「将来の夢」について作文とセットで応募するものです。直近は第11回になります。
3,974の作品から中低学年と高学年に分けて選ばれ、最優秀賞はそれぞれ1点ずつです。
低学年では小学3年生のデザイナーを目指す男の子が選ばれました。
そのために今後プログラミング等を勉強し、大学は東京芸術大学を目指し、それらの教育資金のために親や祖父母と相談し、 ジュニアNISAや教育資金の非課税制度の活用も検討すると書かれていました。具体的な行動で目標に邁進している様子が伝わってきます。
デザイナーという目標がない場合やあってもなんとなく、という場合に比べればデザイナーになれる可能性はかなり高いことはだれでも思うのではないでしょうか。
しかし、この目標を持ったのはこのコンクール応募することがきっかけです。
FP協会の課題図書を読み、自分の好きなことや得意なことを考え将来やりたいこと等をじっくりと考えデザイナーという職業を選択したとのことです。
本コンクールの目的は「今の生活を主体的に生きていこうとする意欲と確かな行動力を育てることにある」と、あります。
このことは様々なことが多様化した今後の社会を生き抜くために非常に必要な力だと痛感します。
戦後から今、定年を迎える我々世代前後までは何となくいい大学に入って、なんとなくいい会社や役所に入れば、特に将来の目的も持たずに、 選択も決断もしなくても人生を全うできそうな世代でした。
社会全体がそれ程複雑ではなく、集団で動いていれば間違いない、という雰囲気か、または幻想があったように思えます。
そんな我々でも人生100年時代を迎えて戸惑っています。
いい大学を出て、大きないい企業に就職して、うまく早期退職もせずに、65歳までその企業グループで働き続けることができたとしても、 経済的には何の心配もないとしても、長い余生の過ごし方の選択を迫られることになったのです。
何も考えずに、何の準備もせずに65歳の定年を迎えた人はその次の日から何をしたらいいか分からなくなります。
人間関係は会社内だけで、今までみたいに食事やゴルフに付き合ってくれる人はいない、何もすることがなく、テレビを見て、 合間に奥さんや子供に偉そうなことを言っていると白い目で見られる。人生100年時代を迎えた現代ではそんな日が数十年続くかもしれないのです。 奥さんに愛想をつかされて熟年離婚になる可能性もあります。
長年頑張ってきたのに何でこんな目にあわなければならないのか、と憤慨しながら惨めな人生の末路迎えるだけは避けなければなりません。
そのためには定年までに住居地域や会社以外での人間関係を築いたり、起業するための準備をしたり、と定年後の過ごし方を決めて準備をしなければなりません。
今後定年となる世代も選択、決断、行動しなければなりません。
ましてや若い世代は人生100年時代を生き抜くためにライフシフトに書かれているように転職、リカレント(学び直し)、起業などのマルチステージを選択、 行動していかなければなりません。今まで見たいに他人を横目で見ながらマネすることはできません。 自分や家族の事情や気持ちを考えて自分や家族で決断、行動していかなければなりません。
そんな時代に突入したのだから前述した大谷選手や「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」 に応募した小学生のように早い時期から人生設計する訓練をした方がいいのではないでしょうか。
早期の人生設計はその目標の達成率が上がるだけでなく、自分を棚卸して目標設定する手法を学ぶことができます。このことが重要なのです。
人生100年時代を迎えて人生のマルチステージを歩む中で何度も目標設定をしなければならなくなります。その時にスムーズにできることは大きな強みです。
今までそんな訓練をしたことがある人は少ないと思います。ただ、今後は社会的要請が強まり、そんな機会が増えていくのではないでしょうか。
親として子供に早期に人生設計をすることを意識させ、そのやり方を学ばせる機会を提供することは大切です。 それと同時に自分達も学び、行動することが必要です。否が応でも選択、行動させられる時期が来るからです。
こんなことを若い人達に言うと怒られるかもしれませんが、「大変ですが、頑張ってください。ピンチはチャンスです!」と、言いたいです。
長寿や多様性は決して悪いものではないと信じます。

第75章 家庭のリスクマネジメント

リスクマネジメントというと企業のリスクマネジメントを連想し、難しいものだと思われるでしょう。しかし、個人や家庭のリスクマネジメントもあるのです。
リスクマネジメントはライフプランや保険の見直し等より広い範疇について考察するのでFPや保険代理店の方々も取り入れてみると面白いと思います。。
企業のリスクマネジメントは確かに様々なリスクやその企業特有の専門性が必要となるので実行するのは難しいです。しかし、 個人や家庭のリスクマネジメントは取り組む意欲と時間があれば企業のそれと比べればそれ程難しくありません。とは言っても、 個人は自分の都合で取り組めばいいのですが、家庭のリスクマネジメントは家族全員で取り組まなければなりません。
家庭のリスクマネジメントというのは考えたことがないという人がほとんどだと思いますが、知ると意外と重要であり、有効なのです。
参考に簡単な家庭のリスクマネジメントやり方をご披露します。
まず、家庭の目的を決めます。
家庭の目的とは何でしょう、例えば、分かりやすく「家族全員が幸せになる」とします。
次はリスクの洗い出しです。リスクというとマイナスなことだと思われがちですが、「今後起こりうる「不透明なこと」という意味で、プラスのこともあります。
家族の誰かが交通事故に遭う、というのは目的に対してマイナスですが、子供が大谷選手のような一流プロ野球選手になることは目的に対してプラス要素です。
それぞれ目的に対してプラス要素、マイナス要素をリストアップしてみましょう。
それぞれの要素を影響度と発生可能性を何段階でもいいですが、簡単にするため3段階に分けてみましょう。
表の縦軸と横軸に影響度と発生可能性として3段階ずつ、合計9マスにそれぞれの要素を入れていきます。度合の大きい順に1,2,3とします。 この表はリスクマトッリクスと呼びます。
ここでそれぞれの要素をどのマスに入れるかは個人の場合は一人で決めればいいですが、家庭の場合は家族全員で協議しなければなりません。
例えば「夫の浮気」の要素を夫は影響度2、発生可能性1に対して妻は影響度3、発生可能性2とする、というようなことは普通にあると考えられます。
それを協議して認識を一致させなければなりません。子供がいたら子供の意見も聞くべきでしょう。夫にとっては嫌な作業でしょう。しかし、 この過程は非常に大切です。
夫は軽く考えていた自分の浮気を妻は離婚の理由とするほど重く考えているのだということに気づかされます。そして、 認識を改めて浮気の予防策に真剣に取り組もうとします。
この過程が家庭崩壊の可能性を低くするのです。
次にそれぞれの要素の縦横の度合をかけます。例えば影響度と発生可能性の度合が3と3なら9となり最大限になり優先順位が1番上のランクになります。
そうして優先順位の何番目までをリスクマネジメントするかは各家族にお任せします。
そして、次はリスクマネジメントのやり方です。
先程の「夫が浮気する」要素の場合ですと「夫の携帯電話を妻はいつでもチェックできる」や「夫のお金の使った内容をチェックできる」等があるでしょう。
夫も家族との協議で認識を改めたので納得してそれらの対策に応じます。
その後はこの家庭のリスクマネジメントをPDCAで回していきます。
PDCAの過程においても家庭内でコミニュケーション・ギャップの発生を防ぐことができ、「家族全員が幸せになる」という目的達成につながります。
如何でしょうか?
私はこの家庭のリスクマネジメントを行っていれば数々の人生の失敗を防げたかもしれないと感じています。
私みたいに後悔しないように家庭のリスクマネジメントを試してみませんか?
実行するのは家族全員の努力が必要です。しかし、それだからこそ効果は大きいと考えます。

ページ先頭へ

第76章 知って得する金融業界の流れ

今や金融業界の流れは消費者にとって追い風です。これを利用しない手ありません。
第61章でも触れました様に平成29年3月30日に金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則」という顧客ファーストの原則を打ち出して以来 流れは一気にその方向に流れ出しました。
銀行、証券会社、保険会社等の金融機関は顧客本位の業務運営に関する原則の採択、取組方針、取組状況、取組成果等を公表し、 「見える化」するアクションプランを発表し始めています。
ただ、その本気度はばらばらです。それを消費者である顧客が「見える化」された指標で判断し、選択し、金融機関は淘汰されていく、という流れです。
例えばその取り組みが先頭を走っているみずほファイナンシャルグループのホームページにはそれらの取組状況、アクションプログラム、取組成果等が詳細に掲載されています。
「顧客本位の業務運営に関する原則」の採択の対象となる金融事業者は銀行、証券会社、保険会社本体等の大企業だけでなく、 保険代理店や証券仲介業者等の金融事業者全般に及びます。
従業員数万人の金融事業者も従業員数人の金融事業者も同等なのです。また、この原則の取組も大企業だから進んでいるとも有利だとも言えません。
以上の様な金融業界の流れを踏まえて消費者は金融商品を購入したり、金融サービスを受ける場合にはその会社のホームページを見たり、対応する従業員の対応等を見て、 選択しやすくなるでしょう。そのためには消費者もお任せではなく、自分で調査、勉強して選択しなければなりません。
人生100年時代、多様化の時代を迎えて金融業界も各個人の自己責任による選択の権利とともに義務も大きくなってきました。

第77章 顧客の接点となる金融事業者とは

前章で顧客ファーストの流れ金融業界について触れましたが、ここでは実際に顧客に接する金融事業者を考えてみたいと思います。
顧客本位ですから実際に顧客に接する金融事業者の経営理念等が重要になってくるからです。
多くの方々が銀行、証券会社、保険会社等の大手の金融機関の従業員が直接顧客に接するというイメージをお持ちではないでしょうか。 そうではありません。業種によって大きく異なっています。
まずは銀行ですが、銀行業務においては銀行本体の従業員が対応していると言っていいでしょう。 ただ、保険業務や証券業務については保険代理店や金融仲介業者と言った別会社の従業員が窓口になっている場合があります。
次に証券会社ですが、証券会社の支店等ではその証券会社の社員が対応しますが、前記した証券仲介業者は保険代理店等の金融サービス業者です。
保険については生保と損保で違います。原則的に生保はその会社の職員で、損保は保険代理店で、損保会社とは全く別会社の従業員です。 ただ、最近では生保業界では保険ショップ等の代理店販売のシェアが拡大してきました。
前章で述べましたように大小にかかわらず各金融事業者で「顧客本位の業務運営に関する原則」に対する姿勢が違います。
実際に自分に接する金融事業者の所属を確認した上でその事業者について調べてみましょう。

第78章 やり方よりあり方の時代、令和

安倍首相は新元号令和について「一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」との願いを込めたと語った。
それを聞いてまさしく今の時代にマッチした元号だと思いました。
昭和という時代は全体主義的な価値観や目標で第二次大戦に突入し、戦後も高度成長期からバブルが崩壊するまで多くの日本人が経済的に豊かになることを目指していました。
世の中もそれに合わせて正社員の終身雇用や勤務年数による収入アップが機能していました。日本人全体が同じ価値観と目標で疾走した時代ではないでしょうか。 しかし、バブル崩壊後の平成に入るとそのままの調子で走り続けることに行き詰まり感を感じる様になりました。
終身雇用、ベースアップ等の制度が崩壊し、雇用形態も正社員、契約社員、派遣社員と分かれ、待遇に格差が出てきました。 そうすると価値観や目標を共有することができなくなり、日本人各々に迷いが生じてきました。 その上意識しないうちに寿命も大きく伸びたためどのように生きていけばいいのだろうと戸惑いました。
平成は迷いの時代とも言えます。
そして、令和ですが、ようやく多くの日本人が現状を理解し、各々が自分の価値観と目標を自分自身で捜さなければなければならないと自覚するようになりました。
価値観や目標が初めから決まっていた時代はその目標を達成するやり方を見つけ努力すればよかったのですが、今はやり方の前に自分はどのように生きたいか、 生きるかが重要な課題になっています。
その分大変になりましたが、一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる時代を迎えたのではないでしょうか。

第79章 企業もやり方よりあり方の時代、令和

前章で個人としてのやり方よりあり方の時代について述べましたが、企業、法人についても同じことが言えます。
戦後の右肩上がりの時代には日本の企業は迷わず売上拡大という目標に猛進していました。しかし、そんなやり方にはいつかは限界が訪れます。 世の中も成熟し、ニーズも多様化していく中でコンプライアンスが叫ばれ、企業のあり方が問われるようになりました。
ただ単に自分達の利益を追求するだけでは企業の存続は難しくなりました。
社会や顧客に対する貢献や利益還元が求められるようになりました。
金融業界では2017年3月30日に自分達の利益でなく、顧客の利益を最優先させることに取り組む「顧客本位の業務運営に関する原則」が公表されました。
2015年9月には国際連合ニューヨーク本部において国際目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されました。
気候変動や貧困等の17のゴールに分けて、課題解決を目指すものです。
企業がそれらの課題にどのように向かいあっているか、その取組姿勢によって社会から評価され、投資の選択基準となり、売り上げに大きく響くようになります。
まさに企業の持続可能性に大きく影響するのです。
まずは経営理念を従業員全員ですり合わせし、公表することです。企業のあり方を公表するのです。次に行動、PDCAです。
いい加減な理念を公表するとあり方とやり方の食い違いが生じ、周りからすぐに見破られます。
社会に受け入れられるあり方でしか会社は存続できない時代になっています。
令和はそういう時代であることを肝に銘じましょう。

第80章 認知症について

東洋経済で認知症が特集されていました。その中で気になる部分を取り上げてみます。
「80代後半の2人に1人が認知症と推計される。」とあるが、このデータを皆さんはどのように受け止められるでしょうか?
私は案外少ないと感じました。90歳近くなると8割くらいの人が認知症になるのではないかというイメージがあったので 逆に80代後半になっても半分の人が認知症にならなくて済むのだという希望が持てました。
それなら認知症にならない方になるように予防に努力しようという気持ちになりました。それではどんなことに努力すればいいのでしょうか?
薬は認知機能の低下の進行を遅らせるものはあっても根本から治すものはないとあります。薬以外でも根本から治療する方法はない、ということです。
それでは予防はどの段階なら有効かというと「プレクリニカル認知症」の段階だそうです。 これは軽度認知障害のさらに前の段階で症状が出る15年から20年以上前からだということです。
具体的には高血圧や糖尿病など生活習慣病の予防で、40代や50代の中年期に取り組むことが肝要とのことです。
私はすでに手遅れです。しかし、希望を持てる情報もありました。効果が実証されたものは少ないが、有効だと考えられている運動や脳トレ等の非薬物療法です。
単純に体も脳も刺激を与えて鍛えれば強くなるという理屈は納得できます。それを体系的に効果的に行う療法とも言えるのではないでしょうか。
何となくではありますが、日ごろから脳を使っている学者や経営者等の現役の高齢者は認知症になりにくいイメージがあります。
私も遅ればせながらFPの仕事で意識して頭を使い続けていきたいと改心しました。
問題は認知症になる本人だけではなく、その周りの人々です。以前は家族が認知症になったら隠していた人もいました。偏見もありました。
しかし、認知症は高齢化社会になった今はだれでも発症する可能性のある症状です。介護保険制度もでき、社会全体で認知症に対処する時代です。
やさしい目で認知症になった人々を見守りましょう。

第81章 100年以上経って注目される渋沢栄一の理念

2024年に予定されている紙幣改定の1万円札に渋沢栄一の肖像が採用されることになりました。それでマスコミにたびたび渋沢栄一が取り上げられています。
そこでよく紹介されているのが日本資本主義の父と言われる渋沢栄一が掲げていた理念が「道徳経済合一説」だったということです。
「道徳経済合一説」とは渋沢著の『論語と算盤』の中で打ち出されたもので、倫理と利益の両立を説いています。
利益は独占するものではなく、社会に還元するものだと諭しています。
第79章で述べたこれからの企業のあり方と同じ理念です。まさしく令和にマッチした考え方です。
そうしてみると新しい時代の新しい理念だと思えたものは実は100年以上も前に唱えられていたことになります。
新しい理念というよりも日本人が忘れていた思想ということも言えるのかもしれません。
昔の日本人は徳、恥、志等を持って生きていたのにせわしなく発展した経済活動の中でいつの間にか失われたのかもしれません。
日本人の矜持を取り戻す時代が到来したのかもしれません。

第82章 コーチングの達人、小出義雄氏

4月24日に名将、小出義雄氏が亡くなられました。
私はコーチングという言葉が流行っていたころにそれを聞いてすぐに頭に浮かんだのが小出氏だった。
スポーツの指導者と言うと厳しく上からトレーニングを強いるというイメージを持っていた私は斬新な指導で、 尚且つ素晴らしい成果を挙げた小出氏に強烈な印象を受けたのを覚えています。
選手に寄り添い、褒め、共感を得ながら能力を最大限に伸ばすというのは単にスキルが高いというだけではできません。高い人間力が必要とされます。
これこそが決してAIにはできない技です。
人間力に裏付けられたコーチングやコンサルタント、または、仕事がいくらコンピューターが進化しても人間にしかできないことだと確信しています。

第83章 金融庁報告書について

6月3日に公開された「老後に2000万円が不足する」について野党が政争の道具にしようと騒ぎ、マスコミで大きく取り上げられ、 麻生財務相兼金融担当相や菅官房長官が釈明しています。
この報告書は金融庁のホームページで閲覧できますので自分の老後を考える参考になりますので一読されることをお勧めします。
「不安をあおるだけ」と批判され、怒りを感じている方も多いと思われますが、ここはあくまで平均的な話であり、現状はすぐには変えることはできないと考え、 政府の注意喚起ととらえ、冷静に自分自身に置き換えて考えるいい機会だと受け止めるべきだと考えます。
そもそもこの報告書の「はじめに」に国民に本報告書の問題意識を訴え続け、国民間での議論を喚起し、国民の認識がさらに深まっていくことを期待する、 との記述があります。
まずは「老後に2000万円が不足する」という内容についてこの報告書の内容を精査すべきです。
「2000万円不足する」の根拠である「毎月5.5万円不足する」の根拠となるデータの出所は総務省「家計調査」2017年です。
収入は209,198円とあります。その内訳は社会保険給付が191,880円とあり、残りは勤め先収入、事業収入、その他収入とあります。
ニュース等ではよく収入のすべてが年金であるような報道がされていますが、年金としては191,880円です。
ただ、この額は将来的に2割、3割と減額される可能性が高いです。
次に支出ですが、食料や住居費などの内訳が書いてあります。例えば食料は64,444円になっていますが、各家庭によって二人の農家だったら食費はほとんどかからない、 等あるでしょう。逆に住居13,656円とありますが、我が家は賃貸なのでこれでは済まないという家庭もあるでしょう。
「2000万円不足する」というのはあくまで平均値なので上記の様に内訳を自分に具体的に置き換えていくことが大切です。
この報告書は1.現状整理2.基本的な視点及び考え方3.考えられる対応、付属文書1:高齢社会における資産の形成・管理での心構え、 付属文書2:高齢社会における金融サービスのあり方という構成になっています。
「老後に2000万円が不足する」というのは1.現状整理の部分の記載です。その現状に対する考え方、対応、そして、心構えと続くのです。
心構えの部分では収支改善のために田舎への移住なども提案されています。
今後の人生設計をするうえで非常に参考になる教本になっています。この報告書はワーキング・グループの報告書ですが、 そのワーキング・グループのメンバーは著名な学者や実務家ばかりで、内容は素晴らしいものです。
マスコミや国会ではこの報告書の内容とは別事情で騒がれています。
一緒に騒いでも現状は変わりません。それはそれとしてこの報告書を参考に自分の人生の生き方やあり方を真剣に考え、実行に移していくのが賢い選択ではないでしょうか。

第84章 新型ライフプランについて

ライフプランと言えばイコール、マネープランみたいなところがあります。
これは主にファイナンシャルプランナーがライフプランというツールを使い、生命保険等を販売してきたからもしれません。 ファイナンシャルプランナーはお金に関する専門家だからです。それでもあまり問題なかったというのもあるでしょう。
なぜ問題なかったのかというと人生においてお金の悩みが大きい部分を占めていたからです。
しかし、人生100年という人類が経験したことがない時代を迎え、サラリーマンでも一つの会社に定年まで勤めあげ、退職し、老後を過ごし、 死を迎えるというパターン人生ではなくなってきたからです。
定年を迎えてもその後の老後が30年となるとゆっくりと隠居生活とはいきません。暇も持て余すし、お金ももちません。 もう一働きして、お金を稼ぎ、新たな生きがいを見つけなければなりません。
社会は多様化し、未来も見えづらくなっています。
こんな時代のライフプランはお金ではなく、それに優先して自分の生き方を決めなければならなくなりました。
生き方を決めなければそれに付随するお金のプランも決まらないからです。
ライフプランはお金を稼いだり、使ったり、運用したりするやり方ではなく、人生をどのように生きるか、 人生観や考え方等のあり方を優先して作成する時代が始まったと考えます。
今までの参考となる他人の生き方やライフプランに関する資料は世の中にあふれていますが、 最終的には自分自身と真剣に向き合って自分独自のあり方を決めて人生設計しなければなりません。
自分のあり方を決めたらメジャーリーグの大谷選手も使ったマンダラチャートでライフプランを作成するのも有効かもしれません。
我々、ファイナンシャルプランナーもこれからはマネープランだけでなく、顧客に寄り添いオンリーワンのライフプランを提案することを提唱します。

                 2019年6月28日 ビジネス&ライフサポート 田中嘉理

第85章「老後2000万円不足」問題に関する一考察

連日「老後に約2000万円の取り崩しが必要」と一部に記載された金融庁の報告書が「老後2000万円不足」問題として話題を呼んでいます。
ここではこの問題に対して政治家でもない、マスコミ関係者でもない、金融業者でもない、生活者である一国民としての対応を考えてみたいと思います。
それにはまずこの騒動の背景を知っておいた方がいいでしょう。
問題になっている「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」は6月3日に金融庁のホームページで公表されましたが、 その前の5月22日には案として公表されていました。この段階では朝日新聞社1社だけがその内容について取り上げました。 それがヤフートピックスに掲載され多くの人に読まれましたが、一部の人々の話題で留まっていました。
ところが、6月3日に正式に公表になると新聞各紙、テレビ等が「老後2000万円不足」という言葉が一人歩きし、批判の対象となったのです。
正式発表を待って一斉に集中砲火を浴びせかけた感があります。マスコミの論調は一貫して批判的で、野党は参院選前の格好の与党への攻撃材料として飛びつきました。
そもそも10年以上前から毎月公的年金だけでは不足し、そこを出発点にしてライフプランの相談を受けるというのが我々FPの定石です。 雑誌やインターネットでも同じような内容の記事は過去に数え切れないくらいあります。
それが金融庁という政府機関が公表したとたん問題となりました。なにか意図的なものを感じます。
この報告書自体は「2000万円の取り崩しが必要」というほんの一部分だけが取り上げられていますが、 1.現状整理2.基本的な視点及び考え方3.考えられる対応、付属文書1:高齢社会における資産の形成・管理での心構え、 付属文書2:高齢社会における金融サービスのあり方という構成になっていて、「老後に2000万円の取り崩しが必要」という記載は1.現状整理のほんの一部分です。 この報告書ではその現状に対する考え方、対応、そして、心構えと続くのです。
心構えの部分では収支改善のために田舎への移住なども提案されています。
今後の人生設計を考えるうえで非常に参考になる教本になっています。この報告書はワーキング・グループの報告書ですが、 そのワーキング・グループのメンバーは著名な学者や実務家ばかりで、内容は素晴らしいものです。
また、この報告書の主な目的は日本の金融事業者が自分達の利益のためにより高い手数料の投資信託等の金融商品を優先的に顧客に販売して、 国民の資産形成を阻害してきたとして、それを是正する「顧客本位の業務運営に関する原則」を2017年3月30日に公表した流れをさらに加速させることです。 その意図はこの報告書の「はじめに」から読み取れます。
また、本編の44ページでは「顧客本位の業務運営の徹底」の中ではずばり「顧客本位の業務運営に関する原則」というフレーズが出てきます。
それに比較して「老後2000万円」の部分は現状分析のほんの一部分でしかなく、この報告書における重要度はかなり低いと思われます。
マスコミや野党に同調してこの報告書のほんの一部を批判しても現実は何ら変わりません。
我々、生活者は今のこの事態を冷静に受け止め、この報告書を批判するのではなく、教材として学び、対応することが大切ではないでしょうか。
では、どのように対応し、行動すべきなのでしょうか。
まずは「老後に2000万円が不足する」という内容についてこの報告書の内容を精査すべきです。
「2000万円不足する」の根拠である「毎月5.5万円不足する」の根拠となるデータの出所は総務省「家計調査」2017年です。
毎月の収入は209,198円とあります。その内訳は社会保険給付が191,880円とあり、残りは勤め先収入、事業収入、その他収入とあります。
ニュース等ではよく収入のすべてが年金であるような報道がされていますが、年金としては191,880円です。
ただ、この額は将来的に2割、3割と減額される可能性が高いです。
次に支出ですが、食料や住居費などの内訳が書いてあります。例えば食料は64,444円になっていますが、 各家庭によって例えば夫婦二人の農家だったら食費はほとんどかからない、等あるでしょう。逆に住居13,656円とありますが、 我が家は賃貸なのでこれでは済まないという家庭もあるでしょう。
「2000万円不足する」というのはあくまで平均値なので内訳を自分に置き換えて自分はいくら不足するのかを検証することが大切です。
この報告書には様々なマネープランが提案されています。前記しました支出を減らすために田舎への移住の提案等もされています。 これらは長くなった人生を過ごすための資産を長寿化させるやり方です。
このようなマネープランは多くの雑誌などでも紹介されています。
私は一番大切なことはやり方ではなく、自分や家族のあり方、言い換えれば、生き方を決めることだと考えています。
自分の生き方は他人や本などを見て参考にすることはできますが、最終的には自分で決めるしかありません。
どのような人生を送りたいか、老後をどのように暮らしたいか、は自分自身と真剣に向き合って自分で決めるしかないのです。 そのあり方があって、その次にそれを達成するためのやり方があるのです。
やり方ばかりを追っていたら振り回されるだけです。不動の芯となるあり方を自分の中に構築すべきです。
前記の田舎暮らしをすることも支出を減らすだけの目的では毎日の不便な生活が苦痛になり、続かないでしょう。 これはやり方の実行です。あり方の実行とは自分や家族が自然の中でのびのびと暮らしたいという強い気持ちに従い田舎暮らしを始めることです。
しかし、逆に、やり方が実行できなければあり方を全うできません。
やり方からあり方を検証することも必要です。
ここでもう一つ、あり方を模索するのに参考になるデータを紹介しましょう。
それは書籍「東大がつくった高齢社会の教科書」(東京大学出版会)の中のデータです。「年をとると健康状態がどのように変化していくのか」、その実態をとらえた研究成果です。これは、日本の高齢者約6000人を1987年から約30年にわたって追跡して、「加齢に伴う生活の自立度の変化」を明らかにしたものです。
それを明らかにした図表は、完全な「自立」の状態を3点、「手段的日常生活動作」に援助が必要な状態を2点、 「基本的&手段的日常生活動作」に援助が必要な状態を1点と点数付けすると、点数下がるに従い自立度が下がり、生活 において他人の援助が必要な割合が増えていきます。0点は「死亡」を表します。 図表は点数を縦軸、年齢を横軸で表しています。
その図表によると男性では3つのパターンが見られます。約2割(19.0%)の男性は70歳になる前に健康を損ねて死亡するか、重度の介助が必要になってしまいます。 その原因の多くは生活習慣病です。他方、約1割(10.9%)の人は80歳、90歳以上も元気なまま自立を維持できています。 そして大多数の約7割(70.1%)は75歳から徐々に自立度を下げていきます。
一方、女性については、2つのパターンが見られます。早期に自立度を下げてしまうのは約1割(12.1%)で、 約9割(約87.9%)の女性は男性の7割の方と同様に70代半ばから緩やかに自立度を下げていくことが確認されます。
男性は心臓病や脳卒中などの生活習慣病によって介助が必要になってしまう人が比較的多いですが、女性はもっぱら骨や筋力の衰えによる運動機能の低下により、 自立度を下げてしまう人が多い傾向があります。なお、男性に見られる11%の自立度維持パターンが女性には解析結果として表出していませんが、 これは「移動」能力の低下が男性に比べて大きいことが影響しています。女性は男性に比べて総じて骨や筋力が弱いことが原因です。
以上が研究結果です。
参考に研究が始まった1987年当時の65歳における平均余命は男16.12歳、女19.67歳です。
以上の研究結果を見て、社会的には介護体制の充実などの意見があろうかとは思いますが、個人的にはどのように思われましたか?
個人の感想は性別や年齢などによって違ってくると思いますが、60代前半の男性である私としては今後の人生によりリアリティー感を持って覚悟することができました。
私の周りでは親をはじめとして高齢者が実際に介護や死に直面している姿を見ています。 また、FPとして男性の健康寿命は平均して約70歳等のデータや介護実体などの知識はあります。 しかし、周りやマスコミには90歳を迎えてもかくしゃくとした方々がおられるので自分もなんとなく、まだ、大丈夫ではないかと楽観視しているところがありました。 しかし、そのような方々は男性ではほんの1割程度だという実態を突きつけられると自分は恐らく多数派の7割に入るだろうと自覚することができました。 その覚悟で今後のライフプランを再構築しなければならないという覚悟が高まりました。
これが20代や30代の若い方だと受け止め方は違ってくるでしょう。健康寿命を延ばすために男性だったら生活習慣病にならないように生活習慣を変えたり、 予防に努めたりするかもしれませんし、女性だったらスポーツジムに通って骨や筋力を鍛えるかもしれません。
前記の研究結果はあり方を決定する際には非常に参考になります。自分のあり方を実行しようにも寝たきりになってはできません。
どうしても自分や家族の健康状態を予想しながらあり方を決めるしかないのです。
人類は人生100年というかつて経験したことのない時代を経験しようとしています。 当然誰も経験していないので人生100年時代のライフスタイルを教えることはできません。模索していくしかないのです。そんな中でこの研究結果は非常に貴重なデータです。
マネープランは単に介護費用や生活費を備えるやり方です。しかし、上記の研究結果によって人は避けられない限界を知り、人生100年時代を生きるための覚悟、哲学、 生き方を学ぶことができます。あり方を実行するロードマップを知ることができます。
ところで、あり方とやり方は一致するとは限りません。 例えばあり方に従って健康寿命を延ばすためにスポーツジムに通う費用はやり方であるマネープランでは貯蓄に充てるべきということになるかもしれません。 そういう時はあり方を優先すべきだと私は考えます。あり方のためのやり方だからです。
我々、生活者としての国民は「老後2000万円不足」問題で世間が騒いでいる状況を冷静に客観的に受け止め、 自分の「あり方」捜しの絶好のチャンスととらえるべきではないでしょうか。
「東大がつくった高齢社会の教科書」ではこの「あり方」を確立し、実行していく個人の力を「人生設計力」と呼んでいます。
今後皆様がオンリーワンの素晴らしい人生を歩まれることを祈念致します。

第86章 知っておきたい超高齢化を支える社会資源

福岡市西区に住み始めて6年目になりますが、毎年西区の団体が開催する「超高齢化を支えるサッミト」というイベントに初めて参加しました。
2週連続で開催され、主催する団体が違うためか、1週目は表題が「超高齢化を支える西区サミット」、2週目は「超高齢化を支えるわがまちサミット」となっていました。
この様なイベントが行われている、毎年開催されていることは全く知らず、公民館だよりを見て、無料で予約の必要もないので参加してみようかな、と思い、 ふらっと参加したものです。
広い市民センターで500人まで参加可能なのですが、100人くらいの参加者でした。
平日の昼間で、表題も超高齢化に関することなので高齢者ばかりなのは仕方ありませんが、もう少し参加者がいてもいいのではないか、と思いました。
1週目の「超高齢化を支える西区サミット」では九州大学の教授の地域包括ケアシステムの実態についての講演があり、その後はその実践報告がありました。
実践報告は西区の実際に生活支援、健康づくり・介護予防に取り組んでいるコミュニティの方々の生の報告でした。
近くで超高齢化社会に対して取り組んでいることを知って超高齢化社会の現実感が高まりました。
2週目の「超高齢化を支えるわがまちサミット」は副題に「認知症・在宅医療について知ろう」となっており、福岡市や西区の超高齢化の実態や社会資源の説明がありました。
始めに「徘徊 マリリン87歳の夏」という77分の映画が上映されました。長時間の映画でしたが、退屈することなく面白く見ることができました。 徘徊介護する人が明るく、ユーモアのある、しかし強い関西人であることがその理由だと感じました。 ただ、その境地に至るには苦しい長い道のりがあったことも語られていたドキュメンタリー映画でした。
その後、福岡市や西区の在宅医療を支える医療体制や介護施設等の紹介及び説明がありました。
全国どこにでもある地域包括支援センターは西区だけで8ヶ所もあります。 全国各地に歩いていけるくらいの場所にありますので介護のことで困ったらまずはこの地域包括支援センターに相談に行きましょう。 とにかく一人で抱え込まないことです。その場所はインターネットで調べることができますが、 分からない時は市役所や区役所の福祉関連の部署に行けば相談に乗ってくれるはずです。
私は商売柄、介護や福祉についての知識としてはある程度持っています。しかし、超高齢化社会が急速に進んだために、 そんな時代を迎えている意識が追い付いていないことに上記のイベントに参加することで気付かされました。 また、我々は行政に批判的な目を向けがちですが、意外と頑張っていて、介護に対する社会資源が充実してことにも気付かされました。
繰り返し言いますが、介護については一人で抱え込んで、今、毎年介護のために10万人が会社を辞めて社会問題になっている介護離職等をしないように、とにかく、 介護のことで困ったら地域包括支援センターや役所に相談することを忘れないでください。

第87章 火災保険の見直し

大手損害保険会社4社が10月から火災保険の保険料を全国平均で5%~10%引き上げます。
台風等自然災害による保険金の支払いが増えており、昨年、損保各社で構成している損害保険料率算出機構が保険料算定の目安となる 参考純率を平均で5.5%引き上げたことを受けての引上げです。ただ、純率引き上げの根拠となる災害のデータは2016年度末までのものです。 昨年の2018年は、中国・四国地方を中心とした7月豪雨や9月の台風21号、台風24号によって損保各社が過去最高の計1.6兆円の保険金の支払いが待っています。 さらなる値上げの覚悟が必要です。
2015年9月末までは住宅火災保険は最長36年の長期契約を結ぶことができましたが、その後は10年間が最長になりました。 前述の損害保険料率算出機構は「地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増している」という IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の研究成果が一因であると言っています。
現在の異常気候による災害の状況を見ると火災保険は今後上がることはあっても下がることはないのではと思えます。 そうするとお金に余裕がある方は火災保険の保険料値上げ前に今の料率で最長の10年契約しておいた方が得になります。 そのような案内が火災保険の契約先から今後皆様のところに届くでしょうか?
金融庁は保険募集人に十分な商品説明とニーズ確認をするように指導しています。果たしてそれがなされているでしょうか? 火災保険に関しては今回の長期契約への切り替えだけではありません。
保険金額が家を新築した時の新築価格のままで数十年変わっていないということはありませんか?新築価格を補償することは変わってなくても新築価格は変わっています。 最近の人出不足や資材の値上がりからかなり上がっている可能性があります。
マンションの高層階に住んでいるのに水災の補償が付いていませんか?水災の場合には30%以上の損害や床上浸水の場合にのみ補償できるとなっていることが多いです。 そんな水害がマンションの高層階で発生しますか?水災補償を外すことが可能な火災保険は多いです。
臨時費用という上乗額を損害保険金の10%にするか20%にするか30%にするかで保険料が違ってきます。
社会問題になっています自転車事故による高額賠償金について火災保険や自動車保険にはこのような事故の補償ができる個人賠償責任保険特約をわずかな保険料で 付けられます。
以上の様な説明を契約時や更改時に受けたことがありますか?
更改時に「前年と同じ条件で更改します」と、さらっと簡単に済まされている様でしたら契約先を替えた方がいいかもしれません。
とりあえずは自分で証券の内容を確認し、疑問点を事前に電話連絡しておいた方がいいでしょう。 その場でいろいろと質問しても対応できなくてごまかされる可能性があります。
保険の見直しというと生命保険ばかり目が行きがちですが、長期に加入し、高額補償である火災保険や自動車保険の見直しも重要です。

第88章 ジェロントロジーのすすめ

ジェロントロジーをご存じですか?老人学や加齢学などと訳されています。
人間の老化現象を生物学、医学、社会科学、心理学などの多面的、総合的に研究する学問です。
超高齢化社会を迎え、クローズアップされている学問です。
人類が初めて経験する人生100年時代に社会が、または個人がどのように対応していくべきかを研究する学問と言ってもいいでしょう。
そういう意味では今までなじみがなかったのですが、今後は非常に重要な学問になるでしょう。
私もそう考え、ジェロントロジーの最先端を走る東京大学高齢社会総合研究機構の監修や著書の本を数冊取り寄せて勉強中です。
まだ勉強を始めて間もないですが、この学問は学者などだけでなく、普通の人も学んでもらいたいと感じています。
第84章と第85章で記述しているように、これからは自分の人生は自分自身で決めなければなりません。85章で述べたように「人生設計力」が問われるのです。 しかも選択肢はたくさんあります。1つしか選べない生き方に多くの選択肢があるので迷ってしまいます。だからと言って後で後悔したくはないですよね。
そんな中でジェロントロジーは決断するのに必要な多くの情報を提供してくれます。
前述しました様に多面的、総合的に研究する学問ですので健康、住まい、たのしみ、仕事等について様々な具体的で有効な情報を得ることができます。
老人よりも、かえって、若い人が学ぶべきだと思います。若い時だとこれからどんな食事や運動をすれば健康で長生きできるかなどを学び、実践できるからです。
皆さんも是非一度ジェロントロジーの本を手に取って読まれることをお勧めします。
私がまずは1冊と言われてお勧めするのは、前述した東京大学高齢社会総合研究機構監修の幻冬舎発行の「東大が考える100歳までの人生設計」です。
かなり大きな書店でも置いていないのでアマゾンなどで購入してください。
私もFPとしてジェロントロジーを学んで、また、第84章に記述したマンダラチャート等も駆使して、単にマネープランだけでなく、 生き方も加えたライフプランの設計に精進していきたいと考えています。

第89章 年金の財政検証結果について

8月27日に年金の2019年財政検証の結果が公表されました。公表時期については参議院選に絡んで物議を醸していました。 また、老後2000年問題に続いていることから公表前から何かと話題になっていました。当然、内容については注目を浴び、すぐに多くのニュースに取り上げられています。
生産性や物価上昇率、経済成長率の条件によって6つのケースで分析されています。好条件上位の3ケースでは30年後も所得代替率50%以上を堅持できるという分析ですが、 各マスコミの多くは厳しいという見解です。たとえそれらが達成できたとしても現在の所得代替率よりは2割落ちることになります。また、 このモデルケースは夫がサラリーマンで妻が専業主婦です。
この検証結果を受けて我々個人がすることはまずは現制度下での自分の条件でのキャシュフロー表による分析でしょう。 検証結果を加味して年金定期便により年金額を記載する場合は30年後には逓減的に現在の受給見込額より2割減る額を記載することがポイントです。
次に現制度が変わることも考えておかなければなりません。そこで財政検証で注目すべきはオプション試算です。
これらは政府が考えている年金制度改革案だととらえるべきでしょう。
オプション試算Aは被用者保険の企業規模要件や賃金要件の適用拡大によって年金収入を増やそうという案です。オプションBは年金の保険料拠出期間を延長し、 受給開始時期の選択肢を拡大して一部の支給時期を繰り下げるという案です。
どちらの案も年金収入を増やす案ですが、A案は収入とともに支出も増えるし、 B案も繰り下げればそれだけ支給額が増えるので単に年金制度の破たん時期を先送りするだけで根本的な解決にはなっていません。
これらの案は国民の反発が大きいのでデメリットともにメリットもある案になっているのではないでしょうか?
本音は現在の65歳である支給年齢を支給条件は同じで68歳や70歳に上げるという国民の痛みを伴う現実的な案ではないでしょうか。
10年以上先に65歳になられる方は支給年齢が上がることを覚悟してライフプランを考えた方がいいように思えます。
以上は年金の財政検証の結果を閲覧して私がとりあえず感じたことです。
参考にしていただければ幸いです。

第90章 災害に備える保険内容の確認のすすめ

異常気象による災害が増えています。特に水害による災害が目立ちます。
もちろん災害前の防災や災害時の行動確認は重要ですが、災害後の再起するための準備も重要です。
マスコミでは防災や災害時の準備の報道は多いですが、災害後の再起についての報道は少ないように思えます。
その災害後の再起に大きな役割を果たすのがそれら災害を補償する保険です。マスコミをはじめとして防災などと比べて保険に対する意識が低いように感じます。
地震、風災、水災などの災害は火災保険で補償します。その中で頻発している水害の補償内容は各社によって違いがあります。
まず水災の補償基準は「再調達価格の30%以上」か「床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水」の損害や「再調達価格の30%以上」のみや 「床上浸水」のみ等各社微妙に違いがあり、また、この補償基準は他の火災や風災などの災害とは全く違いますので注意が必要です。
また、保険金支払い基準についても同じ会社でも商品タイプによって損害額の100%補償されたり、損害程度によって一部しか補償されなかったり、 会社によってはどんな場合でも損害額の一部しか補償しない場合もあります。
それでまずしなければならないのは水災の場合の補償内容の確認です。火災保険証券やしおりなどを取り出して建物と家財のどちらも補償対象なのか、 水災は補償の対象になっているのか、補償基準や保険金支払い基準はどうなっているのか、等をしっかりと確認しましょう。
それらの資料がなければ保険代理店や保険会社やインターネットなどを使って資料の補足をしておくべきです。
それが済んだら、次は現在の補償内容でいいのかという検討です。まず、水災が補償されていなければ補償されるように水災を追加するか、また、 補償されているとしても一部しか補償されていなければもっと補償されている商品に切り替えるか、等の検討です。
そんなときに役に立つのが「日本損害保険協会」のホームページです。
「日本損害保険協会」⇒「会員各社に関する情報」⇒「各社の商品について」⇒「住まいの保険」でインターネットにて検索すると 各社の火災保険の商品内容が掲載されています。それで各社の商品内容を比較検討できます。
自動車保険や傷害保険、医療保険等も掲載されていますので、それらの商品の比較検討にも利用できます。
是非とも防災などと合わせて災害に対する保険の補償内容を確認、検討しておきましょう。

ページ先頭へ

第91章 ホームページ活用のすすめ

前章の第90章で日本損害保険協会のホームページを少し紹介しましたが、このホームページには他にも役立つ情報が多く掲載されています。
例えば「日本損害保険協会」⇒「お知らせ・統計・刊行物」⇒「刊行物・報告書」⇒「防災・防犯・交通安全」と検索を進めていけば 防災・減災や交通安全に関する多くの冊子やリーフレットをダウンロードできます。自治会の活動などに大いに役立ちます。
日本FP協会のホームページではAIを使ったライフプラン診断、家計を見える化や診断するキャシュフロー表や収支確認表などのツールのダウンロードや 「災害に備えるくらしとお金の安心ブック」という災害に備える方法を記載した小冊子のダウンロードなどができます。 また、お金やライフプランに関する情報を得られるホームページにリンクしています。前述した日本損害保険協会や老後やすまいといった項目ごとに暮らしに役立つ お金の情報が掲載されている金融広報委員会の「知るぽると」などのホームページです。
金融庁や厚生労働省のホームページには話題になった老後2000万円不足問題になった報告書や年金の財政検証結果が掲載されています。
特におすすめするのは自分が住んでいる地元の市町村のホームページの閲覧です。それは暮らしに直結する情報が網羅されているからです。 介護や教育など困ったときの様々な相談窓口が紹介されています。困ったことや相談したいことがあったらまずは地元行政のホームページを開きましょう。 多くの専門家による無料相談なども受け付けています。役所のホームページを開くことから未来が開けることも多いかもしれません。
SNSと言えば何となくインスタ、ユーチューブ、プログなどを見ている人が多いのではないでしょうか。それに対して目的を持ってホームページを見ている人は少ないでしょう。
様々な情報を集めるためにホームページを閲覧することは楽しいだけでなく、多くの役立つ知識が得られます。
インスタだけでなくホームページを見ることを習慣にするだけで人生が豊かになるように思えます。

第92章 ファンダメンタルズ(基礎的な条件)とパラダイム(考え方、認識)

ファンダメンタルズとは基礎的な条件という意味で、パラダイムは考え方や認識という意味です。
ファンダメンタルズは通常経済用語で使われますが、ここでは社会や自然の基礎的な条件という意味で使わせていただきます。
最近感じるのはファンダメンタルズの変化が早くてパラダイムが追いついていけない、ということです。
年齢によるものかな?と、考えました。しかし、今ではそれだけではないと思っています。
今年の台風15号や19号の被害がニュースでは「想定外」や「観測史上初めて」という言葉が多く使われています。
異常気象であるというはっきりとした科学的根拠はないというものの異常気象としか思えないことばかり起こっています。
根本的な地球環境が急激に変化しているとしか思えません。
これは前述した、ファンダメンタルズの変化が早くてパラダイムが追いついていけない、という事例の一つです。
次にそのように感じるのが高齢化の速度です。
わずか60年の間に日本では平均寿命が20年近く延びました。
65歳以上の占める割合である高齢化率は昭和30年5.3%であったものが平成29年には27.7%になりました。
データでは分かっていても、そう言われれば街中を歩く人々の光景が昔は子供や青年が多かったが、今では年寄りばかり見る様になったな、 と最近になってやっと感じる様になりました。
それ程ファンダメンタルズとパラダイムの間にはギャップがあるのです。
このギャップを埋める速度には個人差があるでしょう。やはり、若い人の方が速いのかもしれません。 ただ、老若男女問わずだれもがこの速度を上げる努力を意識的にしなければならないのではないでしょうか。 そうしないと個人的にも、社会的にも結果的に手遅れになることが増えてくるような危機感があります。
前述の努力とは、まずは何事対しても積極的に現状把握するための情報を取得することであり、次にその変化を恐れず受け入れる勇気を意識的に持つことのように思えます。
これからはファンダメンタルズの急激な変化に対する適応力がますます必要とされる時代になってくるのではないでしょうか。

第93章 高齢者は災害保険必須

朝のワイドショーで台風19号の水害に遭われた高齢者の方が「年寄りは災害保険に加入しておくべきだ」と言われていました。
火災保険には加入していたが、水害は不担保(補償しない)という契約内容だったとのことです。
それで被害にあった数日後には保険会社の人に見直すための打ち合わせをする約束をしていた、と言われて、悔やんでおられました。
「年寄りは今更ローンを組むわけにはいかない。災害保険には加入しておくべきだ!」と力説されていました。
台風15号の水災被害ではニュースで高齢の旅館経営者の方が「再起はできないので廃業するしかない」と話しておられました。
BCPとは事業継続計画のことで大きな災害や事故起こるたびに脚光を浴び、取り組む企業が増えました。大企業の半数以上がBCPを準備中か、持っているとのことです。
大企業はお金をかけてBCPに取り組むことができますが、前述の高齢の旅館経営者の方などの零細企業の経営者はそんなことはできません。 特に高齢者の方は新たな出費をして再起すというのは難しいです。
そんな方々はやはり個人も企業も保険に頼るしかないのではないでしょうか。しかし、零細企業の経営者の方々の多くはどんな保険に加入しておけばいいのか分からないし、 世間では個人の火災保険に比べると対象者が少なく関心が薄いので日頃あまり意識しないのではないでしょうか。
ただ、前述のようなニュースを見ると高齢の経営者の方がかわいそうで、 保険に加入していたら廃業しないで済んだかもしれないと思うと災害に備える企業保険をもっと普及させるべきだと思わされます。
中小企業を対象とした保険は特別な保険ではなく、普通の火災保険を販売している代理店を通して加入できます。 ただ、扱いが少ないために苦手意識のある代理店が多いのは事実ですからスキルの高い専業代理店に相談した方がいいでしょう。
この中小企業を対象とした保険の特徴は建物等のハード面だけでなく、営業利益や人件費などの固定費、営業継続費用等のソフト面の補償もするところです。
この保険を付けていれば高齢の経営者でも再起できる可能性はかなり大きくなります。

第94章 人生100年時代、そして、ペットは20年時代、時代を反映するペット保険誕生!

ペット保険最大手のアニコム損保は9月に日本で初めて8歳以上の犬、猫が新規加入できるペット保険を発売しました。
8歳というと人間でいうと50代でシニア期とのことです。実際に飼われている犬、猫の半数がこの年齢以上とのことです。また、 平成30年の一般社団法人ペットフード協会の調査では犬の平均寿命は14.29歳、猫で15.32歳であり、20年近く生きる犬や猫も珍しくないとのことです。
ペット界も人間界と同様に高齢化社会になったみたいです。
人生100年、ペットは20年時代の到来です。
私も動物好きで犬や猫を飼った経験があります。昭和30年代から40年代のそのころでは犬は庭で犬小屋に鎖でつなぎ、どんなに寒かろうが、床に上には上げませんでした。 エサは人間の残飯で、ペットフードの存在すら知りませんでした。
散歩という概念はなく、鎖を外して放し飼いにしていました。
病院に連れていくことは一切なく、動物病院の存在すら知りませんでした。
それでもかわいがっているつもりでした。
一部のお金持ちのことは分かりませんが、当時のペットに対する待遇はそんなものじゃなかったでしょうか。
今は冷暖房完備の室内で飼育され、散歩は飼い主であるSPが付き、外出の際にはホテルに泊まる。
病気の際には動物病院で人間並みの治療を受け、死んだら葬式後に墓に埋葬される。
昔と今では奴隷と王様ほどの生活水準の差があり、それが寿命に反映しているのでしょう。
しかし、人間同様に介護や認知症の問題が発生しています。
ペットの医療費や老後の費用が大きな家計の負担になる時代です。
今回発売された日本初のペット保険はペットを飼育している方々にとっては朗報と考え、話題にしてみました。
保険の募集人の方々にとっては新規開拓の大きな武器になりうるのではないでしょうか。

第95章 脱保険時代を迎えた保険業界の新しい保険商品の選び方

保険会社は従来の補償以外のサービスを販売し始めました。その理由一つは少子高齢化で人口が減り、保険販売全体のパイが減り続ける中で一人当たりの単価を上げるためです。 一方では社会貢献という崇高な理念に基づくものでもあると信じたいところです。
この傾向を消費者として企業の儲け主義と批判的にとらえて拒絶するのではなく、乗っかることが賢いように思えます。
この傾向にあるのは損害保険会社、生命保険会社それぞれの資金力のある大手です。
まず、損害保険会社では事故防止と自然災害リスク軽減です。
具体的には自動車保険のサービスでは指定のドライブレコーダーを装着することによって車線を逸脱したり、前方衝突の危険がある場合にアラートを発します。 今、特に問題となっている高速道路逆走した場合にアラートを発するものも出ました。
運転診断をしてその結果を評価、点数化してレポートにして提供してもらえます。事故した時にその衝撃を検知して自動的にコールセンターに通知します。 そして、すぐに専任のオペレータからドライブレコーダーを通じて安否確認及び様々なサポートをしてくれます。
高齢者の方が遠方に住んでいる息子等を指定すると指定された人に見守りレポートや事故時の安否確認情報等が提供されます。
12月1日には施行された改正道路交通法によって厳罰化されたスマホのながら運転に対応して運転時にスマホをロックするアプリをSONPOホールディングスが開発しました。
次に生命保険では予防と健康増進です。実年齢ではなく健康年齢で保険料が決まる、半年ごとの平均歩数によって2年後キャッシュバックされる、 テレビのCMでよく見られる健康診断を提出することによって保険料が割り引かれる保険等です。
これらの商品は運動や食事によって健康になろうという動機付けになります。さらにこの効果を高めたのが住友生命のバイタリティーです。
歩数や運動、健康診断の受診状況等の多くの項目をポイント化し、それらに応じて割引や特典が与えられます。
認知症はかかってから治す薬や治療はありません。予防は若い頃からの生活習慣病にならないように運動したり食事に気を付けたりするしかないと言われています。
寿命が伸びた方が幸せかどうかは分かりませんが、 寿命と健康年齢の差を縮めた方がほとんどの人が幸せなのは事実なのでこれらの健康増進型の生命保険に乗っかって若い頃から病気予防活動を積極的に行うことはお勧めします。
以上の様な補償以外の付加価値を付けた保険が発売される一方で従来通りの補償に特化した商品も販売されています。
消費者としては選択肢が増えたという前向き捉え方をするべきだと考えます。
これらのサービスによって悲しい事故が減ったり、周りの家族が幸せになる可能性が高まり、社会貢献になることは素直に認めるべきでしょう。

第96章 老後の仕事についての一考察

2019年5月に高年齢者雇用安定法改正案の骨格が発表され、70歳定年の導入が検討されています。
この案は単に定年延長や再雇用だけでなく他企業への再就職支援や起業支援も含まれています。
70歳定年には超高齢化社会での必要性などの議論は別にして、個人的には賛否が分かれるのではないでしょうか。
70歳まで働けるとしてどのように働くかが個人的な大きな課題ではないでしょうか。
リンダ・グラットンとアンドリュー・スコット著の「LIFE SHIFT」では人生100年時代に長く働くには今までの3ステージではなくマルチステージでの働き方 が求められるとしています。
運よく70歳まで定年延長になったとしてそのまま漫然と働けるのでしょうか?
大和証券グループは営業職を対象として定年を撤廃しました。しかも、週5日のフルタイム勤務で給与体系は一般社員と同じということです。 一年ごとの更新で健康診断や人間ドッグで健康状態を確認し、本人の意志も確認するとのことです。
これだけ聞くと羨ましい好待遇と思える方も多いかもしれませんが、私にはそうは思えません。
証券会社の営業の過酷さの印象が強いからです。
私が就職するころは証券会社の営業マンは大量採用され、大量に早期に会社を辞めていました。 大学の先輩にも某大手証券会社に入社して数年足らずで廃人のようになって辞めた人を知っています。
証券会社の労働環境が今では大きく変化したのかもしれませんが、 私の個人的な感覚ですと証券会社の営業職を老後も続ければ会社は定年にならないにしてもこの世から強制退職させられるという懸念があります。
単に制度として70歳定年や定年がなくなるにしても多くは漫然と働き続けることはできないと考えています。
リカレント教育を受け、スキルアップして強健な精神と体力を保ち続けながら働き続ける能力が求められると思います。 たとえ、それができたとしてもその人にとって幸せでしょうか?
若い時ならまだしも、老後になってまで過酷な仕事を続けることは苦痛にはならないでしょうか。
老後の仕事はやりがいや喜びを感じるものではならないと考えています。
老後は苦痛を感じてでも将来のスキルや資産を築く先行投資の時期ではないでしょう。
経済的な理由で老後も嫌な仕事をすることは避けたいものです。
そのためには老後の仕事は自発的に選べるように事前の準備が必要です。
好きな仕事ができる様にそれまでに老後のための資産形成が必要です。
やりたい仕事を捜す自分の棚卸作業が必要です。
その仕事をするためのスキルを学ぶリカレント教育や資格取得が必要です。
仕事をするための人脈も必要です。
漫然と、受動的に老後の仕事を選ぶと人生最後に大きな悔いを残すことになってしまいかねません。
若いときは長い人生だからやり直しがきく、と出直すことができますが、老後の仕事はやり直すことが非常に困難です。
老後の仕事は準備をして大切に選びましょう。

第97章 地域防犯の重要性

今年度になって町内の防犯部長を務めさせてもらっています。
分からないままに地域防犯に携わっている方々や警察関係者の方々と一緒に活動し、 会議などで地域の犯罪に関する情報を得ることができて地域防犯の重要性を感じることができる様になりました。
おかげで防犯部長になって今まではたいしたことはしていませんが、これからは防犯に関して地域に貢献したいという気持ちが芽生えてきました。
年末の会議で性犯罪によって小学生が傷ついている中で安心して正月を迎えられるように今年中に犯人を検挙したいという気持ちで努力した結果、 実際逮捕することができたと熱く語る警察官を見て感動しました。また、犯人の詳細を聞いて犯罪を身近に感じました。
今までも回覧板などで地域の犯罪件数等の情報は知っていましたが、数字を一瞥するだけでは身近で起こっていることは分かっていても何も感じませんでした。
防犯活動をして、地域での具体的な防犯活動を知って初めて危機感を感じ、防犯の重要性を実感することができました。
防犯に関して保険会社に勤務していた経験を活かせないか、また、防犯だけでなく防災にも経験やスキルを役立たせられないか、等を考える様になりました。
防犯活動をしてみると照明の明るさや防犯カメラの位置などの細かい点にも関心が向くようになりました。
毎日テレビのニュースでは子供や女性が犠牲になった事件が報道されますが、 地域での犯罪に対する関心度が高まるほどそれらの事件を未然に防げる可能性が増すという確信が私の中で生まれました。
この確信によって防犯活動を行っている人も多いのではないかと推測します。
今頃気付くのは遅いですが、それでも気付けて良かったと思っています。
皆様、特に損害保険に携わる方々は仕事にも関連することが多いので地域の防犯活動に積極的に取り組みましょう。

第98章 キャシュレスで気を付けること

消費税を上げる際にキャシュレス・還元事業を導入する等して国はキャシュレス化を推進しています。
世界の潮流もキャシュレスを強力に推し進めています。
キャシュレスには多くのメリットあるのでこの流れにあえて逆らう必要はないですが、また、デメリットがあることも忘れてはいけません。
セキュリティ等の社会的、技術的な問題は別にして個人として最も気を付けなければならないのは家計の管理です。
キャシュレスはお金を使う痛みや抵抗感を無くします。
現金は自分が持っているお金を渡すことによって商品やサービスを得ることができます。ギブアンドテイクの実感があります。
キャシュレスは簡単な操作をするだけで相手には何も現物を渡しません。そのためついつい使いすぎてしまう傾向にあります。 また、そんな行為にセレブ感を感じ浪費する人もいるのではないでしょうか。それを防ぐために自分にお金を使ったという認識をさえる必要があります。
この使い過ぎを防ぐために上限を設定すること等もできますが、他力本願ではだめです。自分自身に自覚させることが重要です。 それには毎月の家計の収支を把握する必要があります。
きっちりと家計簿をつけるのが理想ですが、それでは続かないかもしれません。また、 家計簿を作成することが目的化して、肝心の家計の把握がおろそかになる可能性もあります。 現金のみでしたらレシートを貯めておいて時間のあるときにノートに走り書きして状況を把握すればいいでしょう。 しかし、キャシュレスは支払いが後払いなのでどうやって管理していいか分からず、面倒くさくて今まで家計簿をつけていた人も止めてしまう人もいるかもしれません。 ここが我慢のしどころです。各自が自分に合った家計の管理方法を確立しなければなりません。
一つの方法はキャシュレスを使いこなせるならそこでとどまらず、さらに進んで家計簿ソフトを使いこなすことです。 キャシュレスのデータと連携させれば自動的に家計簿に記帳してくれます。
中途半端に家計簿ソフトを利用すると記帳漏れが生じてかえって混乱します。自信がない人はやはりアナログな手法でお金の管理をしましょう。
キャシュレスについては一時払いや前払いで利息や手数料が付かないものは使用したその日に現金として記入し、 利息、手数料のあるものは振替日が分かっているでしょうからその日に記入する等、自分がやりやすい統一したルールで管理することです。
以上のことは非常に大切です。今後ますますキャシュレス支払いが増え、家計の管理をしていないと家計の破綻、望むライフプランの崩壊という人生全体に影響していきます。
特典も多くキャシュレス使うメリットも大きいです。
キャシュレスを賢く使いこなし、人生をより豊かなものにしましょう。

第99章 これから身の回りで起こること

ベストセラーになった河合雅司の未来の年表の第2弾である「未来の年表2」を読みました。
本書の「はじめに」に書かれているようにこの本は読者の要望に応えて「あなたの身近なところで起こる変化を、 より具体的にイメージするための手助けをしようと思う」という主旨を納得させる内容になっています。
少子高齢化がさらに進む近未来において身近で何が起こるかを予想しており、 「デパートの売り場が大混乱」「投票ができず民主主義が崩壊」等の一般人では予想しがたい身近で起こる具体的な現象が書かれており、その洞察力に驚かされました。
世の中に氾濫している未来予想とは一線を画しており、よりよいライフプランに気付かされ、修正することができます。
このことは非常に大きな意味があります。現状で将来を予想しライフプランを設計したら、数十年後にはこんなはずではなかった、 と後悔するリスクを減らすことができます。
人類は、特に日本人は人生100年という未曽有の時代を迎えようとしています。誰も経験したことのない未来をどのように生き抜くかは手探り状態です。
筆者は最後にそんな未来に対して国に頼らず個人、企業、地域にできる8つのメニューも提唱しています。
現在の人々がこれから人生100年のモデルケースをつくっていかなければなりません。
自分達のためだけではなく子孫のためにも責任重大なのです。
それには、「東大がつくった高齢社会の教科書」では自分の「あり方」を確立し、実行していく個人の力を「人生設計力」と呼んでいますが、 この「人生設計力」をできるだけ早く身に付け、自主的に自分のライフプランを設計し、実行していくことです。
そのことを自覚してよりよい人生を模索しましょう。

第100章 人生100年時代のライフプラン

このコーナーは100章を迎え、ここで「人生100年時代のライフプラン」として一旦総括してみたいと思います。
人生100年時代という人類がかつて経験したことのない時代を迎えようとしています。しかも、日本では少子高齢化というこれまた未曾有の時代を迎え、 さらにこの傾向は今後すすんでいきます。また、IT化も進み、将来の不透明さがますます増しています。
そんな中で人の人生も多様化せざるを得ず、ライフプランを描くことは難しくなってきています。
先人のモデルケースを踏襲することができなくなった今、ライフプランを描くのに重要なのは自分自身の「あり方」を見つけて、自主的に独自のライフプランを探ることです。
日本は国も個人も戦後経済的に豊かになることを目的に横並びに一丸となった時代がありました。終身雇用、ベースアップ、定年という制度の中で猛烈に働き家庭を持ち、 国は経済成長を続け、国民も横並びに同じ目標に向かっていました。そんな時代は何も考えずひたすら働いていれば人生は何とかなりました。 しかし、そんな右肩上がりの時代は続くはずもなく、経済は停滞し、それに伴い終身雇用という制度も維持できなくなり、従業員の立場も正社員だけでなく派遣社員、契約社員、 パート等の様々な待遇に分かれました。また、少子高齢化が進み、年金だけでは暮らしていけなくなりました。各自が工夫しなければ人生を全うできない時代が到来し、 各自の生活スタイルも多様化しています。
そんな中で横並びの人生ではなく、自分独自の人生を見つけるしかない時代になったのです。
ライフプランも以前は金銭的な管理、運用というやり方だけを設計すればよかったのですが、 今は「やり方」より自分の「あり方」を確立することが優先する時代なったことを認識すべきです。 そして、我々ファイナンシャルプランナーも単にテクニックではなく、生き方をコーチングすることを自覚すべきだと考えています。 その分責任も重くなり、高いスキルが求められるでしょう。
金融業界では「顧客本位の事業運営に関する原則」が求められていますが、金融庁の管轄外ではありますが、FPも該当すると考えています。
FPの相談を依頼する側も「お任せ」で答えを期待するのではなく、最後は自分で意志決定する必要があります。 反対に答えを出し、押し付けてくる相手には用心すべきです。それは自分の利益となるものを選択させようという意図があるからです。
相談するのはあくまでも参考となる情報を得ることが目的で意志決定や責任は自分がとる心構えが必要です。
自分のライフプランを確立させるために自主的に情報を得て、自主的に決めて、自分で責任を取る覚悟が求められる時代なのです。
過去の時代を生きた人間より自発的に学び、行動しなければなりません。
そんな時代が到来したことを認識し、ライフプランを設計し、実行していくことを強く推奨します。

第101章 お金の使い方

まずは「定年後」がベストセラーとなった楠木新氏の著書「定年後のお金」の一部を抜粋した次の文章を読んでください。
『お金の貯め方・増やし方の議論はたくさんあるが、お金の使い方の話はあまり論じられていない。使い方は各人の個別性が強く、一般化しにくいからだろう。 また金融機関やFP(ファイナンシャル・プランナー)の人たちも、貯め方・増やし方は、自らの成績を高めたり、収入を増やしたりすることに直結するが、 使い方をアドバイスしても儲からないことも一因だろう。
ただ、貯める、増やすことに言及しているだけでは、お金全体を論じたことにはならない。実生活でもそれほど役に立たないと私は考えている。 お金を貯める・増やすは、所詮は「お金はお金」「お金をお金で買う」なのであって、お金を通じて人間関係をつくることや、 自らの感動や楽しみに変換させることが大切だと考えている。お金は未来、交換価値が本質だからである。
言葉を換えれば、定年後のお金をどのように考えるのか、定年後をどのように働くのか、遊ぶのか、居場所や生きがいをどこに見出すのか。 これらは切っても切れない関係にある。お金を稼ぐことは、社会に必要とされている証であり、使うことは社会に何かを還元する行為である。 この2つがあって初めて社会とつながるのだ。そしてそのことが確認できれば、生きる意味も感じられる。
定年退職者に話を聞いてきた立場から見ると、定年後の生きがいを支える大切な手段の一つはお金である。しかし、それは目的ではない。』
以上のことは私が前章の100章やその他の章でも訴えている「やり方よりあり方」を実にうまく分かりやすく、しかも、お金という共通のものでやり方とあり方をつなげて、 違った角度から表現していることに感心しました。また、「金融機関やFPの…」は銀行、証券、保険会社関係に従事する人々が反省すべき点であり、 これからのやり方を見事に短く表現ししていることに驚かされました。
人生100年時代を我々がお金を通してどのように生きていけばよいのかを見事に端的に表現した文章だったので抜粋して皆様に紹介しました。 その他にも「幸福感を決定する要因として自己決定が強い影響を与えている」という話も展開されています。 これも前章100章をはじめとして私が言いたい「自分で自主的に意思決定することの重要さ」です。
以上は楠木氏が私と同じことを主張していることを自慢したいのではなく、私より上手に分かりやすく、違ったアプローチで伝えているので、 できたら、この著書を読んで人生の糧にしていただきたいという気持ちから引用し解説しました。
この本からは多くのことを学ばせていただきました。
多くの方にも同じように多くのものを学んでいただきたいと思っています。

第102章 消火器のことをどれくらい知っていますか?

消火器と言えば防火の基本中の基本ツールです。ほとんどの方がどんな形をしていて、初期消火をするための器具であることくらいは知っていると思います。 それで分かっているつもりになっていませんか?実は私がそうでした。
今年度から町内会の防犯部長を仰せつかりました。ある方から集会所の消火器が11年経過しているので交換した方がいいのではないかと言われました。 その方が言われるには消火器は10年経つと交換する規定になっているとのことでした。また、私は消火器がどこで買えるのかさえ知らなかったのでその方に購入先まで聞きました。 近くのホームセンターでも売っているという即答がありました。
早速数日後に近所のホームセンターに行ったところ、ありました!ありました。そのホームセンターには何度も様々の物を買いに行っているのに全く気付いていませんでした。 しかも、防犯コーナーという一画に置いてあり、そのコーナーがあることさえ気付いていませんでした。
集会所においてある消火器は10型という大きさで、通常価格が5,998円+消費税のところ3,998円+消費税となっていました。
こんなにお手頃の価格で買えることに驚きました。私自身も購入することに決めました。また、古い消火器は交換で引き取ってくれるとのことです。
知ってみれば消火器の購入や買い替えは簡単なことです。
インターネットで調べてみれば一般的な目途として消火剤は5年で交換、消火器本体を10年で買い替えと言われた通りでした。
きちんと調べてみれば簡単なことでした。それを気にしながらも調べないままに、「そのうちに…」と思い、数十年が過ぎていました。
私の場合防犯部長になって他人から指摘されたことでやっと消火器の備え付けに至りましたが、皆さんはいかかがですか?
このことでだけではなく一事が万事このようなことになっているのではないかと反省しました。ただ、今回は言われてすぐに行動したことはよかったと考えています。
何事も気になったらすぐの行動に移すことが重要であることを改めて痛感しました。 特に防災などのリスクに備える行動はしないと後で取り返しのつかないことになりかねません。

第103章 新型コロナウイルス対策について

今猛威を振るっている新型コロナウイルスに対する対策について考えてみたいと思います。
ここでは感染しないための対策ではなく、経済的なダメージに対する対策について考えてみます。
新型コロナウイルスによる売上減少による損失の補償は例え国や地方自治体の要請に応えた休業としても応えた相手に補償される可能性は低い現状があります。
それでは自分で補償を買う保険はどうなのでしょうか。
個人では生命保険や損害保険では所得保障保険や海外旅行保険が新型コロナウイルスの損害に新型コロナウイルスだからというのではなく、 普通の疾病として入院や死亡に対する補償がされます。だから、感染しただけでは保険金は支払われず、病院で治療を受けなければなりません。 ただ、新型コロナウイルスの治療の場合病院ではなく、自宅やホテルで療養するケースがあります。 このようなケースの場合大手生命保険各社は入院時の保険金を支払うとしました。
それに対して企業や個人事業主を対象とした保険は支払われません。支払いの対象となるとすれば商品名は各社で違うでしょうが、 利益や売上減や休業による損害やイベント中止といった損害に対してです。感染症による損害はほとんどの商品は特約を付けなければなりませんが、 その特約でも新型コロナウイルスは支払いの対象となる感染症ではないという理由で保険金は支払われません。
そもそも損害保険会社はリスクの集積となるこのような事故は商品にしないのが原則です。
リスクの集積となる事故とは大地震や原子力事故などのある特定の地域で大きな損害が発生し、保険会社が潰れる可能性のある事故のことです。
地震については損害保険会社全社が政府も含めて保険金支払い上限を定めた特別な制度で商品化されましたが、保険会社1社では商品化できません。
今回のコロナウイルスの企業や個人事業主の損害は甚大すぎて政府も二の足を踏んでいるような状況です。 今後も保険会社が低い保険金額を設定して商品化することはあるかもしれませんが、全額補償するような商品は期待できません。 政府や地方自治体が行う予定の一人当たり10万円支給や中小企業や個人事業主に対して200万円や100万円限度に支給等の補償内容の保険商品は可能かもしれません。 しかし、保険金支払額が数千万円や数十億円になる可能性がなる損害金全額補償する保険は無理でしょう。
結局自己防衛策というと備蓄しかありません。
FPの個別相談ではマニュアル化されている6ヶ月から1年の生活費は非常事態に備えて貯金しておきましょう、 企業に対してはいざというときのために内部留保を高めておきましょう、という専門家でなくても言えるありきたりのアドバイスしかだれもできないのではないでしょうか。
それでも今回のコロナウイルスで味わった初めての痛い経験を教訓に意識変容による行動変容でこの当たり前のことを実行する他はないような気がします。
まだ、終わったわけではありません。お互いに頑張りましょうという当たり前のことしか言えません。

第104章 新型コロナウイルスに日常が奪われていく記録

2020年2月26日に千葉県市川市のスポーツジムで3人の新型コロナウイルスの感染者が3名出たというニュースが流れました。この日から私の日常は変わり始めました。 ちょうど週に1度か2度好きな水泳をするために通っているスポーツジムに行こうかと考えているところにこのニュースを見てジム行きを止めました。
私は福岡市に住んでいます。 この日はまだ福岡県では20日に2人出ただけで関東圏は大変だなと他人事のように感じていたところにスポーツジムというワードを聞いて敏感に反応してしまいました。 それでもその後出ても数名程度だったのでしばらく様子を見てジムに行こうと思っていました。 しかし、厚生省の感染防止方針を受けて2月27日から3月11日まで臨時休業になってしまいました。それでもしばらくの間だから我慢しようという程度でした。
そんな私に転機を与えたのが3月31日に福岡県で17人の感染確認者が出たという報道でした。前日の3人からいきなりの17人です。非常にショックを受けました。 そして、県も危機感を感じたのか、4月1日から4月19日までの土日の県知事からの外出自粛要請が出されました。
私が事務局をしている損保事業者関連の会が4月18日に天神で総会を兼ねた食事会を予定していましたので会長と相談し中止しました。 その後仕事、勉強会、地域活動の会議等の中止の連絡が怒涛の如くあり、ほとんどのスケジュールがあっという間に消滅してしまいました。 それに対して新しいスケジュールは入ってきません。私は社会から切り離されたような寂寥感に襲われました。
4月7日には緊急事態宣言が発出され、福岡も指定されました。私が通っているジムもそれを受けて4月8日から5月8日まで再度臨時休業になりました。 私は2ヶ月近くジムには行っていません。
以上の様な経緯で私の日常は奪われていきました。
私は現在フリーランス、個人事業主ですが、老後の起業で、従業員無、家賃無の気楽な立場です。 それでも一瞬にして、ただでさえ少ない仕事がなくなったときはショックを受けました。 これが本格的に仕事をしている方々はショックどころかどれだけ大きな不安と恐怖に襲われたか想像するだけで身が震えます。 このような体験はほとんどの方々が初めてだと思います。これだけの体験はせめて後の教訓にすべきだと考えます。ただ、日が経つにつれて忘れていくものです。
各自この体験を思い出すために記録をされておくことを勧めようと思い、このコラムを執筆しました。
とは言っても本日は4月21日、まだ新型コロナウイルスが収束したわけではありません。これからの展開が不安で憂鬱になってしまいます。

第105章 ファクトフルネスを読んで
世界の正しい見方

最近になってやっとベストセラーになっているファクトフルネスを読みました。
書店で山積みになって、話題にもなっていたので気にはなっていたのですが、帯に「世界の正しい見方」という壮大なテーマが書かれていたので勝手に胡散臭いと思い、 あえて買いませんでした。しかし、新型コロナウイルスの影響で時間ができ、興味本位で買って読んでみました。そうしたら私のひねくれた性格を反省させられました。
この本は著名で優秀な医師を中心とする3人の親子が長年にわたり使命感を持って、最後は中心となる医師が命懸けで書き上げた本だったのです。 にわかに売れることだけを目的に奇をてらった本とはかけ離れたものでした。
我々が知識不足や偏見で真実を見誤るシステムを見事に、客観的に、科学的に解明されていることに驚きます。
この本を読んでいて私には最近思い当たることがありました。このコーナーの第92章にも書いたことです。日本の急速な高齢化に伴う社会の変化に認識が追い付かず、 今の現実を誤った見方をしていました。
この誤った認識を修正できたのは本で得た様々な現在の高齢化社会の知識でした。
私が日本は他の先進国に比べて福祉が遅れているという偏見でしか見ていなかったことに気付きました。
思っている以上に日本の高齢者に対する福祉制度は構築されていました。
ファクトフルネスでは誤った見方をする原因は知識不足と人間が持つ偏見や思い込みを誘発する本能だと書かれています。私の場合もまさしくそうでした。
私が最近もう一つそのことを感じたのが日本の奨学金制度についてです。
皆さんは2020年4月から日本学生支援機構の給付奨学金が大きく拡充されたのをご存じですか?
貸与奨学金は長く利用されているのでご存じの方も多いと思いますが、日本学生支援機構給付奨学金は2017年に創設されました。 拡充前は私立大学、自宅外通学でも毎月4万円でしたが、新制度では同条件で毎月最大75,800円が支給されます。 しかもそれプラス最大で大学で年間約70万円の授業料の免除・減額を受けることができます。
もちろんそれを受けるには様々な条件があります。教育格差の是正というのが大きな一つの目的です。
政府は教育にはお金をかけないという固定概念を持った方はこの新制度の奨学金は意外ではないですか。私もその一人でした。 ファクトフルネスはこのような誤った見方を修正する方法を提言しています。
新型コロナウイルスの感染で世界の価値観や仕事のやり方等が大きく変化し、新しいコロナ後の世界が生まれると言われている歴史的な時期に我々は今います。 激変後の世界の真実を見極め、正しく対処するためにもこの本を読まれることをお勧めします。

ページ先頭へ

第106章 寝たきりリスクを予防する方法を提言した本のご紹介

皆さんは「フレイル」という言葉をご存じですか?要介護になる手前の段階で「虚弱」を意味します。
この言葉は東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授著書の「東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣」という本で知りました。 この本は「フレイル」を予防する方法を提言しています。
フレイルのチェック方法やその改善方法を紹介しています。
フレイルチェックとは2012年から東京大学高齢社会総合研究機構が千葉県柏市で実施している調査をもとに作成されたフレイルの危険度をチェックし、 予防するプログラムとのことです。
柏市ではそのプログラムが実行され、今では他の多くの自治体が賛同し、実施しているとのことです。 この取組状況は「フレイル 柏」でインターネット検索すれば見ることができます。
上記の活動は大規模高齢者フレイル予防研究、通称「柏スタディ」です。柏市在住の65歳以上の自立高齢者を主体にした2,044名。男女比1:1、 平均年齢73歳で行われている健康調査で今も継続中です。
介護はだれでもいずれは考えなければならない課題です。まずは親の介護、そして、最後は自分自身の介護について嫌でも逃れることはできません。
この本はだれもが訪れる介護の問題の対処法について具体的に指南している実用書です。
私は地元の高齢者クラブにこの本を紹介しました。商売をしている方はお客様に、または、地域貢献活動に役立てることができる本です。 そして、いずれは自分のために役立てることができます。
一度この本を読まれることをお勧めします。その後さまざまな行動に進んでいく可能性のある本です。
この本は大きな書店でもあまり売られていませんので通販でご購入下さい。

第107章 人生100年を完結させるには?

人生100年時代を迎えて第58章に書いたようにリカレント等してマルチステージで70代、80代まで働く時代になりました。 しかし、その後もまだ人生の最後を迎えるまでをどのように過ごすかが、大きな課題です。
多くの人が最後は「ピンピンコロリ」と死にたい、という統計がありますが、そう理想通りにはいきません。 第85章でも述べたように、多くの長寿の人が介護状態になってから死んでいくのです。
各自が働き方だけでなく、死に方についても真剣に考えなくてはならない時代になったことを覚悟すべきです。
戦後しばらくは医療機関で死を迎える人は10数%でした(1955年約15%、77%自宅)。それが一直線に増加し、 1976年ごろからは「在宅死」を「病院死」が上回り、現在では在宅死の方が逆転し10%台になっています。 一方、6割以上の人が自宅で死を迎えたいという希望を持っていると言われています。
日本は戦後医療技術が「治す」ことを目標にめざましく発展してきました。そのためには入院治療が最善であり、病院信仰が広まり、 結果的に病院死が増えてきたと考えられます。そんな中で日本は超高齢社会を迎え、今後2025年問題を抱えて多死社会となります。結果、病床数が足りなくなります。 これまで通りの医療システムでは持ちこたえられなくなります。それで政府が推進しているのが在宅医療からの「在宅死」です。
以上のような理由からすると単に社会システムの都合による改革と思われがちですが、そんな単純な話ではありません。 ここで改めて社会だけでなく個人にも死に方が問われるようになりました。
病院では治療が目的です。その目的のために細分化、専門化され、病気の原因である臓器を治す「臓器別医療」が病院医療として発展してきました。 そして、超高齢社会を迎えました。
治すこと、長生きすることだけを目指してきたため他のことがなおざりされてきた傾向があります。そして、介護が大きな社会問題となりました。
介護は残った能力をできるだけ活かし生活者としていかに良く生きるかを理念としています。
そうすると一部では医療と介護の理念は対立する場面が出てきます。 それをいかに融合し、調整するかに挑戦するのが「在宅医療」や「地域医療」とも言えるのではないかと私は考えています。
そんな在宅医療を実現することは容易ではありません。多くの医療関係者や介護関係者の方々が連携して努力を重ねておられます。 単にお題目を唱えるだけで変化できることではないことを認識し、感謝すべきです。
全国各地で医師、歯科医師、薬剤師、看護士、介護サービス事業者、理学療法士等の医療関係者と介護関係者の多職種に行政が加わり研修会、会議、勉強会等が重ねられ、 在宅医療実現のために多職種連携システムの構築が目指され、その中でも試行錯誤が行われています。
平成27年4月1日には「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が施行され、 前述のような地域における医療及び介護の体制の方向性を目指すことが明確にされました。
この様な体制の中で我々個人は人生100年の終わりをいかに迎えるかの意志決定を他人任せではではなく自分でしっかりとしていかなければなりません。

第108章 コロナ禍でさらに進む多様性

コロナ禍による多様性が進んでいます。テレワーク、オンラインによる授業、飲み会、授業、旅行等々です。 これらの試みは単に今までのやり方の代替ではない要素を多分に含んでいます。
例えば、保険業界で言うとオンライン保険相談です。 今までの訪問や来店による保険相談と比較すると利用する顧客層や成果を挙げる社員のタイプ等がことごとく違うとのことです。
オンライン保険相談では顧客は世間話など余計なことは不要で、自分がほしい情報だけを求め、それに応じるどちらかというと社交的でない、 余計なことをしゃべらない社員が成果を挙げる傾向があるとのことです。
オンライン保険相談にすることによって新しいニーズが生まれているのです。
保険業界だけでなく他でも同じような事例があるのではないでしょうか。全く新しいものが生まれているのではないでしょうか。
これらはアフターコロナにも残り、多様性をさらに進めることになるでしょう。それに伴い自分での意思決定や自己責任の必要性が高まるものと考えます。
前章で触れましたが、人生100年時代を迎えてマルチステージでの働き方や死に方の選択等の重い意志決定から日常生活のこまごまとしたものまでの多様性が進み、 選択肢が増える状況で意志決定をしていかなければなりません。
「信頼しているからお任せする」では大きな損害を受ける可能性があります。
郵便局を信頼していた多くの方々が自分の資産を損傷させられました。できるかどうかは別にして意志決定する姿勢が必要です。
知識がないから判断しようがないという方も多いと思いますが、それなら知識を得ようという努力が必要です。それには今ではインターネットという便利なツールがあります。
インターネット検索などない時代には新聞、本、辞典などの紙ベースでの費用と時間と労力が必要でした。それに比べれば今は楽なものです。 インターネットのない時代を長く過ごした私はつくづくそう思います。インターネットが不得意な世代には若い世代がサポートしてあげてください。
生きるのが大変な時代になったのかもしれません。

第109章 仕掛学

「仕掛学」という言葉を聞かれたことはありますか? 私も偉そうなことは言えず、最近見た所ジャパンというテレビ番組で初めて知りました。
仕掛学とは大阪大学教授の松村直宏氏が提唱している学問分野です。
所ジャパンの番組内では街頭で実験が行われました。普通のおじさんが普通にティシュ配りをする。多くの人々がおじさんの前を通るが、ティシュを受け取ろうとしなません。 今度はおじさんがマジックハンドを使ってティシュを渡そうとすると多くの人が受け取ってくれます。次におじさんはいなくなり、 代わりに机を置いて鏡の前にティシュの多く入った箱を置くと比較的多くの人がティシュを取っていく。
結果はマジックハンドで渡すが一番、次が鏡の前のティシュを渡す、で、普通に渡すのと比べればかなり多くの数の人がティシュを受けっとってくれるというものでした。
これはマジックハンドや鏡の前という仕掛でより多くのティシュを配るという目的を達成したという実験です。こういったことを研究するのが「仕掛学」というのです。
どう思われましたか? 私は非常に興味が惹かれ、早速、通販で松村氏の仕掛学の本を購入しました。
本では体系的、理論的に様々な仕掛けについて分析されていてさらに面白く読むことができました。集客やマーケティングなどにも役に立つ学問です。 ただ、私は役に立つことより面白いということで本まで購入しました。仕掛を考えるだけで楽しめます。
私達の周りには仕掛があふれています。また、仕掛のヒントとなる人間の行動もあふれています。 例えば本に紹介してある代表的な例で男性便器に矢の的を描いてあるものです。 この目的は飛散を最小限に抑えるということで、「つい狙いたくなる」という人間の習性を利用したものです。
こういった仕掛けや人間の行動を見つけるだけでも面白いと感じませんか。
人は大人になるにつれて子供のころに持っていた好奇心を失っていきます。そんな大人に好奇心を復活させるカンフル剤として「仕掛学」をお勧めします。

第110章 自転車損害賠償保険等加入義務について

福岡県では福岡県自転車の安全で適正な利用の促進及び活用の推進に関する条例により2020年10月1日より 自転車利用者は自転車損害賠償保険等に加入しなければならなくなりました。私の所属する自治会でもこの件に関して運営委員会等で注意喚起されました。 火災保険や自動車保険の個人賠償責任保険特約の付保確認、付保されていない場合は中途での追加付保が促されました。その他にも県民共済に加入している人も中途加入できます。ただ、以上の中途加入手続きは保険料が安価なために加入会社等に問い合わせ書類を取り寄せたり、保険料の支払い方法を確認したりと自分が積極的に動かなければならないでしょう。手間と時間がかかるということです。相手からの懇切丁寧な対応は期待しない方がいいでしょう。その代わりこの方法が一番保険料の負担を少なくすることができます。
それが面倒くさいと言うなら、インターネットやコンビニなどでもすぐに加入できます。ただし、その場合は個人賠償責任保険以外の傷害保険等がセットされ、 その分は保険料が高くなります。
それなら罰則もないから放っておこうというのは止めましょう。自転車事故による高額補償が多発している現在に確率は低いにせよ、 自分の人生が終わりになる可能性がある危険を放っておくというのは無謀です。今まで事故がなかったことの幸運を感謝し、この機会に自転車損害賠償保険等に加入すべきです。
自転車損害賠償保険等の加入義務化に触れてきましたが、今回の条例ではそれ以外にもスマホや携帯電話の「ながら運転」の禁止 や幼児・児童・高齢者のヘルメット着用などもありますので注意しましょう。
自転車損害賠償保険等に加入義務化について注意していただきたいことはその加入義務者です。自転車利用者の個人ばかりが注目されていますが、 加入義務者は個人意外に従業員に自転車を利用させる事業者と自転車貸付業者です。
我々一般市民が特に注意しなければならないのが従業員に自転車を利用させる事業者です。例えば自転車で従業員に営業をさせている事業者等です。 なぜかと言うと上記の個人の賠償責任保険では仕事中の事故は補償されないからです。 自転車利用者が個人賠償責任保険に加入し自分の義務は果たしていると安心していると 仕事中自転車運転中にスマホで客先を捜しながら歩行者にぶつけて大けがをさせてしまって事業者が仕事中も補償する自転車損害賠償保険等に加入していなかったら けがをさせてしまった個人か事業者が自腹で高額な補償金を支払わなければならなくなるということです。
仕事中に自転車を利用する場合はそれが自分の自転車としてもしっかりとそのことを事業者に申請、承認を得て、 それに関する保険が加入されていることとその内容を確認しておかなければなりません。 事業者が加入する保険は個人のようにパターン化された加入しやすいものではないので事業者も面倒くさくて加入していなかったというケースも考えられますので その確認は重要なことです。
個人事業者が仕事中に自転車を利用する場合は自転車店で点検整備を行いTSマークの自転車向保険に加入でき、その保険は仕事中も補償されます。
この機会に相手だけでなく自分を守るための備えをしておきましょう。

第111章 定年消滅

週刊東洋経済で定年消滅というテーマで特集を組んでいましたので買って読んでみました。
各企業の具体的な定年に関する取組なども掲載されていて興味深い内容でした。
特集は2021年4月から施行される「改正高年齢者雇用安定法」、通称「70歳定年法」の解説から始まります。
改正後は定年引き上げと継続雇用制度の導入が65歳から70歳に上げられます。定年廃止はそのままです。そして、 「高年齢者希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」と「高齢者が希望するときは、 70歳まで継続的にa.事業主自ら実施する社会貢献事業b.事業主が委託、出資(資金提供)などをする団体が行う社会貢献事業に従事できる制度の導入」という項目が加えられます。
高年齢者雇用安定法の改正を含む定年延長の流れを促す要因は3つあるとしています。
まず1つ目の要因は長寿命化という生物学的要因だとしています。日本の高齢者の体力は約20年前に比べ5歳以上若返っているとのことです。 
第二の要因は、社会保障制度面からの要請です。公的年金の財政を均衡させるためです。今の年金支給水準を維持させるには難しいにしてもできる限り下げないためです。 年金の支給年齢の引き上げが最終的な目的と言えるでしょう。
3つ目の要因はそれが経済成長に資するとしています。
少子化、人口減少による労働力不足の中で経済成長を維持させるためです。
定年があるサラリーマンに限らず全国民が70歳くらいまで働くのが社会情勢となってきているということです。
個人としては50年近く働くことを覚悟しなければならないということです。この事実を認識することが重要です。
特集では様々な具体的事例が掲載されています。そのどれもが一般的ではなく個性的です。自分で積極的に仕事を選択したという事例でした。
超長期の仕事に対するモチベーションを保つには自分で仕事を選択するという姿勢が必要なのかもしれません。
この点については第100章をご覧ください。

第112章 コロナで得たもの

年が明けましたが、2020年はコロナ一色の年でした。2021年は脱コロナの年になることを願っています。
昨年末のワイドショウを見ていたらコロナ禍で変化したことについて特集をしていました。その中で営業スタイルの変化について論じられていました。
コロナ禍でそれまでの訪問営業から非対面のオンライン営業になって、販売スタイルが大きく変わり、 それまで成果を挙げていた情熱直訴型販売員よりは冷静説明型販売員が成果を挙げているということです。 また、販売時の資料などの事前準備にはコロナ禍前より多くの時間が必要となったということでした。
まさに同じような現象が保険業界でも起こっています。
対面営業で常にトップクラスの成績だった社員がオンライン非対面営業では成績不振になった、 逆に対面営業ではおとなしい性格もあってクロージングまで持っていけない社員がオンライン非対面では着実に成果を挙げているという話を聞きました。
これには販売側の性格だけでなく、購入側のニーズにも原因があるみたいです。
オンラインでは保険について興味があるが、対面では保険に加入させられそうで、販売者の圧が煩わしい人がオンラインなら距離感を保つことができるだろうと考え、 自分が知りたいことだけに応えてくれて、それ以上の余計なことは求められないことを期待して保険オンライン相談に応募してくる人が多いみたいです。 その要望に応えてくれる販売員が顧客の満足度を上げ、成果につながっているのではないでしょうか。
それでは、今後は冷静説明型販売員の時代で、情熱直訴型販売員の時代は終わったということではありません。 また、コロナ後は全て元の対面営業に戻るということでもありません。
100対0の理論ではないのです。
コロナ禍でやむをえず行ったオンライン非対面営業の多くのメリットに人々は気付き、コロナ後でもこの営業スタイルは続けられるでしょう。 一方、非対面営業にはない対面営業のメリットも多くあるのです。営業スタイルの選択肢が増えたと考えるべきでしょう。
コロナ禍で変化したことは一言でいえば、第108章でも触れましたが、「急激な多様化」なのかもしれません。
気付きと言えば多くの人が「日常のありがたさ」、自由に人と交流し、イベントに参加し、旅行に出かけられた、かつての日常の価値に気付かされました。 コロナ後はみんながそんな日常にコロナ前の数倍の幸福度や満足度を感じるのではないでしょうか。
人類はコロナによって甚大な損害を受けました。ただ、その中で多くの気付きを得ました。それによって働き方等の多くの行動の変容が生じました。 それらをコロナの恩恵と呼ぶにはあまりにも多くの損害を被りました。そうではなく、 人類が生き残りをかけて戦った代償として今後それらを大いに活かすべきではないでしょうか。

第113章 火災保険のチェックポイント

近年、自然災害がますます増えてきました。これらの災害に備えるために改めて火災保険のチェックをしてみましょう。
自分は火災保険に加入しているので、いざというときは大丈夫と思っていませんか。 いざ、災害に遭って火災保険の支払いを受けようと保険会社に保険金請求をしたら損害額のほんの一部しか出なかった、もっとひどい場合は出なかった、という可能性があります。勝手に台風損害や水災に対して損害額満額補償されると思い込んでいませんか?そんなことのないようにこの機会に火災保険の補償内容を確認しておきましょう。
まずは火災保険の証券と手引きか約款を準備してください。てびきや約款は保険金の支払われる事故や基準が記載されています。 証券と一体になっている場合もありますが、証券とは別冊で証券とともに送られてくる場合もあります。 長期保険の場合等に送られてくる保険内容の確認は概要でしかない場合が多いので、やはり証券がいいと思います。 火災保険は以前と違って各社特徴のある個別性の高い商品を販売しています。一般的な商品ではなく、あくまで自分の現在加入している火災保険の内容を確認することが重要です。
それではチェックを始めましょう。まずは保険の対象を見てください。住宅の場合、建物と家財(家財以外の什器、設備等がある場合もある) があります。 建物が自分の所有である場合両方が保険の対象になっていますか?当然ですが、対象になっていなければ一切補償されません。 一方しか対象になっていないのにすべてが補償の対象になっていると思い込んでいませんか?確認してください。
次に保険金額です。 建物の保険金額は「再調達価格」や「新価」になっていますか。そして、その金額は新しく家を建てる金額ですか。 そうでなければ、家が全損になって建て直すときに資金が足りないことになります。
家財の保険金額は十分ですかですか。家財の保険金は単に家財を買い替えるだけでなく、災害後に生活を立て直す資金としても考えるべきです。軽視してはいけません。
次は補償される損害です。
この10年くらいは毎年大きな損害を出している台風損害や水害の補償はされますか。そんなことは当たり前、確認するまでもない、と考えていませんか。
各社の補償内容はオプション性が進み、価格競争に勝つためにも台風損害や水害の補償を外して保険料を安くしている場合もあります。 確かにマンションの高層階は水害を外してもいいかもしれません。契約者もそれを分かっていれば問題ありません。 しかし、契約者が知らないうちに補償内容が削られていることやそのことを忘れている可能性もあります。 実際に損害を受けて確認したら補償されていなかったでは洒落になりません。しっかりと確認しましょう。また、地震損害は別に地震保険に加入しなければなりません。
次に進むと補償内容です。
勝手に損害は全額補償されると思い込んでいませんか。
台風は20万円以上の損害がなければ補償されない、や水災は30%以上の損害か床上浸水の場合しか補償されない、 自己負担額がある等様々な条件がある補償内容になっているものも多くあります。逆に盗難や飛来物による損害等の損害を持つこともあります。
確認しましょう。
以上が大まかなチェックポイントです。
注意しなければならないことは火災保険が以前と違って各社によって個性があり、また、同じ会社でも契約によって内容に違いがあるということです。 あなたの契約は個別性が高いということをしっかり認識して、安易に他の契約がそうだからそうだろうと思わないことです。
自分の契約を自分の目でしっかりとチェックしましょう。

第114章 住宅ローン金利引き上げの動きに対する反応

長期金利の上昇を受けて大手銀行間では2021年3月から住宅ローン金利の引き上げの動きが出ています。フラット35も引き上げられました。 上げ幅は0.03%から0.05%程度です。
この動きに対して住宅を購入しようと考えられていた方々はどのように反応されるのでしょうか?
まずい、これから住宅ローン金利は上がり続けるに違いない、急いで物件を見つけて今のうちに住宅ローンを組まなければ手遅れになる! という強迫観念に襲われる方も多いのかもしれません。
行動経済学的には人はとにかく損を嫌います。得することよりも損することの方がずっと大きなストレスを感じます。
今のうちに住宅ローンを組まないと損してしまう、という意識から判断が歪められる可能性があります。冷静になりましょう。
住宅は大抵の人にとって人生最大の買い物です。そんな高価なものを買うのに住宅ローン金利だけで判断すべきではありません。 判断する要素をじっくり考えていきましょう。
お金の面から見ると確かに金利の差は大きいです。大きな元金に長期間かかる金利だからです。ただ差が出るのは金利だけではありません。 元金を大きく左右する購入物件です。不動産価格の動向にも注視しなければなりません。ここ数年不動産バブルと言われてきた値動きがあります。 いくら住宅ローンの金利が安くても元の不動産の価格上昇率が高ければ相殺されます。
他にも判断要素はあるでしょうが、一番重要な判断要素は住宅を購入する自分や家族の個別の事情と気持ちです。
本当に住宅を購入したいのか、ずっと賃貸で数年に一度は住む環境を変えたいということはないのか?
住宅に求めるものは何なのか、利便性、環境、耐震性、価格なのか?
今、住宅を購入するタイミングなのか、頭金や近い将来の教育費の準備はできているのか?
どんな人生設計の目的で住宅を選ぶのか?等々を自分自身または家族の意志を確認することが重要です。
不動産は個別性が高いものです。二つと同じものはないと言われています。
自分や家族のニーズを確認した上でそれに合致した個別性の高い不動産を選ぶべきです。当然時間と労力がかかることを覚悟しなければなりません。
住宅ローン金利等の一つの要素に引っ張られて一生で一番高い買い物をするのは止めましょう。

第115章 FIRE

今、FIREという言葉が注目されていますが、ご存じですか? 「火」という意味ではありませんし、缶コーヒーの商品名でもありません。
Financial Independence,Retire Earlyの略で経済的自由を得て早期退職を目指す生き方のことです。
欧米の若年層から広まり、その後日本にも広まりました。その生き方を実現した人のブログや著書によってブームになっています。
昔から、特に金利が高い時代には1億円貯めれば定期預金の金利だけで生活できる、そうして悠々自適に暮らしたい、というような発想があります。 そのような考え方だろう、という方は浅はかです。また、一部の金持ちの話だろう、という方は希望を持ってください。そんな単純な話ではありません。
早期退職と言っても仕事を止めるということではありません。経済的な自由を得て自分の好きな仕事をするということです。 また、この生き方を実現できるのは今の時代だからこそ、という要素が多くあります。
多くの人、特に若い人の生き方や考え方に大きなヒントを与えるものです。
日本でFIREブームの火付け役になったのは「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」の著者、穂高唯希氏(31歳)です。
穂高氏は30歳で資産7000万円を築いてFIREを達成しました。
穂高氏は7000万でFIREを実現しましたが、その額はそれぞれの生き方によって、各国の金融状況等のよって違ってきます。そこが深い部分でもあります。
7000万円で一生生活できるのか?という疑問が多くの方が抱かれると思います。
それには資産運用、シェアサービス、地方での生活等の個人それぞれの好む生活スタイルによるのです。
他にもこのFIREには様々な理論と理念と方法があります。
私個人的には著書等を読んでFPとして参考にしたいと考えています。
興味なある方はFIREを目指さないまでもライフスタイルの参考になる様々な要素が含まれています。
FIREについて、達成者の著書等の資料を読まれることをお勧めします。

第116章 FIRE2 やり方よりあり方

このコーナーでライフプランはやり方よりあり方が重要であると訴えてきましたが、FIREも同様です。FIREは新しいあり方です。
過去にも短期間で事業に成功し、財産を築いた人は多数いるし、投資で資産を数十倍に増やす人も大勢います。 FIREは特段目新しいものではないと反論される方もおられるでしょうが、その方々は「あり方」ではなく「やり方」だけを見ているのだと思います。
前章で紹介した穂高唯希氏の著書に「入社初日にして既に絶望に打ちひしがれながら、セミリタイア・アーリーリタイアを志していました」という一節があります。
留学経験があり、様々な価値観を身に付けた穂高氏が強烈な違和感を入社初日に感じ、そこから抜け出したいというパッションを抱いたということです。
このパッションが今までの日本人では持てなかったのです。実際穂高氏はこの後に 7年間、30歳で7,000万円の金融資産を築き、会社を辞めました。
著書の中で穂高氏は「経済的に自立した上で、自分の人生は自分で切り開く、という生き方をサラリーマンでも努力次第でできるということを、私は示したかった」 と書いています。「残念ながら今の日本には、若年期に経済的自由を自力で達成し、セミリタイアした人物(ロールモデル)が見当たりません。 ならば、自分がそのロールモデルなって示してみよう。そういう気概を持って、入社以降7年半、日々の生活を送り、ブログを綴ってきました」という記述もあります。
この気概が前述したパッションです。
この様なパッションは戦前の日本では非国民と非難されたでしょう。戦後でもサラリーマンは定年まで働いて年金をもらって人生を終える、 その後多様化して転職も普通となってきた現代でも定年になるくらいの年齢までは働くことに疑問を抱く人はほとんどいないでしょう。 若年期にセミリタイアするという概念がないのでそんな発想もない。
このような概念が生まれたのも前章でも述べましたが、現在だからという時代の要素も大きいのでしょう。 それでも日本での初めの一歩を実現した穂高氏の個人としての影響は大きいでしょう。
穂高氏のブログや著書を読んで「FIRE」を目指す人々が増えているみたいです。
概念にパッションが加わって目標になります。
穂高氏も早期にセミリタイアしたいという熱望が昇華して明確な目標になりました。そして、この目標が穂高氏に達成するための様々な方法を生み出させたのです。

第117章 FIRE3 FIREの理念

前章ではパッション・熱望が様々な方法を生み出させた、というところで終えましたが、自分もFIREを目指したいという方はまずはこのパッションを持てるか、 どうかでFIREを達成できるかどうかが決まります。
穂高氏の本やブログを熟読してその方法を理解できたとしてもパッションがなければその方法を実行できないでしょう。 穂高氏はわずか7年間、30歳という若さで7,000万円の金融資産を築きました。その過程の過酷さは想像できます。パッションがなければ実行できないでしょう。
ただ、穂高氏はサラリーマンとは言っても高給取りという特殊な条件を備えていました。 いくらパッションがあっても多くのサラリーマンがすべてを真似することは難しいです。だったら諦めるしかないのでしょうか。否、人それぞれのFIREがあるのです。
穂高氏も著書の中で「資産運用の目的は老後のためであったり、…人それぞれ異なると思います。ただし共通するのは、資産を形成したい、資産を増やしたい、という点です」 と述べています。
必ずしもアーリーリタイアだけが目標ではないということです。
穂高氏は「FIREを語る上で外せないのは、生き方そのものです。」とも述べています。
FIREという言葉の意味からは外れるかもしれませんが、定年退職後にゆっくりと夫婦で世界一周をしたい、 という目標のためにFIREのやり方を取り入れるのも広い意味でFIREだと私は解釈しています。その目標にパッションを感じることができれば同じことだと考えます。
それでは一般的な資産形成と同じではないかと言われるかもしれませんが、FIREのやり方はそれとは一線を画します。
穂高氏はFIREを達成する手段として収入の8割を株式買い付けに回しました。 それだけでも一般的な資産運用とは違います。何が何でも目標を達成するという強い意志が感じられます。
目標に向かって一心不乱に過酷なやり方も厭わないことがFIREのやり方なのです。ただ、その方法は基本的な資産運用の長期・積立・分散です。
長期とは1年と10年と30年では全く効果が違うということです。 同じ100万円でも1年間と10年間と30年間運用するのでは福利効果で増収額が大きく異なる可能性が大きいという理論です。 それでFIREのやり方は無理してでも前倒しで資産運用を行うやり方です。通常のように無理なく均等に積み立てるというやり方ではありません。
必死に収入を増やし、支出を減らす努力をし、できる限り早く多くのお金を資産運用に回すのです。
だから熱いパッションを持ち、強いモチベーションがなければFIREを貫徹することはできないのです。

第118章 FIRE4 やり方

 

FIREブームは2010年代に欧米に若年層から始まり日本に広まりました。広まったのは「経済的な自由を得る」ということに共感した人々が多かったからでしょう。 特に若い人々はそんな生き方をしたいという憧れと若いから自分にもできるかもしれないという可能性を感じたからではないでしょうか。
FIREは4%ルールを目標の基本にしています。
4%ルールとはアメリカのトリニティ大学でなされた研究をもとに1998年に発表された論文を根拠としたルールです。
その研究とは過去の一定時期のS&P500の米株を主に運用したとしたら、その4%を毎年取り崩したとしてインフレ率を加味したとしても資産は減らないというものです。
4%は1/25なので毎年使うお金の25倍貯蓄すれば貯蓄は減らないというルールです。それでFIREを目指す多くの人が1年間の支出の25倍を目標としたのです。
ただ、このルールには問題があります。米国のデータをもとにしているので運用利回りやインフレ率が違う日本に当てはまるかという問題、 今後実際4%以上で運用できるかという問題など不確定要素が多いということです。
前述の穂高氏は紆余曲折の投資活動を経て高配当の株式で配当率を上げることを基本的な目標に貯蓄をしたみたいです。 配当率が目標だとわかりやすいので参考にすればいいと考えますが、元本の動向なども管理しておくべきです。 また、高配当の株とは言ってもそんな株を見つけるのはそんな簡単なことではありません。やはり貯蓄しながらも金融リテラシーを上げていく努力は必須です。
その趣旨からも穂高氏の著書を読まれることをお勧めします。FIREを達成した人物の体験談はそのまま真似はできないにしても非常に参考になります。 また、私はアメリカでFIREを達成したグラント・サバティエ氏の著書も読みましたが、穂高氏と違ったやり方と考え方で達成しており、 両者を比較することでも多くの気付きを得ることができました。
FIRE達成者の経験談というのは必死で目標を達成しようと気持ちで考え、行動しているので、そのやり方はFIREを目指す人には非常に参考になります。 熟読されることをお勧めします。
どうでしょうか?FIREをイメージすることができましたか、共感することができましたか。
自分なりのFIREを目指してみてはいかがでしょうか。

第119章 FIRE5 問題点と人生を楽しくする効果

 

これまで主にFIREを推奨することを書いてきましたが、問題点を考えてみましょう。
まず前章で述べたように4%以上で運用できるのかという問題があります。また、目標額はライフステージによって変わる可能性があります。
独身時に年間支出の25倍を貯蓄したとしても、その支出額は結婚、子供ができ家族が増えた場合等、増えます。そうするとFIREの目標額も変化します。
住宅を購入する際には貯蓄を取り崩すか、住宅ローンを組むか等の判断が迫られるかもしれません。
けがや病気で思わぬ出費や収入が途絶えて貯蓄を使いこんでしまうかもしれません。親の介護で大きな出費があるかもしれません。
いろいろなリスクによってFIREの状況が脅かされる可能性があります。
それでも一度FIREを達成することには大きな意義があります。
リスクに対しては目標額を修正し達成すればいいのです。働ける間は目標額が上がったとしても一度達成しているノウハウと気力があり、 差額を埋めるという作業ですので初めよりは楽ではないでしょうか。
そして、老後になるとたいてい現役時代よりも生活費は下がりお金の心配もなくゆっくりと過ごせるのではないでしょうか。
ライフステージがどのように変化しようが、一度FIREを達成していた方がその後の人生が豊かで楽しくなるのではないでしょうか。
経済的自由を得るというのは嫌な仕事に縛られることなく好きな、やりがいのある仕事を選択できるということです。 仕事だけでなくあらゆる人生の場面で自分の選択の幅が広がります。
物理的な面だけでなく、心理的な面でもよりストレスがなく満足感が得られる。ひいては肉体的な健康も得られるのではないでしょうか。
FIREを達成するまでは過酷な努力が必要ですが、その後の人生は楽しく、豊かになります。そのコストパフォーマンスを考慮することになると思いますが、 人生100年時代を迎えてFIREを達成することのメリットは大きくなっていると私は考えています。
そう言う私は若い時にFIREを目指しも、達成もしていません。
言い訳をさせていただくと私の若いころにはFIREという概念は生まれていませんでした。もちろん若くして事業に成功し大金持ちになった人々はいます。 しかし、その生き方や考え方はFIREではありませんでした。
FIREは時代の産物だと考えています。先進国でこの時代だからこそ生まれた概念ではないでしょうか。 早期退職を目指すと言っただけで少し前の日本では怠け者の発想だと言われかねません。また、投資環境も整っていません。 インターネットによる情報環境も進んできて様々なツールやシステムが生まれ、その情報も得ることができるようになりました。
そんな時代だからこそ生まれた概念、価値観ではないでしょうか。
FIREはこの時代に生まれた幸運に感謝し、新しく増えた生き方の選択肢だと考えて、検討してみてもいいのではないでしょうか。

第120章 FIRE6 老後のためのFIRE

 

私は本来のFIREとは違った「老後のためのFIRE」を提言します。
どういうことかと言いますと若い時ではなく、老後生活に入る前までに経済的自由を得るということ、FIREを達成するということです。
「老後2000万円不足問題」や「老後難民」と言われるように年金だけではどうしても生活費が不足するという課題があります。 そこでその不足額を補い、かつ、減らない資産を目指すのです。
貯蓄を毎年4%で運用する自信があるならば目標額は毎年の生活費不足分の25倍でもいいのでしょうが、 老後の資産なのでもっと安全に運用したいという方は例えば2%運用を想定して不足分の50倍でもいいと考えます。
例えば老後2000万円不足問題で話題となった総務省などの資料によると老後平均的に毎月5万円が不足するとされていました。 年間60万円不足です。それを25倍すると1500万円、50倍で3000万円です。それなりの額にはなりますが。本来のFIREの目標額に比べればかなり低いのではないでしょうか。
老後難民が社会問題となっています。
再認識しなければならないのは若いころにどんなに大金持ちであったとしても浪費して貯蓄がなければ老後難民になるのです。
たいていの人が老後は年金と貯蓄で暮らしていくのです。
どんなに立派な自宅を所有していたとしても現金が年金のみでは固定資産税さえ払えないケースがあります。
現役時代に羽振りがいい人ほど老後難民など自分がなるはずがないという根拠のない自信を持ちがちです。人は楽観バイアスに陥り安いのです。
現役時代は足りなくなったら稼げばいいのだと考えている人も多いと思いますが、老後は体力的にも気力的にも稼げなくなるのです。
理屈は簡単で老後に暮らせる貯蓄を備えていなければ誰でも老後難民になる可能性があるのです。 特に人類が未経験の人生100年時代を迎えて老後が非常に長くなり、途中で貯蓄が尽きる可能性もあります。
老後はどうにかなるものではなく、どうにもならないものなのです。
そのことをしっかりと再認識すべきです。
そのために現役時代に老後のためのFIREを目指すことをお勧めします。達成できなかったとしても通常の老後の備えはできる可能性は上がります。
以上、6章にわたってFIREについて述べてきましたが、FIRE全体だけをお勧めするのではなく、FIREの考え方、 やり方等の一部でも参考にしてもらいたいと思いで綴ってきました。
人生100年時代を迎え、長い人生を公助が厳しくなる中、自己責任で生き抜くのはますます大変な時代となるでしょう。
FIREにみられる積極的な人生の生き方は生きるヒントになると思います。

ページ先頭へ

第121章 世の中の潮流はSDGs

東京オリンピック、パラリンピックの複数の関係者がふさわしくないという理由でその役職を解かれました。
その理由は性や人や国による差別です。これはSDGsの目標に掲げられている「ジェンダー平等を実現する」、「人や国の不平等をなくそう」に反したからです。
だからと言ってSDGsの目標に反したから辞めさせられたのではなく、世界の大きな流れをSDGsの目標が象徴しており、その流れに逆らったからです。
SDGsの目標はその他に気候変動やエネルギーに関する目標など全部で17の目標と169のターゲットがあります。
SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」であり、 文字通りこのままでは地球や人類は今の状態を保てなく悪化するばかりという強い危機感から2015年9月に国際連合の特別サミットにおいて前回一致で採択されました。
この価値観や考え方はあらゆる場面で影響が大きくなってきています。
「目標13 気候変動への緊急対策」では、日本、米国、EUは2050年まで、中国は2060年までに温暖化ガスの実質排出量をゼロにするカーボンニュートラルを目指しています。 それに向けて各国は具体的な削減目標を掲げています。さらに、そのために民間企業も具体的な取り組みを始めています。
日本でもトヨタ自動車は「トヨタ環境チャレンジ2050」を掲げ、莫大な費用をかけて2050年までに新車、工場二酸化炭素ゼロにチャレンジしています。
川崎市は市をあげて水素の利活用に取り組んでいます。
その他にも多くの企業や自治体も環境問題に取り組んでいます。それらに伴い当然関係する個人も取り組むことになります。多くの関係者がSDGsを意識するようになります。
関係者以外の個人もエコバッグの購入や脱プラスチックによるストローなどの素材の変更等でSDGsを意識させられます。
市政だよりには脱炭素社会、資源の再利用について4ページの特集が組まれていました。
こうやって世界中がSDGsの流れに巻き込まれています。
この流れに逆らうのは自由ですが、生きにくくなるでしょう。また、世の中をよくしようという趣旨に逆らう理由も見つけづらいのではないでしょうか。
このような状況下で少なくとも「SDGsは何?知らない」ということは避けましょう。
SDGsを知って、意識して、自分はどのように行動している、ということは言えるようにしておきましょう。
生活する上でSDGsは不可欠なものになっているのです。

ページ先頭へ

inserted by FC2 system